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C#(ASP.NET core)でWeb APIを作ってみる(Hello World編)

Last updated at Posted at 2018-11-19

はじめに

C#でWeb APIを作ろうとすると、core無しのASP.NETとcore付きのASP.NETがあるみたいですが、core付きのほうが新しそう、という理由だけで、ASP.NET coreでWeb APIの作り方を書いていこうかと思います。ちなみにバージョンは、ASP.NET core 2.1になります。

今回は、とにかくWeb APIを作って動かすやり方の話になります。そのため、プログラムの解説は全くしません。Web APIの話は1回で収まらないため、プログラムの解説は次回以降で書こうと思います。

目次

  • Hello World編 (ここ)
  • IISデプロイ編 
  • ルーティング編 (まだ)
  • リクエストパラメータ編 (まだ)
  • レスポンス編 (まだ)
  • 認証編 (まだ)
  • 認可編 (まだ)

準備するもの

  • Visual Studio 2017
    • これが無いと、ASP.NET core のプロジェクトが作れない
  • WinCurl
    • この記事の下のほうに、入手&導入方法があります。

作るAPI

例として作るAPIは、定番のCRUD4パターンを実装をしていきます。

API 説明 リクエストボディ レスポンスボディ ステータスコード
GET /api/todo/ すべてのToDoリストを取得する。 (なし) ToDoアイテムの配列 200
GET /api/todo/{id} {id}で指定したToDoアイテムを取得する。 (なし) ToDoアイテム 200
404({id}で指定したTodoアイテムが無い場合)
POST /api/todo/ ToDoを登録する ToDoアイテム Todoアイテム 201
PUT /api/todo/{id} {id}で指定したToDoアイテムを更新する。 Todoアイテム (なし) 204
404({id}で指定したTodoアイテムが無い場合)
DELETE /api/todo/{id} {id}で指定したToDoアイテムを削除する。 (なし) (なし) 204
404({id}で指定したTodoアイテムが無い場合)

Visual Studioでプロジェクトを作成する

(1) メニューの「ファイル」>「新規作成」>「プロジェクト...」を選択します。
2018-11-14_221330.png

(2) 「Web」から「ASP.NET Core Web アプリケーション」を選択します。プロジェクト名は何でもいいですが、今回の例ではTodoにしておきます。
2018-11-14_221432.png

(3) 続いて、プロジェクトのテンプレート選択画面から、上部にある「.NET Core」のバージョン「ASP.NET Core 2.1」を選択し、テンプレートは「空」を選択します。「Dockerサポートを有効にする」「HTTPS用の構成」はチェックを外して「OK」を押します。
2018-11-14_221450.png

ポート番号を変えておく(必須ではない)

ローカルでVisual Studioからデバック実行すると、デフォルトでランダムに設定されたポートで起動します。このままでもいいのですが、個人的に50000番台のポートを使っているのが気に喰わないので変えておきます。

(1) プロジェクト名(Todo)を右クリック>「プロパティ」でプロジェクトの設定画面を開き、「デバッグ」タブを選択すると、「アプリURL」があるので、ポート番号を変更します。番号は何番でもいいのですが、 http://localhost:9999 に変えておきます。
2018-11-14.png

実装する

プロジェクトの作成と設定は完了したので、プログラムを作っていきます。

モデルを追加する

モデルには、Todoアイテムを表すTodoItemクラスを作ります。

Modelsフォルダがないので、右クリック>「追加」>「新しいフォルダー」を選択し、Modelsと入力してフォルダを作っておきます。
2018-11-13_225834.png

Modelsフォルダを作ったら、そこを右クリック>「追加」>「クラス...」でTodoItemクラスを作ります。
2018-11-13_225948.png

TodoItemクラスの実装は、次のようにします。ただの構造体クラス(C#ではPOCOと呼ぶらしい)です。

TodoItem.cs
namespace Todo.Models
{
    public class TodoItem
    {
        public int Id { get; set; }
        public string Name { get; set; }
        public bool IsDone { get; set; }
    }
}

コントローラーを追加し、メソッドを実装する(GETだけ)

続いてルーティングの定義と、APIの処理をするクラスを作ります。

プロジェクトを「空」で作ると Controllers フォルダもないので、Modelsのときと同様に、右クリック>「追加」>「新しいフォルダ」でフォルダを作っておきます。

フォルダを作ったら、Controllersフォルダを、右クリック>「追加」>「コントローラー...」を選択します。
2018-11-13_230317.png

コントローラーの種類を選択する画面では、「APIコントローラー - 空」を選択し、クラス名は TodoController にします。
2018-11-13_230451.png
2018-11-13_230506.png

TodoController クラスは次のように実装します。データは、本来はデータベースや他のWeb APIなどから取得しますが、今回はデーターベースを使わないので、コントローラークラスにハードコーディングしてしまいます。また、GETを受け取る2つのメソッド(/api/todo/api/todo/{id})も実装します。

