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効果的な目標の決め方 - SMARTなKPIをリーダーと決めよう

Last updated at Posted at 2019-08-20

目標は、組織としてのゴールを達成しやすくすること、自分の成長に繋げていくものです。
良い目標を決めることで、組織としてゴールを達成し、自分の成長やキャリアに繋げていくことができます。

良い目標の3つの条件

目標は、以下の3つを満たして決めます

  • 会社やチームの状況や目標を理解する
  • SMARTなKPIを設定する
  • リーダーに目標および目標達成する手順(目標の難易度や障害)を理解してもらう

KPIの設定方法だけでなく、まず会社チームの状況や目標を理解することを大切にしてください。
起点にずれがある場合、良い目標を設定することはできません。
また、自分が良いKPIを設定したと思っていても、それをリーダーが良いKPIと理解していないと問題です。
そのためには、会社やチームの状況や目標を理解し、目標を決める必要があります。また、リーダーが目標の難易度や障害について理解してもらうようにHowについても説明をする必要があります。
川崎さんが書いている「Managing Your Leader」も非常に勉強になります。

SMARTなKPIとは

SMARTとは、自分とマネージャーがゴールや成功の定義について話しやすくするための5つの要素の頭文字をとった言葉です。

  • SPECIFIC: Who, what, where, when, and why of the achievement
  • MEASURABLE: Clear measures of success, key metrics and milestones
  • ATTAINABLE: Achievable, and also provides a stretch opportunity to develop and grow
  • RELEVANT: Results focused, aligned to Org/BU priorities, and produces tangible results
  • TIME-BOUND: A due date gives focus and sense of urgency to the work

(Adobe check-in toolkitより)

Specificは、自分のなにに対する成果か分かりやすく説明することです。
Measurableは、マイルストーン・KPI・達成の計測が明確であることです。
Attainableは、達成可能で、かつ成長のための機会があることです。
Relevantは、会社やビジネスやプロダクトの優先度に紐づくことです。
Time-Boundは、期日を設定することです。

自分は昔「取り組むことに対して変化が期待しやすい」「先行指標」「チームKPIに近い数字(大きな数字)」ということを目標にすることが良いと話をしていました。
SMARTは、網羅的で良いと思って今回紹介しました。

各項目のトレード・オフ

基本的には各項目を満たす目標を設定しますが、トレード・オフが発生することもあります。
複数のKPIを設定することで吸収することもできますが、吸収できないこともあります。

メルカリの樫田さんの話す、使いやすさと正しさは非常に分かりやすく、トレード・オフとしても捉えやすいです。(詳細はこちら)
例えば、正確に目標を表す10個の数字より、重要な1つな数字を達成することで、行動しやすく(使いやすく)なります。
遅行指標より先行指標のほうが速く施策を判断でき、使いやすくなります。
チームKPIに近い数字は、個人として施策を評価する上で使いやすい数字でなく、経営チームにとって使いやすい数字かもしれません。

目標を決める上でのトレードオフと自分の判断も列挙します。

  • SPECIFIC
    • 個人と複数人
      • 評価として目標を使う必要はないので、Specificでなくても、Measurable, Attainableな目標で良いです
  • MEASURABLE
    • 量と質
      • ユーザテストやサーベイを利用することもできますが、主観性が入りやすい指標になります
      • 主観性の高い数字と客観性の高い数字の目標は非常に難しいです
      • 目標は、複数の設定を行うことができるので、両方を満たすことはできますが、どちらが大切かも確認することが大切です
  • ATTAINABLE
    • 会社として取り組むべきことと個人の成長に繋がること
      • 多くの場合は、会社として取り組むべきことを優先することが多いですが、割合を握ることも良いかもしれません
      • 自分のグレードにあった目標を立てましょう。高すぎる場合は、自分のグレードにあっているか確認することも良いかもしれません
  • RELEVANT
    • 施策を直接表す数字と、会社の重要なKPIや目標に紐づく数字
      • この2つは非常にバランスが難しいです
      • 大きくしすぎると、自分の思索による影響でなくなります
      • 施策が良いか判断でき、会社への影響も分かるものが良いバランスです
  • TIME-BOUND
    • 短期と長期
      • 目標は長期すぎないほうがよいと思っています
      • 目の前発生するべき数字がぼやけすぎるからです
      • 短期の数字と長期の数字両方立てて進めることもおすすめです

