PCもリフレッシュしないと動きが悪くなる
Win95の時代から、Windowsは長く使っていると、エラーが出る、ハングアップする、PCが落ちる、重くなる、アップデートが終わらない、USBが認識しない、そもそも起動しない、等々の障害が発生するようになってきます。対処が見つかって直れば良いのですが、何をやっても直らないということも多々あると思います。その時の最終手段はOSの入れ直しです。1
OSの入れ直し方法と言えば、PCについてきたメディア2を使って工場出荷時に戻すという物でした。しかし、Windows 8からメディア不要でリセットする方法が用意されています。それがリフレッシュの機能です。
ということで、色々と失敗してOSが汚くなった私のPCをリフレッシュしてみました。なお、Windows 8.1とWindows 10では表記や動作が異なりますので、異なるバージョンをお使いの方は参考程度で見てください。
リフレッシュの実施
今回リフレッシュしたPCは下記になります。ベンダーや機種、バージョンによって異なりますので、全ての人が同じになるとは限らない事にご注意ください。
機種: Dell XPS 13 2-in-1 9365
OS: Windows 10 1709 Fall Creators Update
準備
まずは、バックアップを取っておきます。Windows 10の通常のバックアップを使用して、個人用ファイル、つまり、プロファイルがある場所だけが対象にします。下記から設定できます。
設定 -> 更新とセキュリティ -> バックアップ
これだけでも十分の場合がありますが、あわせて「[バックアップと復元] に移動 (Windows 7)」をクリックし、Windows 7互換のイメージバックアップも取得しておきます。
そもそも起動しない状態であったらバックアップ取得も何もありません。バックアップは常に取る、または、クラウドのドライブを使用するなどを普段からしておくべきでしょう。
リフレッシュ方法(個人用ファイルは残す)
リフレッシュでは個人用ファイルを残す場合と消す場合の選択ができます。今回は個人用ファイルを残す(消さない)を選択しました。
周辺機器は外し、電源のみ接続した状態にしておきます。
- 「設定」を開く。
- 「更新とセキュリティ」を開く。
- 「回復」を選ぶ。
- 「この PC を初期状態に戻す」の「開始する」を押下する。
- ウィザードで「個人用ファイルを保持する」を選ぶ。後はウィザードを進めていく。
自動的に再起動してリフレッシュが完了して再びログインできるようになるまで約30分ほどでした。意外と早かったですが、CPUやメモリ容量、ストレージの種類によって大きく変わると思いますので、参考程度にしてください。
その後の作業
リフレッシュによって色々削除されているのでそれらを入れていきます。
- PCのドライバーのアップデート
- OSのアップデート
- 周辺機器のドライバーのインストール
- ソフトウェアのインストール
プリインストールされたPCのドライバーやソフトウェアはインストールされた状態でした。そのため、それらのアップデートはメーカーのツールを使ってアップデートしていくだけです。NIC等も認識されていましたので、特にネットに繋がらなくてアップデートできないという事態は起きませんでした。
OSは1709があたった直後の状態のようです。リフレッシュした時点で再度1709を適用し(実際には確認だけされる模様)、1709用の累積パッチが落ちてきました。
周辺機器のドライバーやソフトウェアは軒並み削除されていますので、一つ一つインストールする必要があります。あらかじめダウンロードしていた方が良いかもしれません。
それなりに使えるレベルになるまで、大まかに3時間ぐらいかかりました。
リフレッシュの動作について
個人のプロファイル内にあるファイル以外は全て消えるのかと思ったのですが、そうでも無かったです。設定も引き継ぐ物が多く見られました。保持される物と削除される物、そして新たにインストールされる物をそれぞれ羅列していきたいと
保持された物
- ホスト名等の基本設定
- ネットワーク設定(無線LANはそのまま使用できた)
- ユーザー
- Microsoft アカウントとの紐付けもそのまま
- ただし、レジストリでの設定は消されている。
- スタートメニュー
- リンク先が削除されている場合はリンクも削除されるが、そうでない場合はそのままになる。例えば、コマンドプロンプトのショートカットになっている場合は残る。
- フォルダ
- "Windows"、"Program Files"、"Program Files (x86)"以外のCドライブ直下のフォルダ
- 上記以外にインストールするプログラムについては、ファイルがそのまま残る。ただし、アプリと機能には現れない。
削除された物
- アプリと機能にあるほぼ全てのプログラム(リフレッシュのウィザードでリストが出ます)
- "C:\Program Files"や"C:\Program Files (x86)"にあるファイル
- "C:\ProgramData"の中身(削除されない物もある)
- Chocolatey
- OSにインストールした追加の機能
- Windows の機能の有効化または無効化で追加した機能
- フォント(初期状態にリセット)
- C:\Windows配下
- hostsファイルなど
- システムのレジストリ上の設定(削除されない設定もある)
- ユーザーのレジストリ上の設定(削除されない設定もある)
インストールされる物
- OS
- プリインストールされているソフトウェアやドライバー(ただし、最新ではない)
リフレッシュ後はFall Creators Update適用直後に近い動作です。購入時の初回起動ウィザードは表示されませんが、準備中の表示が出ます。
削除されるアプリケーションはアンインストール処理を実施しているわけではなく、ファイルやレジストリを強制的に削除する(というより引き継がない)ようです。そのため、インストールする場所として想定されていないフォルダにインストールされている場合は、レジストリなどの情報だけ消されて、ファイルはそのままとなるようです。
たまにはリフレッシュも良いかもしれない
工場出荷時に戻すという完全なOS再構築よりはかなり楽でした。汚くなったOSも綺麗になったような気がします。
古いバージョンとは言え、OSのドライバー関係が最初から入っている事が大きかったと思います。Windows 10メディアから再インストールしたら、ドライバーが何もない、NICすら動かない、なのでネットから落とせない、どうすればいいのか?という事が昔あったので。