PHPのカンファレンスについて、大きなものはPHP公式に掲載されます。
PHPカンファレンス日本2019ももちろん載っています。
なんとなくそのへんを見ていたら、php Central Europe 2019というカンファレンスが紹介されていました。
2019年10月4日~6日と3日間にわたって行われる予定の大きなカンファレンスだったのですが、公式を見てのとおり中止になりました。
原因はというと最近流行りの多様性なんちゃらです。
登壇予定者のうち幾人かが『登壇者に白人男性しかいない』ことを理由に登壇をキャンセルし、結果としてイベント自体のキャンセルにまで繋がったようです。
Larry Garfield
asking them to drop some of our double-sessions in favor of more female participation.
複数のセッションで発表することになっていた参加者に連絡し、女性が登壇できるように片方のセッションを取りやめるよう依頼しました。
※この人自身も2セッションで登壇予定だったので、部外者による一方的な要求というわけではない。
According to them, they had only a single woman submit a session proposal this year despite having women present in previous years, and hers was a repeat from a local conference last year.
They were also firm that the Call For Papers was done and over and they're not open to reaching out to new people now.
主催によると、女性の申込者は一人だけで、しかも昨年のローカルカンファレンスで発表したものと同じ内容でした。
スケジュールは既に決定しているので、これから変更されることはありません。
I look forward to an improved session process next year that shows real signs of trying to recruit a more diverse set of speakers. In that case I'd be happy to submit sessions again. But this year I must decline.
プロセスが改善され、より多様なスピーカーを募集しようとする兆候が見られるのであれば、来年のセッションにはまた参加したいと思います。
しかし今年は辞退せざるを得ません。
Mark Baker
Withdrawal from Speaking at PHPCE 2019
While I recognise that the balance of developers in our industry is still predominantly male, it’s very unusual that every single one of the 32 speakers for the conference was male.
業界的に男性が多いのは確かだが、登壇予定者32人が全員白人男性というのはさすがに穏やかじゃないですね。
that I cannot accept the situation, and so I have also chosen to withdraw from the conference.
状況を受け入れることができないので、私はカンファから撤退することを選びました。
Karl L Hughes
This year's @phpce_eu conference seems to have gone with the "White Males Only" conference lineup 😬
Shame. It's 2019, we can do better.
今年は"白人男性のみ"カンファレンスになったようです。
2019年にもなってこれは恥ずべきで、もっとよくできるはずです。
感想
日本のカンファレンスで登壇者が全員日本人男性だったとしても何も起こらないと思うのですが1、海の向こうは面倒なことになっていますね。
そもそも今回は募集の段階で女性が一人しかいなかったということなので、だからマイノリティは優先して登壇させよみたいな思想は却って反発を増加させるのではないかと思います。
登壇者は人種や性別によって選定するのではなく、能力によって選定されるべきでしょう。
もちろんその選定基準にバイアスがあるならばそこは突っ込むべきですが、今回は女性が落とされた理由も開示されていますし、反発者もそのあたりには言及していないようです。
この人なんか、女性を登壇させろと逆に圧力をかけている有様ですからね。
もっとも、だったら現状のままでいいかといえばもちろんそんなわけはありません。
カンファの登壇人数はともかく、性的格差を減らす努力自体は行っていかなければならないでしょう。
女性登壇枠を作ったりするのではなく、女性の募集を増やすような施策を考えるべきでしょう。
というか、この業界自体に女性が異常に少ないですからね。
たとえばバックエンドより女性割合の多そうなフロントエンドですら、State of JSによると男性91.3%、女性6%です。
この割合に従うと32人のうち女性は2人登壇するくらいが適切ということになり、0人はたしかに少ないですが、しかし十分にあり得る確率です。
なにせデレフェス中に30連してSSRが2枚も出るかって話ですよ2。
はい、私が今日ぼっちなのも、そんな男女比がSSRレベルの歪な業界にいるせいなんですよ。
比率が適正であれば今頃私も彼女とラブラブだしモテモテでウハウハなんだぞ決して私の能力のせいではないんだぞわかってんだろうなそこ。