第2回:Angularの環境構築
今回からAngularアプリを作っていきます。
まず、Angularの元となるNode.jsをインストールします。
Node.jsをインストールする
紹介
Node.jsはChromeエンジンを利用したJavascriptランタイムです。
通常、JavaScriptはブラウザ内に読み込まれて動作しますが、Node.jsを利用することでコマンドラインからJavaScriptプログラムを動かすことができます。
また、Node.jsはnpm (Node Package Manager)を具備しており、GitHubからOSSなモジュールを取得し、利用することができます。
注意事項
Node.jsはNode.js公式サイトからインストールしたいところですが、一度インストールしてしまうとアンインストールが面倒な代物です。
開発プロジェクトによって利用するNode.jsのバージョン指定がありますので、簡単にバージョンを切り替えられるようにインストールしましょう。
Node.jsのバージョン管理を行えるNodebrew(mac)やNodist(win)など他にもあるようですが、ここではNodebrewを使ってインストールしていきます。
インストール
- 下記のコマンドを実行し、nodebrewをインストールしてください。
brewコマンドが使えないmacユーザはHomebrew公式サイトからインストールしてください。
$ brew install nodebrew
- コマンドラインが使えるように、環境変数PATHを通します。
~/.zprofileに下記の一文を書き足します。
export PATH=$HOME/.nodebrew/current/bin:$PATH
- 下記のコマンドでnodebrewのインストールが正常に行われたか確認します。
$ nodebrew -v
nodebrew 1.0.1
- 次にnodebrewを使ってNode.jsをインストールしていきます。
下記のコマンドで利用できるNode.jsのバージョン一覧を表示します。
$ nodebrew ls-remote
- バージョンを指定してNode.jsをインストールします。今回はv14.9.0を利用します。
$ nodebrew install-binary v14.9.0
Fetching: https://nodejs.org/dist/v14.9.0/node-v14.9.0-darwin-x64.tar.gz
######################################################################### 100.0%
Installed successfully
- Node.jsがインストールされたことを確認します。
下記のコマンドでPCにインストールされているNode.jsのバージョンを確認できます。
$ nodebrew list
v14.9.0
current: v14.9.0
currentのところに表示されるのが現在利用しているNode.jsのバージョンです。
- 複数インストールされたバージョンのうち、利用するバージョンを切り替えるには下記のコマンドを実行します。
$ nodebrew use v14.9.0
- Node.jsが正常にインストールされたか確認する。
$ node -v
v14.9.0
$ npm -v
6.14.8
Angularをインストールする
紹介
AngularはNode.jsを利用して作られたWebアプリフレームワークです。
また、Angular用のソースコードを一般的なhtml/css/jsにビルドする機能や、動作確認用にサービングする機能を持っています。
インストール
Angularのパッケージである@angular/cliをインストールします。
cliはCommand Line Interfaceの意味です。
- まず下記のコマンドで公開されているバージョンを確認します。
$ npm info @angular/cli versions
- 下記のコマンドでインストールします。今回は10.0.8をインストールします。
-gオプションはglobalの意味合いがあります。通常、npmでインストールされるモジュールは、ローカルで作業しているパッケージの中にインストールされますが、
-gでインストールすることでシステム内にインストールことになり、パッケージの内外から利用できるようになります。
cliは基本的に-gでインストールすると考えていてください。
$ npm install -g @angular/cli@10.0.8
- 下記のコマンドで@angular/cliが正常にインストールされたかを確認します。
aNGularのNGコマンドです。
$ ng version
Angularプロジェクトを作成する
下記のコマンドでAngularのプロジェクトを作成します。
frontという名前のプロジェクトが作成されます。
$ ng new front
? Would you like to add Angular routing? (y/N) -> y
? Which stylesheet format would you like to use?
CSS
❯ SCSS [ https://sass-lang.com/documentation/syntax#scss ]
Sass [ https://sass-lang.com/documentation/syntax#the-indented-syntax ]
Less [ http://lesscss.org ]
Stylus [ http://stylus-lang.com ]
- 1つ目の問い:Angularのルーティングを生成するか。
後で自作することもできますが、作ってもらいます「y」を選択 - 2つ目の問い:cssのフォーマットに何を利用するか。
scssを選択。css以外はcssを高度にしたもので、そのままではブラウザで読み込むことができないため、ビルドを通す必要があります。
しばらく待っているとプロジェクトの作成が完了します。
下記のファイルが生成されます。
ファイル・フォルダ | 説明 |
---|---|
README.md | MarkDown形式で書かれたパッケージの説明ファイル、第三者に対して使い方などを記載します。 |
angular.json | Angularの設定ファイル |
e2e | あまり気にしなくていいです |
karma.conf.js | 自動試験用の設定ファイル |
node_modules/ | npmでインストールされたモジュールがここに入ります |
package-lock.json | node_modulesを再現するための設定 |
package.json | Node.jsのパッケージ設定 |
src | これからAngularプロジェクトで作成するソースコード一式 |
tsconfig.app.json | TypeScriptの設定ファイル |
tsconfig.base.json | TypeScriptの設定ファイル |
tsconfig.json | TypeScriptの設定ファイル |
tsconfig.spec.json | TypeScriptの設定ファイル |
tslint.json | TypeScriptのLint設定ファイル。静的コードチェックのためのもの |
node_modules/
このフォルダはnpmによってインストールされたモジュールがインストールされます。
このフォルダを削除しても、$ npm install
をパッケージ内で実行することで、再度node_modulesは作られますので、gitに登録するときはこのフォルダは除外します。
package.json, package-lock.json
pakage.jsonのdependenciesやdevDependenciesにパッケージに必要なモジュールがバージョン指定で記載されています。ただし、"^6.0.0"のような指定で、バージョン6以上など、範囲指定がされているため、利用していたモジュールを完全に再現するためにはpackage-lock.jsonが必要になります。
Angularでサービングする
- Angularが必要としているモジュールをインストールする
$ cd front
$ npm install
- サービングする
$ ng serve
- ブラウザでアクセスしてみる
ブラウザから http://localhost:4200 にアクセスしてみましょう
下記のように空のWebアプリが表示されれば成功です。
ちなみに下記のコマンドを実行することで、ビルドが行われ、distフォルダにビルド結果が出力されます。
$ ng build
今回はここまでです。次回はログインページを作っていきます。
今回開発したソースコードはGitHubに入っています。