1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

Proxmox Backup Server(PBS)にNASのストレージをマウントしてバックアップする

Posted at

背景

こんにちは,VMWareのライセンス有料化に伴い, Proxmoxに乗り換えようとサーバ構築を行っている者です.
Proxmoxで作成した仮想マシンのバックアップ先をNASのストレージにしたいのですが,Proxmox VE上では設定できません.
そのため Proxmox Backup Server(PBS) を利用して解決します.
PBSからNASへの接続方法に関しては,英語のフォーラムがあったのですが,日本語の記事はおそらくなかった?のでまとめてみました.
参考:https://forum.proxmox.com/threads/playground-time-virtual-pbs-with-iscsi-backend.88395/

動作環境

Proxmox Virtual Environment 8.3.5
Proxmox Backup Server 3.2-2
NAS:QTS 5.2.4.3079

PBSからNASにiSCSI接続する

あらかじめNAS側でiSCSIのターゲットリストを作成しておき,LUNを割り当てておきましょう.
PBSのコンソールで

iscsiadm --mode discovery --portal [NASのIP] --type sendtargets 

と打つと,iSCSIターゲットリスト一覧が「iqn...」というiqn表記で出てくるので目当てのものを探します.

目当てのターゲットリストを使って以下のコマンドでログインします.

iscsiadm -m node --targetname=[iqn表記のターゲットをコピペ] --login 

接続されているiSCSIドライブを確認します.

iscsiadm -m session -P 3 

以下のように出てきたらログイン成功です.

スクリーンショット 2025-05-12 184952.png

起動時に自動でiSCSI接続するよう設定しておきましょう.

iscsiadm -m node -T [iqn表記のターゲットをコピペ] -p [NASのIP] --op update -n node.startup -v automatic

パーティションを作る

iscsiadm -m session -P 3の出力の中に,Attaced scsi disk sdbのような記述があると思います.これがiSCSI接続を行っているPBS側のデバイスファイルです.sdbの部分はsdaやsdcだったりします.

以下のコマンドでデバイスファイルにパーティションを作ります.

fdisk /dev/sdb #さっき確認したデバイスファイルを選択

このコマンドを打つとエラーが出るかもしれないです.デフォルトでDOSパーティションテーブルというものを作ろうとしますが,これは2TBまでしか対応していないというエラーです.
その場合はGPTパーティションテーブルで対応します.
以下のようにコマンドを入力していってください.

Command (m for help): g    # GPTパーティションテーブルを作成
Command (m for help): n    # 新しいパーティションを作成
Partition number (1-128, default 1): [Enter]  # デフォルトを選択
First sector (2048-17179869183, default 2048): [Enter]  # デフォルトを選択
Last sector, +/-sectors or +/-size{K,M,G,T,P} (2048-17179869183, default 17179869183): [Enter]  # デフォルトで全容量を使用
Command (m for help): w    # 変更を書き込む

パーティションのフォーマット

パーティションが作れたらフォーマットします.
以下のコマンドでパーティションの名前を確認します.

lsblk

出力を見ると,どこにパーティションが作られているかわかると思います.

スクリーンショット 2025-05-12 185951.png

partと書かれている部分がパーティションです.
パーティションの名前を確認したらフォーマットしましょう.

mkfs.ext4 /dev/sdb1 #さっき確認したパーティションを選択

マウントを行う

マウントを行うディレクトリをPBS上に作成します.ディレクトリ名をiscsiとしていますが,名前は何でも良いです.

mkdir -p /mnt/iscsi

NASストレージをマウントします.

mount /dev/sdb1 /mnt/iscsi #sdb1の部分はさっき確認したパーティションを選択

PBS上にストレージを作る

以下のコマンドでPBS上にデータストアを作成します.

proxmox-backup-manager datastore create [任意のデータストア名] /mnt/iscsi

作成が完了すると,PBSのGUI上で左の「Datastore」欄に作成したデータストアが追加されます.

自動マウントの設定

起動時に自動的にマウントされるよう設定しておきましょう.
以下のコマンドを入力します.

nano /etc/fstab

ファイルの編集画面になるので以下のコマンドを追記します.

/dev/sdb1 /mnt/iscsi ext4 defaults,_netdev 0 0

追記出来たら,「Ctrl + X」 → y → Enterでファイルを更新します.

Fingerprintの確認

後ほどバックアップの設定で使うので,以下のコマンドで証明書のフィンガープリントを確認しておきましょう.

proxmox-backup-manager cert info

Fingerprint(sha256)の記述が確認できると思います.

ProxmoxVE上でPBSのストレージを追加する

Proxmox VEにログインして,左上の「Datacenter」→ 「Storage」を選択します.
上部の「Add」→ 「Proxmox Backup Server」を選択し以下のように入力してください.

  • ID:分かりやすい名前(例:pbs-buckups)
  • Server:PBSサーバのIPアドレス,またはホスト名
  • Username:PBSのユーザ名(デフォルトはroot@pam)
  • Password:上記ユーザのパスワード
  • Nodes:PBSサーバと接続したいノード,つまりバックアップを取りたいノードを選択する.「All」を選択すると全て選択できる
  • Datastore:先ほど設定した任意のデータストア名の部分を入力
  • Fingerprint:先ほど確認したFingerprintをコピペ

スクリーンショット 2025-05-12 185209.png

入力できたら「Add」を選択

バックアップの設定を行う

Proxmox VE上で左上の「Datacenter」→ 「Backup」を選択します.
上部の「Add」を選択し以下のように入力してください.

  • Node:バックアップを取りたいノードを選択
  • Storage:先ほど設定したStorageのIDを選択
  • Schedule:バックアップを行うスケジュールを選択
  • Selection mode:
    • Include selected VMs:下で選択したVMをバックアップする
    • All:すべて選択.これにしておくと 新しく作成したVMも自動的にバックアップされる
    • Exclude selected VMs:下で選択したVM以外をバックアップする
    • Pool:よくわからない
  • Notification mode:バックアップの成功通知などの設定
    • Default(Auto):メールアドレスの設定を行える.設定しない場合は通知システムで登録したメールアドレスが使われる.基本これでいい
    • Email(legacy):システムのsendmailコマンドを使用して通知メールを送信する.(前のバージョンでの方式だから今後なくなるかも?)
    • Notification system:通知システムの設定を利用して通知する
  • Send email to:上記の通知先メールアドレスを設定するところだが, Proxmoxのサーバ構築時に設定したメールアドレスと競合するため空欄でいい

スクリーンショット 2025-05-12 185256.png

入力できたら「Create」を選択

設定完了

以上で設定は完了です.結構大変ですね...
成功していれば,設定した日時にバックアップが行われ,メールが届くと思います.届かない場合はSMTPなどの設定が必要かもです...
Proxmox VEの画面下「Tasks」からもバックアップのタスクが確認できます.
PBSのバックアップメールはめちゃくちゃ分かりやすいです.ghettoVCBではどのVMが失敗しているのか探すのが大変だったなとしみじみ思います.

1
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
1
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?