私@rana_kualuは、このたび富士山🗻の里親になりました。
今後富士山🗻を見かけるたびに、私のことを脳裏に思い浮かべるといいよ。
何これ?
ユニコードコンソーシアムが行っている里親制度です。
里親制度ってなんだよという話ですが、まあ要するにUnicode Consortiumへの寄付です。
Unicode Consortiumは文字に関連する様々な策定や調整を行っている組織です。
もちろんUNICODE自体が最大の成功で、世界中の言語をひとつの文字コードに集約するという偉業に成功しました。
開発者として馴染み深いのはShift_JISとEUC-JPが滅んでUTF-8一本になってくれたことですね。
また日本人として馴染み深いのは絵文字でしょう。
絵文字自体は元々携帯電話会社の独自仕様として始まったもので、電話会社を超えると文字化けしてしまう『方言』でした。
しかしその後、様々な変遷を経て最終的にUNICODEに取り込まれ、ついに『世界共通言語』になりました。
とまあそのようにバベルの塔を作っている組織なわけですが、この手の団体の常として寄付を募っています。
その寄付への返礼品が、文字の里親を名乗る権利というわけですね。
他のOSSなどへの寄付ではせいぜい名前が載る程度の報酬しかないことも多いですが、Unicode Consortiumの場合は『文字』そのものを返礼品として使うことにしたわけです。
もちろんですが、里親になったところで文字の独占使用権ができたりするわけではありません。
あくまで里親と名乗ることができるというだけのことです。
でも実際『私は富士山🗻の里親です』ってなかなかインパクトの強い発言ではないでしょうか?
スポンサーランク
スポンサーのランクは3種類あります。
ゴールドスポンサー: $5000
1つの文字に対してゴールドスポンサーになれるのはたった一人だけです。
たとえばハンバーガー🍔のゴールドスポンサーはGoogleであり、スポンサー制度が存続するかぎり(すなわち、Unicode Consortiumが続く限り)Google以外の個人・組織がゴールドスポンサーを名乗ることはできません。
あなたが唯一無二の里親であることを表します。
さすがに価格が価格だけあって、そのほとんどは企業による申請です。
フォードが車🚗🚘、Happy Joe's Pizzaがピザ🍕、Which Wich Superior Sandwichesがサンドイッチ🥪、Zespriがキウイフルーツ🥝といったかんじで、関連する絵文字のスポンサーになっている企業がいくつもあります。
しかし別に個人による申請が禁止されているわけではないので、せっかくだからここであなたの文字愛を主張してみてはいかがでしょうか。
シルバースポンサー: $1000
1つの文字に対して5人までがシルバースポンサーになることができます。
安くなったぶん5人ということで少々レア感は欠けますね。
5枠でゴールドスポンサーと同額になりますが、逆に5枠をひとりで使って目立たせるという手もあるかもしれない。
またシルバースポンサーまでに許される大きな特典がひとつあり、それがスポンサーリンクをつけられるということです。
ブロンズスポンサーにはリンクが許されていないので、リンクを付けたい場合はこちらで申請しましょう。
家族やペットのメモリアルがわりに使っている例が見受けられました。
ほぼ間違いなく凡百のインターネット墓地より長持ちするでしょうし、なかなかよい使い方なのではないでしょうか。
ブロンズスポンサー: $100
ブロンズスポンサーは何名でも登録できるし、リンクを付けることもできません。
できるのは名前を主張することだけです。
そのかわりなんといっても安いというのが一番の利点であり、たった100ドルなので一般人でも十分手の届く価格です。
ということでまともな申請に混ざってネタ投稿も散見されます。
1万ちょっと程度で大喜利しつつ寄付という偽善もできるということで、なんか里親になりたかったり好きな絵文字があったり大喜利したかったり偽善したかったり主張したかったり散財したかったりする人、あとはもちろん素直にUnicode Consortiumを応援したい人も寄付してみてはどうでしょう。
経緯
なんとなく山が入っている絵文字を調べていたんですよ。
・🏔️ 山
・🌋 火山
・🏔 雪山
・🗻 富士山
・🏞️ 国立公園
・🌄 山から日の出
・🚞 登山鉄道
・🛤️ 線路
・🚵 マウンテンバイク
富士山だけ固有名詞だ。
なんで。
近年追加される絵文字は総称的なものであることがほとんどなのですが、元々は絵文字自体が日本発祥ということもあり、古来からの絵文字には富士山🗻や東京タワー🗼など固有名詞も少しだけ存在するんですよね。
富士山🗻があるということはそりゃ過激派が黙っているはずがないよなあ。
登録手順
里親の登録手順です。
WebサイトからAdopt Now!を選択し、欄を埋めていくだけです。
characterは里親になりたい文字です。
好きな文字を入力しましょう。
絵文字を選択している人が多いですが、普通の文字やアルファベットも選べます。
Sponsor Informationはスポンサー名、Display messageは表示名です。
たぶんSponsor Informationに本名を入れてDisplay messageにネタ名を入れるのだと思いますが、うっかりSponsor Informationにネタ名入れちゃったよ。ままえやろ。
なお過去に里親になった人の記録では、リアルに紙の証明書も発行することができたみたいなのですが、今はそのオプションがなくなっているようでした。
残念。
あとはstripeからクレカ決済すれば手続きは完了です。
数日後に公式サイトに掲載され、Xで宣伝されます。
これで晴れてあなたも○○の里親です。
おめでとう。
水馬咲耶 vs 山梨のナイスミドル
最初に富士山🗻の絵文字を見かけたとき、反射的に脳裏に浮かんでしまったんですよ。
つまり、この人たちが今回の元凶です。
あとはまあ勢いです。
このふたりならゴールドスポンサーの座を争いそうな気もしますが、流石にそこは私の甲斐性の問題ということで。
感想
記事を書くのにかかった費用は300ドルでした。
一生残るデジタルタトゥー代としては格安ではないでしょうか。
公式Xで公開されるスポンサーマーク、マーク自体には名前が入ってないのがちょっと残念ですね。
少しの手間で本当に唯一無二になれるのだから、ぜひやってほしいところでありますね。