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まいど!Agile Japan 2017 大阪サテライト - アジャイルではじめる働き方改革

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はじめに

Agile Japan の大阪サテライトが今年も開催されました。とても濃い内容でためになったのでメモを共有します。半日のセミナーで体力的にもPCのバッテリー的にも全部はきちんとメモが取れておらず、ムラがあってすみません。

セミナーの概要

まいど!Agile Japan 2017 大阪サテライト - アジャイルではじめる働き方改革
2017/06/10(土)13:00 〜 18:30
エムオーテックス新大阪ビル

オープニング

事前アンケートの結果発表

対象 230人

アジャイルについて

  • 実践しているしたことがある…101人
  • 聞いたことがある程度…40人

参加者の業態

  • 受託開発…93人
  • 自社製品・サービス開発…57人
  • 自社システム開発・運用…47人
  • その他…37人

参加者の職種

  • SE…71人
  • プログラマー…69人
  • 管理…41人
  • コーチコンサル…15人

Agile Japan 2017基調講演 “モダンアジャイル”

Joshua Kerievsky 氏
プレゼン資料:Modern Agile Keynote at Agile Japan 2017

4つの基本理念

  • 人々を最高に輝かせる
  • 安全を必須条件にする
  • 高速に実験&学習する
  • 継続的に価値を届ける

参考資料

THANK YOU AGILE JAPAN 2017
上記ページでも紹介頂いた私の資料:ModernAgile

会社の文化をアジャイルに変えたい?キミにもできるよ!

株式会社ヴァル研究所

開発部 部長 新井 剛 氏

資料あり

全部門カンバン広がり

  • 全社的にカンバンが浸透
    • 社員数 160名
  • もやもやボード…ふりかえりなどに出すほどではない課題を貼っておく
  • ラーメンドリブン…ニコニコカレンダーの数値がメンバー同士揃ったらラーメンを食べに行く バージョンアップ千羽鶴…使い終わった付箋で作る(9割は折らずに捨てる) リリーストレイン時刻表…リリースまでの半年分のタスクを見える化

何故広がったか?

  • 真面目な社員が多い、若手市社員が優秀で元気
  • アジャイル推進委員会の設置 − モチベーションが高いメンバーで集まるとうまくいく
  • 女子の重要性…拡散力

マンネリ化しないのか?

  • 著名人を招く
  • 駅すぱあと父「宮本塾」…会社の生みの親の話
  • 社内標準ルールをつくらない
  • プロジェクト独自の文脈を優先させる
  • コミュニティに繋がる
  • 社外への会場提供
  • プロセス・ルールを自分たちでコントロール
  • 自己組織化UP
  • 内発的動機づけ

会社見学ツアー

1年10カ月程度で74回、120社が来訪

社外向けの効果

  • ブランド向上
  • つながりが大事
  • 喜びが大事…見てもらうことが喜びになる
  • アジャイルコミュニティへの恩返し

社内向けの効果

  • 自分たちがやっていることの後押しになる
  • 社外の意見が(社内への効果として)絶大

何かを変えたい君にメッセージ

  • ちょっと踏み出す勇気
  • ちょっとゆらぎを起こす
  • みんなが問題と思っていたことを真摯に取り組む
  • タバコ部屋や給湯室の(ノウハウの宝庫)の場を作りたい
  • 問題あるのはは悪いことではなく改善のチャンスと捉える
  • 文化・風土に価値を置く(価値創造の源泉)
    • 悩みはいつも人間関係
    • 数学者岡潔⇒数学の中心にあるのは「情緒」である
    • 実態がない⇒感情と同じ
    • 意味を先に教わろうとする⇒意味がない
    • 「理解」は自他対立的にわかること
    • 「体取」は自分がそのものとなる
    • 見えないものに真実がある
    • カルチャーは戦略を凌ぐ(ドラッカー)
    • 上位者の役割…抽象度が高いので上位者の動きが重要
    • 書籍を読み倒す
    • 内面に向き合う
  • 発見は後からついてくる
  • 意味は後からついてくる
  • 次の時代において既存の枠組みに縛られた働き方や生き方にはあまり意味はない
    • 働く=人生の選択

