先日GAITとかいう試験を受けてみたので、その感想や学習法などを記録しておきます。
以下は2018年10月時点での情報であり、今後変更になる可能性があります。
GAITについて
GAITとは
GAIT(ゲイト)は、クラウド時代におけるITスキルアセスメントのデファクトスタンダードです
GAIT (Global Assessment of Information Technology) は、ITに携わる方のための国際的な試験であり、
「今」必要とされるスキルレベルを数値化して評価することができます。
何言ってるかわかんね。
主にクラウドまわりの技術についてどの程度知っているか(使えるか、ではない)を数値で現してくれるかんじですね。
試験範囲としては、DB、OS、アプリケーション、ストレージ、セキュリティ、ネットワーク、仮想化の主要7分野を網羅しています。
試験について
出題数176問、試験時間は65分。
つまり1分あたり3問弱ということで、時間はかなり少なめ。
言語は日本語・英語・中国語に対応しています。
ただ、確認不足だっただけかもしれませんが、試験開始後の言語変更はできませんでした。
オンラインから申込を行い、申込当日に受験することもできます。
一度受けた後は、再試験まで14日の間隔が必要です。
試験はCBTで、自宅から受けられます。
受験を試してみるで実際の動作が確認できます。
自宅受験なのでぶっちゃけカンニングし放題ですが、下記のとおり合格不合格を判定する試験ではないため、する意味がありません。
FAQではプロメトリックでも受けられると書いてあります。
プロメトリックであればカンニングできない環境での受験となるので、得点の客観的な保証にもなります。
なのですが、プロメトリックのサイトでは対象にGAITが見当たりませんでした。
合格基準
990点満点。
合格点以上を取れば合格といったものではなく、得点そのものが評価になるTOEIC方式の試験です。
とはいえ一応目安の点数は存在していて、スコア700以上でゴールド、480以上でシルバー、300以上はブロンズのスキルマークを得ることができます。
スコアレポートにマークが出るだけで、別にメダルとか貰えたりはしないのですが。
スコアサマリー
半年ごとのスコアサマリーが公開されています。
2018年上半期であれば社会人の最高点は773、平均点は424。
最頻値も400-450点で正規分布っぽい分散になっています。
学生は100点ほど低いかんじです。
それにしても990点満点で最高が700点台ってよっぽどだな、と思ったのですが過去は普通に800点を超えていたようです。
2018年に入ってから難しくなったのでしょうか。
サンプル
公式に試験問題サンプルがあります。
なお、実際の試験問題のレベルは、サンプルより少し難しい程度だと感じました。
試験
感想
・おおむね四者択一。たまに2個選べがある。
つまり適当でも247点くらいは取れる。
・問題にチェックを入れて、後から見返すことができる。
一見でわからなかった問題はいったんチェックを入れて飛ばすとよいだろう。
・ほとんどの問題が「単語を知っているか否か」。
すなわち、『○○の説明として適切なのはどれか』『××のことを何と言うか』『△△として正しいものはどれか』のような形。
見た瞬間に答えがわかるか、全くわからないかのいずれかだろう。
暇なときにIT用語集などを読んでるような人なら、いきなり受けても半分以上は答えられると思います。
記述式ではないので、うろ覚えでも記憶があるだけで、かなり正答率が上がるはずです。
・計算問題は全くない。
論理的に考えて答えを求めるような問題もほとんどない。
・ただし、ベンダニュートラルとか詠っているが、むしろ特定のソフトウェアや特定の実装についての問題が出る。
これについては、知らないとどうしようもない。
Oracle専用SQL程度ならまだいいとして、XenServerのコマンドとか言われても知らんがな。
他にも、あるデスクトップアプリの操作とか、あるサービスのシステムログの読み方とか、明らかに正答させる気のない問題が出てくる。
色々なベンダの問題を出すから却ってベンダニュートラルということなのかもしれない。
とはいえ、そういう問題は回答から逆算していくと2択くらいに絞れることも多いので、時間が余ったら見直すとよいだろう。
・言語はCとEL式とPerlが出た。
Perlはソースコードの穴埋め、CとEL式は挙動について。
Javaならまだしも何故にEL式。
まあ、単に私が受けたときにはたまたまJavaの問題が出なかっただけだとは思いますが。
役に立つか
高得点取れたからといって業務で役立つかというと、全く役に立ちません。
俯瞰的に、業界全体にどの程度の知識を持っているのかという目安にはなります。
基本的にバックエンド・ハードウェア・OS側寄りで、フロントエンドや機械学習あたりの問題が全くなかったのがちょっと気になりました。
そもそも試験範囲がクラウドメインのため、そのあたりは対象外ということなのかもしれませんが、クラウドといっても結局フロントエンドは付いて回りますからね。
勉強について
参考書籍など
未使用。
2015年に試験形式のリニューアルがあり、書籍はそれ以前のものしかないので、あまり役に立たないと思います。
参考サイトなど
直接的に試験対策できるサイトは公式サンプル以外なさそう。
有名な資格には参考サイトや受験記などが現れがちなので、まあそういうことでしょう。
直接的なものではありませんが、IT技術解説系サイトを普段から読んでおくと知識の底上げになります。
Qiitaは実装とフロントエンドに寄ってるので、この試験対策になるかは微妙です。
自分の勉強方法
公式の試験問題サンプルを試したら7割できたので行けるんじゃね、と受けてみました。
つまり、特に試験専用の対策はしていません。
もっとも私はFE、AP、SC(古い方)、DB、NW、SM、SAを所持していて、ほとんどの知識はそこから持ってくるというバックグラウンドがあったからこそですけどね。
本試験は試験範囲が広範にわたっているので、無資格未経験でいきなりこの試験を目的にするのはあまり適切ではないと思います。
少なくともAPまでと、あとNWとDBあたりを受けたら範囲が概ねカバーできるので、そちらを先に受けた後で知識を試すかんじで受験するのがよいと思います。
受験結果
基本的に回答は早いほうなのですが(情報処理技術者試験は論文以外途中退出する)、この試験は問題を一周した時点で50分近く経っていました。
1問あたり20秒ですね。
これ以上早くすると問題の見落としが増えそうなので、程々でよいでしょう。
残り時間は画面上に常に出ているのですが、目に入れるのは20問毎くらいにして、それ以外は意識の外に置いておくほうが精神衛生上よいでしょう。
急ぎつつ焦らず回答していきましょう。
15分程度余りがあったので、ベンダ系などのわからなかった問題を見返し、回答欄から答えを推測して書き換えました。
おそらく、これが功を奏したと思われます。
これから受ける方へ
がんばれ。