はじめに
実際に自分でも体験しましたが、コロナによるリモートの増加で、意図しない箇所で、インターネット向けのトラフィックが増加し遅延などが発生する事象が多かったと思います。
そもそも輻輳ってどういう理由で起きるのか説明していこうと思います。
この記事では、
簡単にベストエフォートと帯域確保の違いとベストエフォート(主にフレッツ光)で起こる回線の輻輳について簡単にまとめます。
あくまで簡単にです。
ベストエフォートと帯域確保
そもそも回線にはベストエフォート型と帯域確保型があります。
帯域保証
その名の通り通信の帯域が約束された通信回線で、契約者がネットワークを専有する形(1Gbpsの土管をすべて占有して使えるYO)で1Gbpsの契約をすれば常時必ず上りも下りも1Gbpsの速度を保証します。、というサービスです。
#参考までに上り下りで保証が違うけどちょっと安い、なんてサービスもあります。
その分コストがかかるのですが、遅延が出たり断があると困るようなもの(安定的な通信環境や速度を常に維持したいとか)や安定性やネットワークに用いられます。
欧米ではギャランティ型(Guaranteed Bandwidth)として一般に広く普及している方式です。
ベストエフォート
それに対してベストエフォート型サービスの場合、通信速度を1Gbpsで契約したとしてもそれは保証されません。
あくまで**「最大で出る速度が1Gbpsです。」**(1Gbpsの土管は用意するけどみんなで通ります。なので混むかもYO)というサービスになります。共有しているので最大速度が出ることはほぼないです。
その分安価で導入しやすいという特徴があります。
ベストエフォートで代表的なものはNTTの「フレッツ光」です。
これは固定ブロードバンドってやつになります。
導入数が非常に多いのですが、このフレッツがその構成ゆえによく輻輳するのですが、その事象について簡単に説明していきます。
ブロードバンドアクセス網の輻輳
固定ブロードバンドサービスのアクセス網の輻輳は、アクセス集中によって加入者光ファイバの共有部分や網終端装置などで部分的かつ一時的に発生します。
前者は数十ユーザ単位で、後者は数千ユーザ単位で共有されていて、輻輳が起こると輻輳箇所を共有しているユーザが影響を受けます。
ユーザの利用需要に対してISPの提供帯域が不足していると、利用の多い時間帯に輻輳が発生しやすくなります。
と書くとなんだかわからないですよね。
要するに**フレッツ光回線は様々な箇所で「設備を共用している」ので、「共有している設備のキャパシティを超えると遅くなる」**ということです。
特にマンションなどでは、マンション内の光の設備が共用の場合が多いので同一ビルで大量のデータを流したりしていると急に遅くなったりします。
通信速度の体感でいうと
コロナ以前のオフィスでは、日中が遅く、夜間早い、ただしバッチなどで夜間にデータ流す会社が同居していると特定の時間が異常に遅い、などが一般的でした。
しかしコロナ過の現在では、リモートワークが増え、家庭からのアクセスが増えたため、出勤時よりもインターネット経由の通信量は増える傾向にあり、時間帯関係なく輻輳が発生しやすくなっています。
アクセス網の品質、特に輻輳の状況は、回線導入の際にISPや接続メニューを選ぶ上で重要な情報ですが、詳しく調べることは、ほぼ不可能です。
そんな中導入数の多い、フレッツ網で、ここ数年、PPPoE網終端装置の輻輳が問題となっています。
PPPoE方式は「NTTの回線を使ってISPがインターネット接続を行う」フレッツで採用された方式です。
2000年代前半の日本のブロードバンド普及を成功させた技術です。
しかしフレッツは安価なサービスなので設備投資とのバランスが悪く増設が難しい状況にあります。
なので輻輳が起きたからと言って設備を増やすようなことにはあまりなりません。
すなわち待っていても輻輳が解決されるようなことはあまりない、ということです。
なので安価だからとコスト面だけ見て、ベストエフォート型のフレッツを導入すると品質に問題が発生して、帯域確保を再手配するなんてこともあるので、インターネット回線の導入から検討が必要な際は、よく考えて導入してくださいね、というお話でした。
ただコストとのバランスや地域で速度も出るので一概にフレッツが悪いというわけではないのを最後に宣言しておきます。
ちなみに輻輳問題はIPv6を採用した場合には、輻輳を回避する方法を取り入れているキャリアのサービスもあります。
そちらはまたの機会にしたいと思います。