はじめに
最近、WordPressは「レガシー」と呼ばれることが増えましたが、果たして実際のところどうなのでしょうか?
未経験からエンジニアになり、PHPの開発にも携わるようになったことで、WordPressの現状が気になっています👀
本記事では、その理由や他の選択肢を探りつつ、Laravelについても少し触れていきます。
この記事が、皆さんの知識を深めるきっかけになれば幸いです!
そもそもWordpressとは
CMS(Content Management System)は、ウェブサイトのコンテンツを簡単に管理・更新できる仕組みを提供するツールです。
その中でもWordPressは、世界中で最も使われているCMSの一つで、豊富なプラグインやテーマを通じて柔軟なカスタマイズが可能です。
最近は更新していない私のWordpressホーム画面(紹介ではありません)↓
管理画面(Admin)↓
ドメインを設定して、サーバーを借りてWordpressをインストールすることで上記のような画面でブログ運営が可能となります。
私の場合、「Xサーバー」を使っていますが、「ConoHa Wing」も有名です。
なぜレガシーなのか
下記のような理由から「レガシー」と呼ばれることがあるようです。
登場してから時間が経っている
WordPressは2003年にリリースされ、約20年間の歴史を持っています。そのため、初期の構造や設計が今の技術トレンドとは異なる部分もあると思われます。
現在におけるトレンドといえば、フロントエンドフレームワーク(React、Vue.js、SPA)やPHPならLaravelということもあり、Wordpressは聞かなくなってきているのも一理あるかと思われます。
詳しいWordpressの歴史やアップデート詳細はこちらからご覧ください。
コードが古い
一部の古いプラグインやテーマは、最新のPHPバージョンに対応しておらず、セキュリティやパフォーマンスに問題を引き起こすことがあるようです。
こちらの記事が大変参考になります。
脆弱性がある
人気があって使いやすいことからWordPressは悪意のある攻撃者の標的になりやすく、多くの脆弱性が報告されています。
ついこの間だとこのツイートが話題に上がっていた気がします。
WordPressは多くのサイトで利用されているため、攻撃者の標的になることが多いのは事実です。ただし、セキュリティの取り組みが進んでおり、問題の多くは、更新が停止したプラグインやテーマに起因されているようです。
WordPressが今も選ばれる理由
ここからは今もWordpressが選ばれる理由についてまとめています。
プラグインが豊富でカスタマイズがしやすい
無料・有料を問わず、膨大な数のプラグインが用意されており、専門的なプログラミング知識がなくても機能を追加できます。
プラグインを導入することによって、サイトのセキュリティを上げたり、お問い合わせフォームを設置したり、画像の圧縮などできたりします。
例えば、下記のようなものがあります。
他にもたくさんあるプラグインを活用してカスタムすることで、オリジナルのブログ運営ができます。
また、デザインも自由に設定することが可能で、ヘッダー・フッター・ファビコンなどおしゃれにできます。
利用者が多く情報も豊富
WordPressは世界中で広く利用されており、W3Techsの統計によると、全ウェブサイトの43.6%がWordPressを利用しています。
この市場シェアの高さから、日本語を含む多言語のチュートリアルやコミュニティサポートが充実しています。
初心者からプロまで利用できる情報が揃っている点は大きなアドバンテージです。
WordPressを使うべき場面とは?