TodoController.cs
...
using Todo.Models;

namespace Todo.COntrollers
{
    [Route("api/{controller}")]
    [ApiController]
    public class TotoController : ControllerBase
    {
        // Todoアイテムの初期データ。本来はデータベースなどから取得する。
        private static List<TodoItem> items = new List<TodoItem>() {
            new TodoItem() { Id = 1, Name = @"犬の散歩", IsDone = false, },
            new TodoItem() { Id = 2, Name = @"買い物", IsDone = true, },
            new TodoItem() { Id = 3, Name = @"本棚の修理", IsDone = false },
        };

        [HttpGet]
        public ActionResult<List<TodoItem>> GetAll()
            => items;

        [HttpGet("{id}", Name = "Todo")]
        public ActionResult<TodoItem> GetById(int id)
        {
            var item = items.Find(i => i.Id == id);
            if (item == null)
                return NotFound();
            return item;
        }
    }
}

Startup.csを変更する

空のプロジェクトの場合、StartUp.csに必要な起動処理が書かれていないので、これも実装します。ConfigureServices()Configure()メソッドの中身を次のように書き換えます。

Startup.cs
...
using Microsoft.AspNetCore.Mvc;

namespace Todo
{
    public class StartUp
    {
        public void ConfigureServices(IServiceCollection services)
        {
            services.AddMvc()
                    .SetCompatibilityVersion(CompatibilityVersion.Version_2_1);
        }

        public void Configure(IApplicationBuilder app, IHostingEnvironment env)
        {
            if (env.IsDevelopment())
            {
                app.UseDeveloperExceptionPage();
            }

            app.UseMvc();
        }
    }
}

試してみる1

これで、GETメソッドだけですが実装完了です。早速試してみましょう。

Web APIテスト用クライアントを導入する

GETメソッドならブラウザからの確認でもいいのですが、今後POSTやPUTなども試したいので、何か確認用ツールを導入します

RESTful APIをテストするときの定番ツールは curl であり、Windowsにも curl はあるのですが(WinCurl)、コマンドプロンプトからではどうがんばっても日本語をUTF-8で入力できない(表示はできる)ので、GUIのツールに頼るしかなさそうです。おそらくブラウザのプラグイン、Chrome の postman か Advanced Rest Client あたりになるかと思います。この記事では、curl の導入方法と、確認 curl のコマンドで書きますが、postman とか使う人は適当に読み替えてください。

WinCurlをインストールする

いちおう、WinCurlの導入方法を書いておきます。

https://curl.haxx.se/download.html へ行き、下のほうにある「Windows 64 bit」から、ダウンロードします。
2018-11-14.png

ダウンロードしたファイルは、ただのexe(インストーラーではない)なので、C:\Program Filesなど、適当なフォルダに解凍したフォルダごと置き、環境変数PATHを通しておきます(マイコンピューターを、右クリック>「プロパティ」で、「環境設定」>「詳細設定」タブ>「環境変数」のPATHに追加する)。

試す

Visual Studio上でF5を押して起動し、コマンドプロンプトを起動してcurlを実行します。F5を押すと、ブラウザが自動的に起動しますが、今は無視してください(じゃまなので、後で起動しないように設定を変更する)。オプションに -D - を付けて、レスポンスヘッダーも出すようにしておきます。APIの確認をするとき、レスポンスボディしか見ない人がいますが、ちゃんとレスポンスヘッダーも確認するようにしましょう。

> curl -D - -X GET "http://localhost:9999/api/todo"
HTTP/1.1 200 OK
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: application/json; charset=utf-8
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG8=?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Wed, 14 Nov 2018 13:36:23 GMT

[{"id":1,"name":"犬の散歩","isDone":false},{"id":2,"name":"買い物","isDone":true},{"id":3,"name":"本棚の修理","isDone":false}]

> curl -D - -X GET "http://localhost:9999/api/todo/1"
HTTP/1.1 200 OK
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: application/json; charset=utf-8
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG9cMQ==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Wed, 14 Nov 2018 13:40:05 GMT

{"id":1,"name":"犬の散歩","isDone":false}

> curl -D - -X GET "http://localhost:9999/api/products/0"
HTTP/1.1 404 Not Found
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG9cMA==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Wed, 14 Nov 2018 13:40:28 GMT
Content-Length: 0

確認ポイント:

  • ステータスコード
    • ときどき、なんでも200を返すAPIがいる。
  • X-xxxヘッダー
    • サーバー情報がはいっているので、なるべくIISの設定を何とかして出さないようにしたほうがいい。今回はVisual Studio上でデバッグで動かしているので、関係ないですが。
  • Location
    • Createのとき、生成したリソースのURLが入る。この値がむちゃくちゃだったり、無かったりするときがある。
  • Content-Type
    • application/jsonになっているか。
  • Content-Length
    • ときどき、むちゃくちゃな値が入っているときがある。また、このヘッダーの代わりにTransfer-Encoding: chunkになっている場合がある(これ自体は問題ない)。Transfer-Encodingが受け取れない、残念なクライアントがたまにいる。

他のメソッドも実装する(POST, PUT, DELETE)

TodoControllerクラスに、POST, PUT, DELETE用のメソッドも追加していきましょう。

TodoController.cs
    [Route("api/{controller}")]
    [ApiController]
    public class TotoController : ControllerBase
    {
        ...