複数のKPIを見る大切さ

  • トレード・オフの項目は、両方の数字も可視化するようにしましょう
    • KPIは両方含めるときと含めないときがありますが、可視化は行う方がよいことが多いです
    • また、特に数字に異変があるときは、確認することをおすすめします
  • KPIは、先行指標を利用するべきですが、遅行指数も可視化します
    • 最終的なLTVは先行指標だけだと分からず、先行指標と遅行指標の関係性が保たれているか知る必要があります。
  • 自分の施策の数字と、チームのKPIの間にある数字も可視化しましょう
    • 例えば、メールの開封率の改善を行ったとします。最終的な目標がユーザの継続率だった時、メール経由のクリック率、メール経由の流入後の滞在時間、メール経由の流入ユーザの再訪問率の変化がメールの開封率とユーザの継続率の間にある数字です
  • 目標KPIを設定した後、KPIが正しくなくなる懸念点を書き出しましょう。
    • 重要でない、影響がないと思った数字に大きく変化があることはあります。
    • 書き出した上で確認、余裕があれば可視化することで、何が起きているか状況が把握しやすくなります。

具体的な数字の設定方法

目標は、かけられるリソースや、対応する人、数字の現在のトレンドによっても異なります。リーダーと自分がお互いに納得して決めることが大切です。
トップダウン型(会社目標の按分の反映)、ボトムアップ型(トレンド+自分の行ったことによる変化)があります。
ボトムアップ型は以下のようになります。

目標 = トレンドでの変化率 + 施策による変化率

目標は、ATTAINABLEであるほうが良く、最初から達成できない目標を立てることはおすすめしません。実際に達成するべき目標をミスした場合も気づかず、逆に数字を見なくなるからです。

設定する数字の精度を上げる方法としては、数字を「新規の数と継続率」に分解して、予測モデルを立てることができます。こちらに詳しく継続率の見方については解説しています。

また、広告予算にKPIが影響する場合は、広告予算に合わせて目標を調整するように目標を設定します。

季節性の考慮についても解説します。
平日と休日の考慮・月ごとの変化の考慮があります。例えば、平日と休日で売上やアクション数が2倍違う場合、平日が1日多い場合、2%目標が代わります。(20/30+10/30/2)/(19/30+11/30/2)
季節性の考慮する際は、最低2年分の数字の変化を見ましょう。年間の成長率を割り引いた、季節ごとの変化率に季節性があるか相関を計算してみましょう。(12個しかないので相関係数使わなくても見て分かる場合はそれでも良いとおもいます)事実として、季節性が大きい場合は、過去2年間の月ごとの変化率を考慮して目標を立てます。2年間の平均にするか、直近1年間を強く出すかは幅があります。

FacebookのProphetは精度を上げる上で役に立ちます。Prophetも役に立ちますが、データが少ない、精度を上げることによるメリットが少ない場合は、補正の計算ロジックが分かりやすいspreadsheetで行えるレベルで行うでも良いと思います。
また季節性も、QごとやYごとの変化を見るようにすると、影響は少なくなります。

個人的には、数字を構成する要因は複数あるので、やりすぎず、「正しく施策・行動を判断する」上で邪魔になる場合は行うくらいで進めるのがよいと思っています。

Are Right, A Lot

リーダーは多くの場合正しい判断を行います。強い判断力を持ち、経験に裏打ちされた直感を備えています。リーダーは多様な考え方を追求し、自らの考えを反証することもいといません。
Amazon Leadership Principles

この一言を加えると、より目標設定が難しくなりますが、常に正しく達成することはできませんが、多くの場合目標設定について正しい判断を行う必要があります。
常に自分の考えを反証し、目標達成、目標達成の会社への貢献率を高めていくことが重要だと思っています。

参考

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