次のような状況では、WordPressは非常に適した選択肢だと思われます。
オリジナルWebページを簡単に作成したい場合
独自デザインや機能を持つウェブサイトを構築したい場合、WordPressはその柔軟性を最大限に活かせます。
WordpressのようなCMSのサービスを作るには、専門的な知識(プログラミング・開発)が必要で習得に時間がかかります。WordPressを使うことで、オリジナルのWebページを手軽に運用することが可能になります。
広告だったらLPで十分かもしれませんが、飲食店や個人事業主が情報発信や集客を行うのに最適で、企業のHPにもオススメです。
ブログや小規模なサイトを手軽に運営したい時
短期間でサイトを立ち上げてブログを運営したい場合にもWordPressは便利だと思います。
自身の経験から言うと、個人でブログを運営していずれ収益化させるために、そこそこの規模感で運営していくなら良いかと思います。
Laravelとの関係性とは
WordpressとLaravelって何かしら関係性があるのか気になったので調べてみました。
Laravelとは、Symfony、CodeIgniter、CakePHPなどのPHPフレームワークに並ぶ、PHPならLaravel一択と呼ばれるくらい人気の高いMVCフレームワークです。
結論
両者は共にPHPで書かれているものの、全く異なるものでした。
Laravelは「MVCアーキテクチャ」を採用し、データベースとビューを効率的に管理するWebアプリ開発に適したフレームワークです。
一方、WordPressは「プラグインアーキテクチャ」を採用しており、ノンコーディングで機能追加が可能なCMSです。
例えば、ブログの作成にはWordPressが最適ですが、独自機能を含むWebアプリケーションにはLaravelが強みを発揮します。
Googleトレンドでは、Laravelの方が人気のようですが、今後もLaravelとWordPressは共存していくと思われます。両方の知識を持っておくことは、エンジニアとして大いに役立つことでしょう。
Wordpress以外の選択肢
ここではWordpress以外の選択肢を考えてみます。
自分で開発する
「Ruby on Rails」や「Laravel」、「SpringBoot」などのフレームワークを使って、一からブログ投稿ができるアプリケーションを開発するというのも選択になるかなって思います。
専門的な学習や設計、開発時間などかかりますが、スキルアップやオリジナルのものを作ることができますし、運営しながらカスタマイズしていくことだって可能です。
開発して、デプロイ後にドメインも取得しておけば、検索エンジンにも載せられるので、問題ないかと思われます。
ヘッドレスCMS
ヘッドレスCMSを用いて、ページの一部をCMSによって管理し、他はSPAでサイト制作するという方法もできそうです。
ヘッドレスCMSは、コンテンツ管理と表示を切り分ける仕組みです。たとえば、microCMSなどを使用するとバックエンドでコンテンツを管理し、フロントエンドはReactやNext.jsなどの最新技術で構築することができます。これにより、柔軟なデザインと高速なパフォーマンスを実現できます!
「microCMS」や「Newt」などを使って、ページの一部に導入することで柔軟性やカスタマイズ性を高めて運用することも一つの手になるかと思われます。
ReactやNext.jsとの組み合わせがトレンドだったりもするので、一緒にヘッドレスCMSを活用することを個人的には推したいです。
学習コストはかかります。
ノーコードツール
ノーコードツールを使って、サクッと作って運営するのも手かなと思われます。
ノーコードツールとは、コーディングやプログラミング知識がなくても、直感的な操作(ドラッグ&ドロップやマウス操作)でWebサイトやWebアプリケーションなどを開発できるツールです。
Webサイト開発ならSTUDIOやペライチ、Wixなどが有名です。これらを用いれば、Wordpressでなくても、CMS確立できるでしょう。
またノーコードツールは、Webサイトだけでなく、アプリ開発ならBubble、ECサイトならShopifyなどがあり、目的に合わせて活用すると良さそうです。
仕事や案件について
ここでは、WordpressとLaravelの仕事や案件、それに必要な知識について解説します。
Wordpress
必要なスキルと業種
以下のスキルが必要です。
- HTML/CSS
- JavaScript(jQuery)
- Sass
