#PDS・情報銀行・データ取引市場の定義
(出典)IT総合戦略本部 データ流通環境整備検討会「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめ」(2017)
##PDS(Personal Data Store)
個人が自らデータを蓄積・管理し、他者と ⾃由に共有して活⽤する仕組みです。その運用形態には分散型と集中型があります。
(出典)IT総合戦略本部 データ流通環境整備検討会「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめ」(2017)
##情報銀行
「PDS」等のシステムを活用してパーソナルデータを管理するとともに、個人の許可に基づき個人に代わって企業等の第三者に貸し出すもので、本人にはデータの提供・活用に関する便益が還元されます。
(出典)IT総合戦略本部 データ流通環境整備検討会「AI、IoT時代におけるデータ活用ワーキンググループ 中間とりまとめ」(2017)
##データ取引市場
[データ提供者]と[データ提供先]の間には、直接取引(相対取引)および、データ取引市場運営事業者を介しての市場取引が存在します。
以上がPDS・情報銀行・データ取引市場の概要です。
もっと詳しく知りたいって方はググってください!
#主な関連事業者一覧
##情報銀行(PDS含む)
企業名 | サービス名 |
---|---|
三井住友信託銀行 | 『データ信託』サービス(仮) |
フェリカポケットマーケティング | 地域振興プラットフォーム(仮) |
三菱UFJ信託銀行 | DPRIME(仮) |
マイデータ・インテリジェンス | MEY |
DataSign | paspit |
日立製作所/東京海上日動火災保険/ 日本郵便など | - |
大日本印刷/中部電力・JTB | - |
##データ取引市場
企業名 | サービス名 |
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EverySense | EverySense Pro/EveryPost |
株式会社日本データ取引所 | - |
株式会社アイディオット | DP2 |
##その他
企業名 | サービス名 |
---|---|
KPMGコンサルティング株式会社 | 情報銀行設立支援サービス |
#PDS・情報銀行・データ取引市場の課題
これに関しては、NRI(野村総合研究所)のレポートが良くまとまっているので、
そちらをご紹介します。こちらは「情報銀行の課題」という名目で挙げられております。
- 当面はデータの価値に見合った対価の設定がカギを握る。
個人情報を預かるだけに、情報銀行の運営主体には、高度なデータ管理体制が求められる。 - いかに多くのデータ(from 消費者)とスポンサー企業を集められるか
- 消費者は、単なるディスカウントクーポンや「抽選で〇〇名様にプレゼント」程度では、
反応しない可能性 - 情報銀行と提携するスポンサー企業(広告主など)は、少数の消費者のデータには興味を示さない
- これまで、GAFAやアドネットワークなどから安価にデータを入手していた企業からすれば、
確度の高いデータであるとしても割高に感じる可能性が高いであるとしても割高に感じる可能性が高い
- 消費者は、単なるディスカウントクーポンや「抽選で〇〇名様にプレゼント」程度では、
- 消費者からの同意の取得方法とユーザーフレンドリーなデータコントロール機能の実装
- 確実な同意取得手段の検討とデータの提供範囲・提供先などに関するコントロール機能が必須
- 情報管理体制の強化
- 消費者から収集するデータがセンシティブ(資産・健康情報など)になればなるほど、
事故時の被害は甚大 - そもそもパーソナルデータを安心して預けられる企業なのか
(出典):情報銀行と信用スコアリングビジネスの展望 野村総合研究所
- 消費者から収集するデータがセンシティブ(資産・健康情報など)になればなるほど、
#色々調べてみた感想
日本でこういったデータ流通市場なるものが成熟するか否かは神のみぞ知る状態かなと思った。
日本人の特性として?(先進各国同じかもしれないが)相当な対価を提供してもらわない限り、自分に関するデータを外に出すというのは相当な忌避感があるんでないかと思う。
しかし、個人情報が漏れるのが怖いと言いながら、Facebookやtwitter等のSNSにガンガン自分の個人情報を晒すという、ダブルスタンダードな素敵な方々も多数いるので、もしかしたら流行る可能性も!?
長々書いてきましたが、AI、IoT、ロボティクスの時代に入り、データの流通が上手いこと流れていくという試みは重要だと思うので、個人的には市場が盛り上がることを願っています。
皆さんも意見等あれば是非コメントお願い致します!!!