はじめに

OpenAI Realtime API を利用した ChatBot を Amazon ECS（Fargate）にデプロイする方法を確認した。できるだけシンプルな構成で実装し、以下のステップを通じて実際に動作させる

ローカル環境で OpenAI Realtime API を使った ChatBot を動作させる
Amazon ECR にリポジトリを作成する
ChatBot の Docker イメージを Amazon ECRリポジトリにプッシュする
Amazon ECSで ChatBot の Docker を起動する
AWS にデプロイした ChatBot の動作確認

1. ローカル環境で OpenAI Realtime API を使った ChatBot を動作させる

ソースコードを取得する

git clone https://github.com/aRaikoFunakami/hello-cdk.git

Dockerコンテナの作成

cd hello-cdk/samples/
docker build -t my-realtime-chat .

コンテナを起動する

docker run --rm -p 3000:3000 --name chat-container --env OPENAI_API_KEY=$OPENAI_API_KEY my-realtime-chat

別のターミナルで wscat を使ってアプリの動作を確認する

wscat -c ws://localhost:3000/ws

出力例

Connected (press CTRL+C to quit)
> こんにちはChatGPT
< こんにちは！何かお手伝いできることはありますか？
> 私の名前はrairaiiです。あなたの名前は？
< 私の名前はChatGPTです。何かご質問やお話ししたいことがあれば、どうぞ教えてください。
> 私の名前わかりますか？
< あなたのお名前はrairaiiですね。どうぞよろしくお願いします。
> なぜおぼえているの？
< 会話の流れを理解し、適切に応答するために、先ほど教えていただいた情報を一時的に覚えています。会話が終了すると、情報は保持されませんのでご安心ください。

コンテナの終了

Ctrl-C で終了する。

Dockerプロセスが残っていないか確認

docker ps -a

明示的にKILL

docker kill chat-container

2. Amazon ECR にリポジトリを作成する

公式サイトを参考にした

Amazon ECR コンソール (https://console.aws.amazon.com/ecr/repositories) を開いて下記の作業を行う

ナビゲーションバー から、リポジトリを作成する リージョン を選択する
[リポジトリ] ページで、[プライベートリポジトリ] を選択し、[リポジトリの作成] を選択する
[リポジトリ名] に、リポジトリの一意の名前を入力する
[Tag immutability] (タグの不変性) で、このリポジトリのタグの変更可能性の設定を選択する
[暗号化設定] では、[AES-256] または [AWS KMS] のいずれかを選択する
[Create] (作成) を選択

3. ChatBot の Docker イメージを Amazon ECRリポジトリにプッシュする

aws configure での設定は終了しているものとする

(1) Docker クライアントの認証

イメージをプッシュする先の Amazon ECRレジストリに対して Docker クライアントを認証する。
Amazon ECRレジストリに対して Docker を認証するには、 aws ecr get-login-password コマンドを実行する。

aws ecr get-login-password --region <region> | docker login --username AWS --password-stdin <aws_account_id>.dkr.ecr.<region>.amazonaws.com

(2) プッシュするDockerイメージを確認

プッシュするイメージを確認するために、 docker images コマンドを実行し、システム上のコンテナイメージを一覧表示する

docker images

出力例

REPOSITORY                                                             TAG         IMAGE ID       CREATED        SIZE
my-realtime-chat                                                       latest      38ac3d587110   11 hours ago   437MB

(3) プッシュするDockerイメージにタグ付け

Amazon ECRレジストリ、リポジトリ、およびオプションのイメージタグ名の組み合わせを使用してイメージにタグを付けする。レジストリ形式は .dkr.ecr..amazonaws.com とする。

例

docker tag <REPOSITORY>:<TAG> <aws_account_id>.dkr.ecr.<region>.amazonaws.com/<ECR_REPOSITORY>:<NEW_TAG>

