こんにちは、RANです。
今回は、2021年に受験した応用情報の試験対策について書きます。
今後高度試験を受験予定なので、備忘録として。
さらに誰かの参考になればと思い、Qiitaに投稿することにしました。
前提情報として、まずは筆者のスペックや使用した参考書をご紹介しますね。
筆者の受験時スペック
・非情報系学部出身
・大学院ではプログラミングを少々かじっていた
・ITパスポート・基本情報技術者のテキスト・練習問題を一通りやっている
・IT系の実務歴1年
上記の状態から2021年秋受験で合格しました。
合格のために使用した参考書
- キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者
- 応用情報技術者合格教本 技術評論社
- 応用情報一問一答 午前 全問解説付(アプリ)
- 過去問道場
- 応用情報技術者 午後問題の重点対策 iTEC
使い方の詳細は後ほど解説していきます。
まずは、応用情報技術者の概要について振り返っていくことにします。
応用情報技術者試験とは?概要や取得するメリット
最近IT系ブームなのでよく耳にするようになった資格ですね。資格名だけでは難易度がイマイチ掴めないので、どのような立ち位置にある資格なのか確認していきます。
応用情報技術者試験について
応用情報技術者とは、経済産業省が認定を行うITの国家資格のこと。情報処理推進機構(IPA)が実施している試験の一つに応用情報技術者試験があります。
引用:情報処理推進機構,試験>試験の概要>試験区分一覧
応用情報技術者は、共通キャリア・スキルフレームワーク(レベル1~4)のレベル3に位置付けられています。「応用」という文字通り、ITエンジニアかつマネジメントできる立場として活躍するために必要な知識・技術が問われるということですね。
筆者が働いている職場での現場感覚としては、”一定の経験(5年程度)を積んだエンジニアが受ける試験”という認識です。しかし最近は、IT企業への就職が人気となっているため、大学時代から取得する学生もちらほらいる印象がありますね。
次に試験概要や合格率をみていきます。
試験の出題形式
試験の出題形式を見ていきます。
引用:情報処理推進機構,試験>試験の概要>試験区分一覧>AP 4.試験時間・出題形式・出題数(解答数)
午前問題はマークシート、午後問題は記述式です。
試験の追記すべき特徴は下記になります。
- 午前・午後どちらも100点満点中60点以上で合格。
- 午前が合格にならなければ、午後は採点すらされない。午前問題に合格できなければお話になりませんよ、という感じ。
- 午前のみ合格であったとしても、次回受験免除はなし。2回目以降受験時も午前・午後両方を受けなければならならないので、1回で受かりたい試験ではある。
試験の合格率
受験の統計データを下記に示します。
引用:応用情報技術試験ドットコム,統計情報>受験者数と合格者数の推移
受験者数に対する合格者数は毎年20%前後で推移していますので、比較的難易度が高い試験と言えるでしょう。レベル3の難易度はこのくらいということになります。
低い合格率で勉強が大変そうだけど、資格取得のメリットってあるの?という部分は把握しておくべきですよね。筆者の経験や、周りから聞いた話をご紹介します。
応用情報技術者の資格取得のメリット
資格を取るとどう良いことがあるんだっけ?というのを自分の実感と周りでよく聞く話をまとめました。
- 転職・就職に有利
- 転職市場で「応用情報技術者資格アリ」はスカウト判断になる
- 会社によっては昇給 or 資格手当がつく
- 業務理解がこれまで以上にスムーズなる
- 業務のパフォーマンスが上がり、仕事が楽しくなった
実際に筆者がビズ○ーチの資格欄に「応用情報技術者 合格」と入力したところ、明らかにスカウトの数が増えました。資格取得して全く損はなかったなと感じています。
次は合格のための勉強法について解説していきますね。
効率良い試験対策のポイント
なぜ効率の良い勉強が重要なのか?というと、以下の2点が理由として挙げられます。
- 効率よく勉強しないと、どこまででも勉強できてしまう範囲の広さ
- 午後問題は膨大な文章を読む試験のため、解答のコツと集中力が非常に大切
上記のことから、戦略的に勉強計画をたてて実践していくことが重要です。
出題範囲が広いためダラダラ勉強できてしまう。だからこそ限られた時間を効率的に勉強することが大切ですね。
応用情報はIT素養のない私でも合格できたので、計画をたてて実行すれば初回受験で合格も充分可能です。
午前問題の対策
午前問題のコツは、過去問を解きながら理解していくことです。参考書で止まっていたらもったいない!
