こんにちは!株式会社 Panta Rhei代表取締役CEOのかずです。AIがちょっとだけ得意なデータエンジニアです。
Twitterではpandasistaという名前でやっています。以後お見知り置きを。
今回のテーマは自走力についてです。これって(自分にとって)かなり言語化する必要があるのでは?と思い立ち、自身の経験を踏まえて「自走する力」を自分なりの定義を紹介していこうと思います。
筆者の簡単な経歴※自分は学生時に起業したため正社員の経験がありません。
- データサイエンスインターン
- AIエンジニアインターン
- 起業&自社開発
- (3と並行して)受託(SIer)
ほとんどがクライアントワークなため、自走、すなわち自力でタスクをこなしていく場面が多々ある経歴となります。
ちなみに私は自走力が全然ないです。自身の目指すべき姿を言語化して頑張っていきたいお気持ち。
詰まるところ「自走力が高い」はこの3点
-
タスクの設計が上手い
-
サボらない
-
適切なコミュニケーション
考えてみれば当たり前ですね。
一つ一つ見ていきましょう。
1. タスクの設計が上手い
まずこれです。JiraなどのKanban系ツールを使ってプロジェクトを管理している方はかなりピンとくるのではないでしょうか?
自走力が高い人はタスクの設計が上手です。
上手なタスク設計とは、
- タスク粒度が適切
- 明確なゴール設定
の2点をしっかり押さえていることです。
タスク粒度が適切
→1日で終わるタスクと1ヶ月かかるタスクを箇条書きで並列に並べるのはタスク粒度が適切でない例の一つです。
ツリー化、すなわち大きいタスクを分割し、親タスクと子タスクの関係を作り、タスクにかかる工数やリソースを均していくのが適切なタスク粒度を作る一つのレシピになります。
ただこれが難しい。みんな似たようなことはやるんですよね。でも難しいんです。
1日くらいで終わるだろうと思っていたタスクに着手したとします。調査を進めると恐ろしい深淵、沼、混沌、邪悪に突っ込むことが判明してくることなどがあります。辛いですね。
AIエンジニア目線で言うと、意味不明なエラー。タスク自体には関係ないけど今修正しないと今後大変なことになりそうな放置できない爆弾。単純に自分の知識不足によるお勉強ボトルネック。
タスクの粒度が適切な人は、そのような深淵に対する感度が高いです。これによってタスクを整理している時に、「これは沼りそうだし沼対応用のチケット切っとくか」みたいになります。沼を事前に予見してタスクを設計できる。これは自走力が高い人の要件な気がします。
明確なゴール設定
→個人的に、自走力には1よりもこっちが重要だと思います。これをできる人はかなり自走力高いと思います。
よくゴールがあやふやなタスクがありますよね。「調査」タスクとか。これはゴールがよく分からないですよね。なぜなら、調査で「完璧に理解した」なんてことは起こらないからです。どこまで調査すれば良いのか。そんな時に、本来の調査の目的に戻って、タスクの終了基準を明確に言語化できると、すごいです。
あと「改善」タスクとかきついですよね。例えばDBのデータ処理時間が長い課題に対して、処理時間を短くするタスクがあったとします。どこまで短くすればいいんですかね。その時に、「レスポンス」「バッチ処理が被らない」など目的に立ち戻って、明確に基準を決めれる人って強いですよね。
先ほどの例での私の場合、タスクの調査を進めて「ここまでなら短くなりそう」的な目処を見つけます。タスクを進めながらゴールを設定する感じなので、ゴールが見つからなかったら永遠に沼って自走どころではなくなってしまします。
PMやPMOクラスでの上手なタスク設計の要素には「アサインが適切」「各人に対して負荷が均等」などいろいろな要素がありますが、あくまで自走の文脈で「上手なタスク設計」とは、
- タスク粒度が適切
- 明確なゴール設定
を満たしていることだと思います。私は苦手です。
2. サボらない
当たり前ですね。
ただ人間なので時にはサボります。特に働き方が多様化した現代では、サボるタイミングは見つけようと思えば見つけられます。
自走力えぐい人はサボらないです。厳密には
「サボっているように見えない」です。
昼寝がパフォーマンスを上げるという研究結果(最近∩日本だとこれ)は割とよく知られていると思います。ただ業務中の睡眠は是とはしにくいですよね。眠くない他の人から見たらなんで寝てんだ!となり、仕事の士気に影響するわけです。
すなわち「仕事のパフォーマンスを上げるために軽く寝たいけど、大っぴらに寝れない」というジレンマが存在します。
自走力が高い人は、定期的に眠りこけているのに「slackはすぐ返信するし」「進捗は悪くない」。いかにもサボっているようには見えません。
