#概要
VMware vSphere 環境を管理するアプライアンス、 vCenter Server。 vCenter Server は Windows Server にインストールする形式と仮想マシンを展開する形式の2種類の利用方法が提供されています。 vCenter Server の可用性を高める構成として、vSphere 6.5 から vCenter HA が利用可能となっています。
vCenter HA のアーキテクチャはアクティブ、パッシブ、ウィットネスの3ノードの vCenter Server から構成されています。アクティブ、パッシブにより稼働系と待機系が構成され、監視用のウィットネスノードが死活監視をおこないます。
今回は検証用に vSphere 環境に vCenter Server High Availability を構成したのでその手順を簡潔に記載します。
#環境
ESXi 6.5 U2 *5
vCenter Server Appliance 6.5 U2
NFS 400GB
#構築
##前提
試験的に vCenter Server HA を構成しました。 今回の環境ではすべて IP アドレスによる解決を行っており、DNS 、 AD は構成していません。また、 vCenter Server は NFS 上に配置してあります。
##ネットワーク作成
vSphere 環境構成後にvCenter Server HA 用のクラスタを構成します。 ESXi 5 台(全台)で構成しました。
vCenter Server HA では専用のネットワークを必要とするため、分散仮想スイッチを作成し、ポートグループを作成します。
vCenter Server の管理ネットワークのほかに、下図のような vCenter Server HA 用ネットワークを必要とします。
引用 : vCenter アーキテクチャの概要
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.avail.doc/GUID-2D395533-4C7C-45A6-9B5C-0A78C3E3A5C8.html
##デプロイ
vCenter Server HA のデプロイ作業に移ります。クラスタを右クリックし vCenter HA 選択すると、構成画面が表示されます。基本的にウィザードに従うのみで構成できますが、途中で vCenter Server 用ネットワークを選択する必要があり、事前に vCenter Server ネットワークを構成していないと進むことができません。構成設定が完了するとパッシブノード、ウィットネスノードがクローンされ、 vCenter Server HA が構成されます。 vCenter Server 二台+軽量 vCenter Server によって構成されるため、少々時間がかかります。
デプロイ後は仮想マシンとしてパッシブノード、ウィットネスノードが表示されます。
#補足
vCenter Server HA 環境ではアクティブの vCenter Server のみ管理用 IP が振られます。そのため、パッシブ、ウィットネスノードには vCenter Server HA 用の IP しか振られていません。
このように ifconfig の結果もアクティブノードでは 管理用 IP と vCneter Server HA 用の IP が設定されているのに対して、パッシブノードでは vCenter Server HA 用の IP のみが振られています。
なお、パッシブノードに対して ifconfig -a にてすべての NIC を確認すると設定されていない eth0 を確認することができます。
#参考
サポート対象の vCenter Server 高可用性オプション (1024051)
https://kb.vmware.com/s/article/1024051?lang=ja
vCenter High Availability
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.avail.doc/GUID-4A626993-A829-495C-9659-F64BA8B560BD.html
vCenter アーキテクチャの概要
https://docs.vmware.com/jp/VMware-vSphere/6.5/com.vmware.vsphere.avail.doc/GUID-2D395533-4C7C-45A6-9B5C-0A78C3E3A5C8.html