わからなくても良いので、なるべく早く過去問に触れたほうが良いです。
対策順序を以下ご紹介しますね。
1. キタミ式を1周読み込む
丁寧に読みこむというよりかは、さらっと目を通すくらい。
※次の2.の過去問道場で実際の問題に早めに触れることが大切
2. 過去問道場の午前問題(過去10回分に絞込み)をひたすら解く
午前問題は、以下のように言われています。
80問のうち半分にあたる40問前後は、以前に何らかの試験で出題された問題をそのまま流用していることがわかります。
引用:応用情報技術者試験ドットコム,統計情報>午前問題の過去問流用の統計
また、直近2回分(2021年秋受験の場合、2021年春と2020年秋)の問題は使用されないということも通説のようです。
ですが、私は最新技術の動向を知るために直近2回分の過去問も含めて解いていました。
さらに、過去問道場には分野別の正答率を表示してくれる機能があるので、それを活用して自分の苦手分野を把握します。
3. 電車通勤の合間はアプリで問題を解く
電車通勤などの空き時間に、問題慣れのためアプリで過去問を解いていました。ここでも過去問道場と同じ分野の得点が低いはずなので、その解説を読んだりしていました。通勤中はとにかく問題慣れすることに注力しました。
4. 「応用情報技術者合格教本」を読み込む
2.で得点の低かった分野を読み込みます。
午前問題の分野は大きく分けて以下の3種類となっていて、最も出題数が多いのはテクノロジ系です。
- テクノロジ系
- マネジメント系
- ストラテジ系
筆者は非情報系ですしITの素養がなかったので、テクノロジ系分野に絞ってテキストを読み込みました。
過去問道場で一度問題を解いておくと、テキストを読んだときに「あ、あの問題こういうことだったのか〜」と理解が深まります。
なぜキタミ式を使わなくなった?
キタミ式はイラストが多い分1冊にある情報量が少なく、見直すときに不十分だと感じました。
「この問題詳しく知りたいのに、キタミ式には載ってないな〜」ということが何度かありました。
キタミ式はIT未経験者にとってはわかりやすいですが、しっかり理解に落とし込むときには不十分かもしれません。
慌てて応用情報技術者合格教本を追加購入しました。
この参考書はイラストがほとんどない分、文字数が多いので詳細に書かれており理解に落とし込みやすい。
よって、IT初心者の方はキタミ式→応用情報技術者合格教本の流れで使うと良いことが分かりました。
5. 誤答に絞り込み、過去問道場を解く
過去問道場を解く→間違った問題をテキストで見直す→過去問道場を解く...を繰り返しました。
5.までくると段々過去問を解くのが楽しくなってきます。
少しづつ正答率も上がってくるのでテンションも上がります。
あとはひたすら5.を繰り返すのみ、少なくとも正答率70%越えを目指します。
午後問題の対策
午後問題は150分で5問。つまり、1問につき30分以内で回答・見直しをしなければいけません。
ただ午後問題は午後問題なりの回答のコツがあるので、それさえきちんと押さえておけば間に合います。
対策範囲としては、必須の情報セキュリティを除いて5〜6分野の問題を解いておきましょう。本番では、問題をざっと見て「解けそう!」と思う分野を4問選択できるようにするためです。
筆者は、試験2週間前くらいに午後問題の対策を始めました。知り合いは3ヶ月前から午後問題の対策をしていたとのことで、午後は対策開始に個人差が大きい部分だと思います。1問あたり4ページ程度の本文があるので、午前問題の知識+国語の読解力が求められます。国語が苦手だったという方は、早めに対策することをおすすめします。
1. 応用情報技術者 午後問題の重点対策(通称「緑本」)を解く
AP受験者のほとんどは緑本で対策されているのではないでしょうか。人気の理由は、午後問題参考書の中でもっとも解説が丁寧だからです。
緑本を解くときには、午前問題で得意な分野だったものを選んで解くのがおすすめです。やはり午前問題が得意なら午後も高配点を狙えますからね。解説をしっかり読み込むことで、回答のお作法・コツを学ぶことができます。
私が学んだ午後問題の回答のコツ
- 本文をざっと見て、何の分野の問題か把握
- 問題文から「抜き出しなさい」「まとめなさい」系の問題を確認