        [HttpPost]
        public IActionResult Create(TodoItem item)
        {
            // 新しいTodoItemのIdは、最大値+1にする
            // 本当はSQLでやる
            item.Id = items.Max(i => i.Id) + 1;
            items.Add(item);

            return CreatedAtRoute("Todo", new { id = item.Id }, item);
        }

        [HttpPut("{id}")]
        public IActionResult Update(int id, TodoItem item)
        {
            var target = items.Find(i => i.Id == id);
            if (target == null)
                return NotFound();

            target.Name = item.Name;
            target.IsDone = item.IsDone;

            return NoContent();
        }

        [HttpDelete("{id}")]
        public IActionResult Delete(int id)
        {
            var n = items.RemoveAll(i => i.Id == id);
            if (n == 0)
                return NotFound();
            return NoContent();
        }
    }

試してみる2

デバッグ実行のとき、ブラウザ起動しないようにする

curl などツールを使う場合、いちいちブラウザが起動してうっとうしいので、起動しないように設定します。

プロジェクトを右クリックしてプロジェクトの設定を開き、「デバッグ」タブを選択すると、「ブラウザの起動」にチェックが入っているので、チェックをはずします。
2018-11-17_221234.png

試す

  • POST

ボディがある場合は、Content-Typeヘッダーを付けないと、エラーになります。
※注 コマンドプロンプトから日本語を入力する場合、エンコードがShift_JISになり、エラーになります。

> curl -D - -X POST -H "Content-Type: application/json" -d "{\"name\":\"旅行\", \"isDone\":false}" "http://localhost:9999/api/todo"
HTTP/1.1 201 Created
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: application/json; charset=utf-8
Location: http://localhost:9999/api/Todo/4
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG8=?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Sat, 17 Nov 2018 13:01:10 GMT

{"id":4,"name":"旅行","isDone":false}

> curl -D - -X GET "http://localhost:9999/api/todo"
HTTP/1.1 200 OK
Transfer-Encoding: chunked
Content-Type: application/json; charset=utf-8
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXFRvZG9cNA==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Sat, 17 Nov 2018 13:02:35 GMT

{"id":4,"name":"旅行","isDone":false}

ステータスコードが201で、Location ヘッダーがあることを確認しましょう。

  • PUT

※注 コマンドプロンプトから日本語を入力する場合、エンコードがShift_JISになり、エラーになります。

> curl -D - -X PUT -H "Content-Type: application/json" -d "{\"name\":\"犬の散歩\", \"isDone\":true}" "http://localhost:9999/api/todo/1"
HTTP/1.1 204 No Content
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG9cMQ==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Sat, 17 Nov 2018 13:09:47 GMT

> curl -D - -X PUT -H "Content-Type: application/json" -d "{\"name\":\"ほげほげ\", \"isDone\":true}" "http://localhost:9999/api/todo/0"
HTTP/1.1 404 Not Found
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG9cMA==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Sat, 17 Nov 2018 13:10:19 GMT
Content-Length: 0
  • DELETE
> curl -D - -X DELETE "http://localhost:9999/api/todo/1"
HTTP/1.1 204 No Content
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG9cMQ==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Sat, 17 Nov 2018 13:11:13 GMT

> curl -D - -X DELETE "http://localhost:9999/api/todo/0"
HTTP/1.1 404 Not Found
Server: Kestrel
X-SourceFiles: =?UTF-8?B?QzpcQXBwbGljYXRpb25cdnNwcm9qZWN0c1xUb2RvXFRvZG9cYXBpXHRvZG9cMA==?=
X-Powered-By: ASP.NET
Date: Sat, 17 Nov 2018 13:11:33 GMT
Content-Length: 0

まとめ

今回は、動かすことに集中しプログラムの解説を全くしなかったため、プログラムに関しては意味不明だったと思います(特にルーティングとレスポンスの生成)。プログラムの解説は次回以降で行っていく予定です。

Web API は core になって、MVC の枠組みの中の1つとなってしまい、いろいろ作るものが多いという印象です。これが複雑さを上げているように思います。

参考文献、サイト

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