DevOpsにも取り組み始めたアジャイルウェアの挑戦

株式会社アジャイルウェア

代表取締役CEO 川端 光義氏

アジャイルを回すための仕組みとプロセス

  • Git-FlowからGitHub-Flow
  • レビュー必須
  • 集中できる環境が重要

品質対策

  • 振る舞いテスト
    • Selenium
  • パフォーマンス計測

シャープにおけるアジャイル(スクラム)型開発手法の適用について

シャープ株式会社 太田敦士氏

スクラムの導入背景

  • スピードが最優先
  • 何をつくったらいいのか誰もわからない

課題と対策

  • 社外・社内規定⇒謝る
  • 社内抵抗⇒気にしない
  • 契約関係⇒祈る

ポイント
- 社内で儲けてい人が偉い
- 行っていること、やっていることが受け入れられる

関西電力におけるアジャイル(スクラム)型開発手法の適用について

関西電力株式会社
IT戦略室情報技術グループ 内藤 悟史氏
情報通信センター 事務システムグループ 中野 智博氏

はじめに

アジャイル導入の背景

  • 迅速なシステム開発
  • 新サービスやキャンペーンへの対応

従来の開発工程

  • プロセス
    • ウォーターフォール、第三者レビュー委員会
  • 標準ツール
    • Object Browser
    • Eclipse
    • JMeter

アジャイル型開発の検討

  • スクラムを採用
  • 1〜4週間のスプリント

アジャイル型のメリット

  • 効果の刈り取りが早い
  • 環境の変化に柔軟

デメリット

  • 業務部門の作業が継続的に発生
  • 業務部門の迅速的な意思決定

アジャイルの導入

  • 開発体制…プロダクトオーナー
  • 標準成果物…成果物が少ない
  • レビュープロセス…レビューが頻繁
  • 標準開発ツール…標準ツールなし

体制

  • PO…バックログ管理
  • POプロキシ(関電さんの独自定義)…非機能要件を担当、POのサポート
  • スクラムマスタ…定着支援

ルール

  • 標準成果物はそのまま
  • リリース直前までに作成
  • 中間成果物…作らなくて良い
  • 全体レビュー…要件とリリース前のみ実施(設計と開発後のレビューを省略)

試行プロジェクトの評価

  • プロジェクトメンバー
    • PO1名
    • POプロキシ…1名
    • スクラムマスター…1名
    • 開発メンバー…4名⇒全員がスクラム初めて

評価

  • 迅速化…初期リリースを7カ月前倒し
  • 全体の開発後期が10カ月⇒6カ月
  • 必要な機能が優先31件の優先度変更

品質面

  • 大きな欠陥無し
  • 業務部門満足度…5(大変満足)
  • リリース後の仕様変更…バックログ12件
  • 開発工数…従来61人月⇒今回33人月

開発体制

  • POプロキシがPOをサポートして円滑に開発
  • 標準成果物…問題なく受け入れられた、過不足無し
  • レビュー…レビュー省略による不具合は発生しなかった(結果的に無駄が省かれた)
  • ツール…付箋による見える化が良かった
    • CIツール未検証(Dominoの開発なのでCIツールは使わず)

良かった点(各メンバー視点)

  • PO…POプロキシの役割が助かった
  • POプロキシ…密なコミュニケーションが重要
  • スクラムマスター…スプリントごとに失敗の再発防止ができた、振り返り、見える化の管理・推進が重要
  • 開発チーム…心理的な距離が近い、開発スピードが早い