周りの士気を下げずに自分のパフォーマンスを上げるサボりをできる。これは高い自走力の一つのコツな気がします。
私は一度入眠すると1時間以上寝ちゃうので寝れないです。slackの返信も途絶え行方不明になります。これぞまさしく悪しきコミュニケーションコストの権化という感じです。すみません。寝ません。
私の対策としては、クライアントワークでも当事者意識を圧倒的にして(ATIと呼ぶらしいです(参考))、常にゾーンに入るよう心がける対策をとっています。
皆さんも「バレないようにサボる」を心がけて組織も個人もパフォーマンスを高めていきましょう。
(※誤解のないように言っておくと、仕事はちゃんとしましょう。はい。)
3. 適切なコミュニケーション
これもかなり当たり前ですね。しかし難しいです。
適切なコミュニケーションを構成する2つの要素は、「頻度」と「投げる内容の大きさ」です。
頻度
これは割とピンとくる方も多いのではないでしょうか?コミュニケーションの頻度が適切だと自走力が高いなぁとなるのは腹落ち感があると思います。
では何を以て適切と言えるのか。こういう時は極端な例を出してそれを除外して適切具合を定める「はさみうちの原理」を使うと良いです。元は極限値を出すための高校数学の手法ですね。私の命名です。
では早速。
コミュニケーション頻度「過多」だと…
→相手の時間を奪う&自分の時間が削られる
コミュニケーション頻度「過小」だと…
→相手の稼働状況に対して不安になる&次のコミュニケーションをとる時、心理的に壁ができてしまう
悪い例を挙げると分かりやすいです。
「10分に一回、雑談をしてくる」。雑談しすぎですね。業務の内容の質問だとしても質問しすぎです。でもたまにいますよね。質問することが仕事なんでしょうかという方。相手の時間に配慮していきましょう。というか自分の仕事をしましょう。
(OJT直後や質問が多めの業種は例外です。重箱の隅を突かないでください!)
「1週間に一回、slackに進捗報告をする」。こういうクライアントワーカーさんは少なくないんじゃないでしょうか。個人的にこれは少なすぎると思います。まずマネージャー時点だと、シンプルに不安になります。「ボトルネックに詰まってないかな」「他者と連携できてるかな」とか。プロジェクト視点だと、間違った方向に進んでた場合は手戻り幅が大きくなります。仕事とは概して極めて小さい進捗方向ミスをコミュニケーションによって修正していくフィードバック制御作業です。手戻り幅が増えるリスクを増やしマネージャーを心配させて、なんの得もありません。
また個人的に重要だなと思うのは、「前回のコミュニケーションから時間が空いた人に再度コミュニケーションをするには、心理的な障壁がある」という点です。ちょっとだけ勇気がいるんですよね。「進捗確認したいけど詰めた感じに取られちゃうかな」「資料送付して欲しい時って、どういうお願いの仕方したら良いんだっけ」的な部分です。私が陰キャだからでしょうか。結構勇気がいるんです。
ぜひ、「相手の時間を奪わない」くらいに少なく、「相手を不安にさせない&次回コミュの勇気を不要とする」くらいに多く、コミュニケーションをしていきましょう!自走力高まります。
追記: 適切な幅って、極論から挟んでいくと見えてくるんですね。
投げる内容の大きさ
これは例を挙げます。
「今ここにむちゃ詰まってるんですが、どう解決したら良いでしょう😭」このような質問とかってしばしばないでしょうか?詰まりまくって色々いじって悩んだであろうタスク。1週間くらいは戦ったであろうタスク。大体回答をするときは、その人がどのような対応過程を経てきたかもセットでヒアリングします。聞いてみるとすごい大きさの質問だ。他部署に質問しなきゃいけない。上長からの権限とかに対応しないといけない。それは必要ない?
これって時間が問題というよりも、頭の思考リソースがかなり取られるのが問題なんです。1, 2回試行してから質問してくれれば、そんなに頭も使わずそれなりに正しい方向性で解決策が出てくるのに。転がすから結構本格的に頭のリソースを使わないといけない。これが面倒で仕方ない。
大体の人は質問はウェルカムです。頼られるのって嫌な気持ちしませんし。ただ、自分のリソースを本格的に投下して対応しなければいけないとなると話は別です。この頼られて気持ちいいラインの質問をしましょう。
自走力の高い人って、ちゃんと答えたくなる質問の大きさで投げてきますよね。ほんとすごいです。
適切な頻度でちっちゃいコミュニケーションをどんどんとっていきましょう!
まとめ
自走力の高い人は
1. タスクの設計が上手い
1.1. タスク粒度が適切
1.2. 明確なゴール設定
2. サボらない
→サボっているように見せずにサボる
3. 適切なコミュニケーション
3.1. 適切な頻度
3.2. 適切な大きさの内容
がすごい!