次のパラメーターと値でタグ付けする

パラメータ	値
REPOSITORY	my-realtime-chat
TAG	latest
aws_ account_id	xxxxxxxxxxxx
ECR_REPOSITORY	my-realtime-chat
NEW_TAG	latest

docker tag my-realtime-chat:latest xxxxxxxxxxxx.dkr.ecr.us-east-1.amazonaws.com/my-realtime-chat:latest

タグ付けの確認

docker images

出力例

REPOSITORY                                                             TAG         IMAGE ID       CREATED        SIZE
xxxxxxxxxxxx.dkr.ecr.us-east-1.amazonaws.com/my-realtime-chat          latest      38ac3d587110   12 hours ago   437MB

(4) Docker イメージをECRにプッシュする

タグ付けされたイメージをECRにプッシュする

docker push xxxxxxxxxxxx.dkr.ecr.us-east-1.amazonaws.com/my-realtime-chat:latest

(5) プッシュしたイメージを確認する

aws ecr list-images --repository-name my-realtime-chat --region us-east-1

出力例

imageIds:
- imageDigest: sha256:522cc5d1b874816fb23b6791cbfd2c1e497296416b3a2de2113b173285720939
  imageTag: latest

4. Amazon ECSで ChatBot の Docker を起動する

(1) クラスターを作成

Amazon ECS コンソールを開く
[クラスター] のページで [クラスターの作成] を選択する
[クラスター名] を入力する
画面下部の [作成] を選択しクラスターを作成する

(2) タスク定義を作成

[タスク定義] のページで [新しいタスク定義の作成] を選択する
[タスク定義ファミリー] を入力する
[オペレーティングシステム/アーキテクチャ] で [Linux/ARM64] を選択する

ARM CPUを搭載したMacで作成したDockerを起動させるためには Linux/ARM64 を選択する

[コンテナ -1] の [ポートマッピングの設定] を行う
- [コンテナポート] : 3000
- [プロトコル] : TCP
- [アプリケーションプロトコル] : HTTP2

[環境変数] に OPENAI_API_KEY を追加

(3) クラスタにサービスをデプロイ

[クラスター] のページで [作成したクラスタ名] を選択する
[サービス] の [作成] を選択する

[デプロイ設定] の [ファミリー] で作成したタスクを設定する
[デプロイ設定] の [サービス名] を設定する

[デプロイ設定] の [ネットワーキング] の [セキュリティグループ] で [新しいセキュリティグループの作成] を選択する
[セキュリティグループ名] を設定する
[セキュリティグループのインバウンドルール] を設定する
- タイプ : カスタムTCP
- プロトコル：TCP
- ポート範囲：3000
- ソース : Anywhere
[作成ボタン] を設定してサービスを作成する
数分かかるのでしばらく待つ

5. AWS にデプロイした ChatBot の動作確認

(1) タスクの Public IP を取得

動作確認のためにデプロイして ChatBot が動作している Docker のIPアドレスを取得する

[クラスター] から作成した [サービス] を選択し、[タスク] タブを開く
実行中の [タスク] を選択する

[ネットワーキング] のタブを開く
パブリック IP のIPアドレスを確認する

(2) wscat で動作確認を行う

wscat -c ws://<パブリック IP>:3000/ws

出力例

Connected (press CTRL+C to quit)
> Hello, ChatGPT
< Hello! How can I assist you today?
> What's your name
< You can just call me ChatGPT. How can I assist you today?
> My name is rairaii.
< Nice to meet you, Rairaii! How can I assist you today?
> Do you know my name?
< Yes, you mentioned that your name is Rairaii. How can I help you today?
> Why do you remember me?
< I don't have memory of past interactions, so I only know what you tell me during our current conversation. How can I assist you now?

AWSにデプロイして動作することが確認できた

トラブルシューティング

macOS で docker pushが失敗する場合

Error saving credentials: error storing credentials - err: exec: "docker-credential-osxkeychain": executable file not found in $PATH, out: ``

docker-credential-helperをインストールする

brew install docker-credential-helper

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