心配な点

  • PO…全体スコープが見えない
  • POプロキシ…スクラム開発の継続が大切
  • 開発チーム…開発中は全容が見えない⇒今後リファクタリングが必要

今後の展開

  • 社内展開を推進したい
  • 業務部門の理解を得る必要性
    • 継続的な仕様検討
    • 会議体への参加
    • 迅速な意思決定

「楽しさ」に導かれたアジャイル開発

~老舗メーカーでの実践~
コニカミノルタ株式会社 久保 明氏
資料あり

実践内容

  • 平鍋さんのプロジェクトファシリテートの講演⇒やってみた
  • 朝会は健康診断
  • ふりかえり→発言のハードルを下げる
  • TDD導入⇒やることを増やさない
  • タスクカンバン⇒達成感を味わう
  • バーンダウン⇒金曜バッブァ
  • 見積もりに時間をかけない

やってみた結果

  • 楽しいが伝播
    • 楽しいを優先
  • 繋がりが重要
    • 脱孤独
    • 本質の理解…実践している人に聞いて本で得た知識(理解)の間違いに気づく
    • 有名人に会ってみたかった

ありかた

  • 楽しむ
    • やりたいことをやる
    • 頑張らない
    • 勇気をもつ
    • 心配なままやってみる

パネルディスカッション

  • ヴァル研究所さんのカンバンは壁不足にならない?

    • ふすま型の段ボールを買ってくる
    • チームでアーカイブしている
    • 色々工夫している
  • 製造業は日本特有の文化で品質保証部が強い。関係はどうするか?

    • QAもアジャイルにはじめから入ってもらう空気を作るのが理想
    • 会社の中間層を無視しない
    • 真に受けず無下にしない
  • アジャイルを導入して働き方がどう変わったか?

    • 日本人はチームを大事にする協調する文化
    • リモートワークなどを取り入れ、自由が大事
    • 楽しく働ける
    • 無駄を発見したり改善していく文化ができた
    • アジャイル採用チームが残業時間が一番少なくなった

LT

アジャイル推進室の作り方

増田 謙太郎さん
資料あり

アジャイル推進室について

  • 変化に素早く対応する組織として今年から設置
  • 新しい技術も導入➡️TDDとかJenkins
  • ステークホルダーとのミーティングが浸透するために重要

アジャイル導入のきっかけ
- ふりかえりのファシリテーターをやってみてチームの事を考えるきっかけになった

取組み

  • 社内でアジャイルに詳しい人と思ってもらう
    • スクラム道関西への参加
    • 認定スクラムマスター取得のために会社へ約束
    • 会社全体へのアジャイル導入
    • 社外へのアピール(イベントなど)
  • 熱意を伝える
  • 社内イベント(社長への提案など)のチャンスを逃さない

関西匠塾のご紹介

稲田 新平さん

CSM研修を受けてからやったこと

金 陽信さん

  • 自腹でスクラムマスター研修
  • 守破離の守を軽くみない
  • コミュニティで癒しを得る
  • 興味を持つ社員が増える
  • 会場貸しは有効

コーチが16の現場で見たそれぞれのアジャイルの姿

中村 洋さん
資料あり

  • とりあえずアジャイルはうまくいかない
    • プラクティスの目的を理解してない
    • 開発チームだけのアジャイル
    • ビジネス成果が弱くうまくいかない
  • 状況の変化に対応する
    • 前提を置かない
  • 現場が越境しはじめるとうまくいく

所感

セッションを通して個人的には以下のような点がポイントだと感じました。

  • 境界を作らず巻き込んでいくこと
    • 社外との関わりを持つ
    • 抵抗勢力とうまく折り合いをつける
  • 成果・効果の見える化
    • 実績のあるツールや他社の事例を活用する
    • 関係者の信頼やモチベーションに繋げる
  • 心理的安全性
    • 楽しみながら進める
    • 周囲と対抗しない

人や組織の境界がなくなってきていたり、根性論のようなやる気だけではうまく進まなくなってきていて周りと協調しながら進めるほうが浸透しやすかったりするあたりは働き方が変わってきている近年の状況も反映しているのではないかと思いました。ただ、最終的には現場の状況を踏まえた工夫が必要であり、知恵を絞って自分たちの現状に適したアレンジを加えて取り組んでいくのが良いのだろうと思います。

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