- Figma(デザインカンプからコーディング)
- PHP(Wordpress)
- WebデザインやUI設計の基本知識
など
業種については以下のように呼ばれます。
- Web制作者(コーダー)
- マークアップエンジニア
- デザイナー
※フロントエンドエンジニアと呼ばれることもありますが、開発中心のエンジニアとは少し異なります。
仕事と特徴
下記のような仕事です。
- デザインカンプからのHTML/CSSコーディング
- 広告用LP制作
- 企業や店舗向けのコーポレートサイト制作(Wordpress)
- ブログやメディアサイトの構築
未経験者でも学習を進めれば仕事に繋がりやすく、フリーランスや副業を始めるのに適しています。また、Webの基本スキルを習得する良い土台となります。
ただし、参入障壁が低さから競争が激しく、案件を取るまでに苦労する場合があります。
Laravel
必要なスキルと業種
以下のスキルが必要です。
- HTML/CSS
- JavaScript(React、Vue.js)
- Figma(画面遷移図など)
- PHP(Laravel)
- DB設計
- Git(Github)
- Docker
- 基本的なインフラ知識 (IaaS、PaaSなど)
- Webの仕組みとセキュリティ
- WebデザインやUI設計の基本知識
など
業種については以下のように呼ばれます。
- システムエンジニア
- バックエンドエンジニア(サーバーサイドエンジニア)
- フロントエンドエンジニア
仕事と特徴
下記のような仕事です。
- Webアプリケーションの開発(管理システム、業務支援ツール、自社サービスなど)
- ドキュメント整備
- 要件定義やクライアントヒアリング
中規模以上の案件が多く、設計力やチームでのコミュニケーションスキルが求められます。報酬は高い傾向にありますが、それに見合った高度なスキルが必要です。
学習には時間がかかるものの、参入障壁が高い分、競合が少なくキャリアアップにつながりやすいのが魅力です。
どちらに進むべきか
結論
特にLaravelをおすすめします。高いスキルが求められるため需要が多く、報酬面や将来性でも有利です。
ただし、自身のスキルや目的に応じて選ぶのがベストです。Laravelに挑戦する前に、Wordpressを通じて基礎的なスキルや実務経験を積むのも良い選択肢です。
Wordpressで基礎を固めた後、モダンな技術であるReactやLaravelの学習に進むことで、キャリアの選択肢を広げることができます。
Laravelのメリット
- 参入障壁が高い分、競争が少なく、高単価の案件が期待できる
- 技術的な知識が増えることで、他のフレームワークや言語にも応用が効く
- キャリアップにもつながる
一方で、Wordpressから始める場合でも強みを作ることで差別化が可能です。
Wordpressでの差別化ポイント
- デザインやマーケティング知識の習得
- Shopifyやノーコードツールの活用スキル
- 将来的にはReactや他のモダン技術を学ぶことでキャリアアップにつながる
参入障壁の低さから、Wordpressオンリーだとどうしてライバルが多くなりやすく、仕事や案件獲得に繋がらない可能性が高いので、何かしらの差別化できるスキルを持っておくことが重要になります。
といっても、これからWeb業界でやっていく人からすれば、Wordpressは教養としても大変役立ちますので、身につけておいて損はしないです。
おわりに
WordPressは確かに『レガシー』と呼ばれる要素もありますが、依然として多くの支持を集めています。
私自身、Web制作を志していた時期もありましたが、ノーコードツールやAIの台頭により将来性に不安を感じ、Web開発へとシフトしました。しかし、Web制作の知識はWeb開発の学習に大いに役立ちました。
WordPressは確かに課題もありますが、その利便性と普及率の高さから、今後も重要な選択肢であり続けるでしょう。
ただし、プロジェクトに応じて新しい技術やツールを検討する柔軟さも必要に思われます。
Wordpressがレガシーだから使わないとか、SPAが流行りだから使うとかでなく、何を実現したいのかをしっかり考えた上で選択すべきだと強く思います。
仕事においても同様に、自分が目指す方向を考えて、WordPressやLaravelを選択することが大切です。
この記事が、WordPressやLaravel、さらには他の選択肢を検討する際の参考になれば嬉しいです。また、記事を通して気になることや間違いがあれば教えてくださいますと幸いです。
参考