- 本文を読み込み、2.の回答になりそうなところに下線引き&「問2-2」など問題番号を書く
→「抜き出しなさい」「まとめなさい」系(いわゆる記述問題)は、必ず本文に答えがあるから - 「〇〇とは何を指すか」系の暗記で答える問題は、その時の自分の記憶力と運に任せる
ほとんど現代文の対策って感じですよね。このコツを30分以内で発揮するために、問題慣れが大事ということです。
2. 過去問道場(午後問題)を解く
緑本を1周したあとは、過去問道場の午後問題を解くのがおすすめです。過去問道場はPC上に回答入力できるので、ノートにごりごり記入する必要がなく楽です。しかも解説もあり、思ったより結構便利だなと思いました。私は問題慣れするために、過去5回分の試験の問題を解きました。緑本をやっておくと作法がわかっているので、過去問道場を解くときには楽しくなっていると思います。
午後問題で解けなかった問題=午前問題でも弱点ということが言えるので、午後問題をやっておくと午前対策にもなって良いと思いました。もう少し早い時期から勉強していたほうが良かったかも。
筆者が本番で選択した問題
- 情報セキュリティ(必須)
- 経営戦略
- データベース
- プロジェクトマネジメント
- システム監査
元々SQLが好きだったというのと、システム監査の勉強がとても好きになったので、この2つはマストでした。システム監査部門に転職しようかなと思うくらいには勉強が楽しかったw
あとは、組み込みシステムが割と簡単な感覚でしたが、本番では経営戦略の問題が得意そうだったので、結局こちらを選びました。
試験前準備すること
試験1週間前
1. 過去問(2回分)を印刷し、試験さながらの制限時間で解く
午後問題はとくに時間との勝負です。
本番では間に合わない方もちらほら居た印象があります。諦めたのか途中離席する方も居ました。そのくらい「見直し時間すら取れないギリギリの場合もある」と想定して、制限時間内で解く練習を1回は必ずしておくほうが良いと思います。
2. 受験票の写真を忘れずに撮りに行く
書類の処理が苦手な筆者は、これが一番ヒヤヒヤでした。写真をコンビニで印刷して貼り付けましたが、何か不備があったら怖いので当日予備の写真を持っていきましたw
3.必要物品を忘れないように揃えておく
もっともあって良かったなと思ったもの、それは時計です。私の試験会場は大きな講義室で時計が見えないくらい遠かったので、時間が把握できませんでした。特に午後は時間配分が重要なので、時計がなかったら積みます。
中にはSEIKOの壁掛け時計を持ってきている猛者も居たほど...。
持ち物は受験票に記載されているので、きちんと確認しましょう。
試験当日の過ごし方のコツ
- 当日は勉強しない
- 忘れ物はないか確認する
- お昼ご飯は必ず持っていく(試験会場によってはコンビニが周りに全くない場合も)
- 時間には余裕をみて試験会場に向かう
※当日のキャンパスまでのバスは激混みします - お昼ご飯を食べ終わったら仮眠をとってエネルギーを温存し、午後試験の集中力を蓄える
中にはお昼休みに勉強している方がいました。しかし午前試験で想像よりも疲れています。午後試験のパフォーマンスが低下するだけなので、必ず休んだほうが良いと思います。 - お昼ご飯は腹八分目にする
- 教室は思ったより冷えるので、上着を持参する
夜型の人へ
試験前までに早起きして勉強する経験をしていたほうが良いです(自戒)。私は夜型なので、午前中は頭がぼーっとしています。午前試験は、とても辛かった。正直、午前問題は適当に回答して見直ししませんでした...。なので、試験時間と同じ時間に起きて本番さながらの試験問題を解く習慣をつければよかったと少し悔やまれます。
虚弱体質の人へ
とにかく冷えました、会場が。大学のキャンパスってなんか体が冷えやすい気がします。
体が冷えないようにスカートではなくズボン+スニーカーで臨むことを全力でおすすめします。寒いと集中できませんからね。
お昼ご飯は朝から持参で温かくないですから、水筒にホットドリンクを入れて持っていくことが冷え性の最後の望みでした。
女性はほとんど上着を着ていた気がします。
最後に
応用情報技術者試験は、勉強の戦略次第だなと痛感しました。
皆さんが効率よく合格されることを祈っております!この記事がお役に立てたら幸いです。