はじめに
Gather.townとは少し前に流行したバーチャルオフィスサービスです。
バーチャル空間内に物理オフィスのように各自のデスクや会議室などを設置でき、その空間内をアバターで自由に移動したり、他の人と気軽に話したり、簡易的な会議ができたりします。
従来のアバターを用いたサービス同様アバターやインテリアのカスタマイズなどのお遊び要素もあります。
リモートワークでの社員間のコミュニケーション不足緩和に役立ちそう。
利用方法等は既に色々記事がありますので今回は触れません。
そんなGather.townを試験運用して数週間経ちましたので、個人的に感じたメリット・デメリットを書き殴っていこうと思います。
メリット
気軽に話せる
圧倒的なメリットはこれです。
普通のリモートワークだったら
「これ聞くためにわざわざSlackのHuddleお願いしたり、Googleカレンダーで予定飛ばすのもなぁ」
ってときでも気軽に話しかけられます。アバターでトコトコその人のところまで歩いていけばすぐに話せる。まさに本当に出社しているかのように。
このスピード感が何より良いと感じました。
なお、話しかけるタイミングに関してもステータスが
- Available(応答可能)
- Busy(取込み中)
- Do Not Disturb(応答不可)
の3つから設定できるので直感的に把握可能です。
寂しくない
おまけ程度のメリットですがw
リモートワークのデメリットって孤独感だと思うんですよね。
Gatherの画面を見たらみんないるってのは地味に良いなと普通に思いました。寂しがり屋なんで。
デメリット
急に話しかけられるとビックリする
会話可能エリアに入ったら誰でも話しかけられる性質上、急に声をかけられることがあります。
マジでビビりますw
集中したいときの操作が面倒
ステータスをBusyに変更すれば周りには「この人忙しいんだな、集中してるんだな」はアピールできるのですが、近くに来たら話しかけられてしまう。
集中していて話しかけられたくないときは
- 自身のデスクやFocus Boothなどのプライベートエリアに移動
- そのエリアに鍵をかける
をすれば会話可能エリアに誰も侵入できなくなります。
ただこれを毎回やるのが本当に面倒。割と忘れます。
しかもプライベートエリアから出るたびに鍵が解除される仕様となってます。
ログを残すのには向いていない
チャットのログは残るがスレッド分けされている訳ではないので見づらい。
MTG録画も課金プランじゃないとできない。
チャットのログを残すならSlack、録画するならZoom等々、そこは住み分けが必要かなと思いました。
人によっては管理されてると感じるかも?
僕は気になりませんが、人によっては管理されてる感を感じるかもしれません。
例えば単なるログイン忘れなのに周りから「サボってるな」「寝坊してるな」と思われたら嫌ですよね。
ただ、そういう物理出社なら忘れるはずがないことを忘れてしまいそれによって誤解が生じるってのは通常のリモートワークでも生じ得ることではあるのでGatherに限った話ではないとは思います。
目に見えてしまうことによって顕在化するので気になる人は気になるかもなーくらい感。
現時点での総評
デメリットを厚めに書いてしまいましたが、気軽に話せるというメリットが圧倒的に勝っているので総評的にはかなりアリだと思っています。
少なくとも話しかけてもらえる機会が増えましたし、簡単な確認やコミュニケーションも気楽にできて楽しいです。
特に新人のうちは些細な質問も多いはずなので新人にとってはよりメリット多そう。
ただ、今後も運用していくのであればいくつか課題があるようにも思いました。
課題
1. 他ツールでのMTG中に話しかけられちゃう問題
GatherでGoogleカレンダー連携していると予定がある時間はMTG中と表示されるが、連携していない場合は声をかけられてしまいます。もっと言えばMTG中と表示されていようが話しかけられてしまう。
対策としては
- 先のデメリットでも述べたプライベートエリアの鍵機能を使う
- ZoomやGoogle Meetなどの他ツールでMTG中はGatherを応答不可にする
などでしょうか。結構大きな課題だと感じました。
2. 運用ルール
ある程度の運用ルールを決める必要があるなと思います。むしろこれが長く続けるにあたっての肝かと。
どこまで決めるかは結構塩梅が難しく、あまりにもキッチリし過ぎると嫌になっちゃうし、管理されてる感が増しちゃうので、ゆるく運用できるルールが良いのではと思っています。
● 個人的な最低限のルール候補
- 出社時は必ずログイン
- 急遽の離席を除き、昼食・私用などの離席時はログアウトもしくはステータス変更する
- 声をかけるときは先にWaveかチャットを送る
- びっくり防止。普通の出社時でも先にちょっと遠く声かけたり手を振ったりするでしょ?
- どこどこの場所にいるときは「Wave無しで即声かけても良いよ。気軽に話かけて。」みたいな場所ルールとかはあっても良いかも
- Zoomなどの他ツールでのMTG中は応答不可にする
- 課題1の対策として
- すべてのMTGをGatherに集約は不可能、というか逆に非効率的なので両立できるルールにする必要がある
まだ弊社でもルールは定めていない段階ですので色々と試行錯誤していきたいです。
3. どの部署までGather利用をしてもらうか
試験運用中ということもあり、現在はエンジニアのみでの運用となっています。
メリットを最大化するためには、ビジネスサイドの人やデザイナーさんにも積極的に利用してもらった方が良いと思っています。
基本的に同部署間よりも対他部署の方がコミュニケーションコストは大きいと思うので。
例えば下記のようなサッと済む話をGather内で完結できるのは効率的かと思います。
- (デザイナーさん向けに)「このアイコンの元データどこにしまいましたか」
- (設計書いてる人向けに)「この設計の意図を確認したいんですけど」
物理出社と同様に、これらの「ちょい聞き」ができると開発がスムーズになるのはもちろん、答える側もチャットのメンションを追ったり文字を打ったりなどの回答コストが削減できるのではと思っています。
最後に
かなりエンジニア寄りの偏った意見ですが、Gather.townはコミュニケーション促進・ひいては生産性の向上という意味で物理出社に近い環境を作り得ると思いました。
もっと長期間運用してみたらまた別の意見になるかもしれませんが数週間運用での所感は以上です。
面白い時代になってきてますねー