はじめに
こんにちは、@rabeneko です。
株式会社ドワンゴで、学生の方や社会人の方向けにプログラミングの入門的知識を教えています。
この記事では、 N予備校での講師の仕事をお伝えしようと思います。
プログラミング講師になった経緯
プログラミング講師になったのは2020年8月のことでして、それまではドワンゴでエンジニアをやっていました。
2011年入社ですから、9年になります。
時が経つのは速いものです。
エンジニアとして業界に居続ける方が給料もキャリアも良いので、それを捨てて講師になるのは周囲から反対の声があったのも事実です。
ドワンゴは副業オッケーな会社でして、副業でWebサイトを運営してそこそこやれていたり、業務委託でプログラムを書いたりしていたので、 どこかの雇われエンジニアとして働くことだけがプログラマーではないかな と思いで講師になりました。
これまで人前で喋ったことは無かったので不安はありましたが、人前で喋るスキルも欲しいと思っていましたし、教育業界に興味があったというのもあります。
社会人向けのプログラミング講師として
色んな会社にお勤めの、プログラミングをやったことない人に対して5日間の研修をしています。
「プログラミング研修を5日間やったらエンジニアとして働けるようになるんですか!?」
という話をよく言われますが、 そういうことはありません(笑)
別にエンジニアは免許が必要ではありませんので、今日からでもエンジニアは名乗れはしますし、働くこともできます。
しかし、世の中の人がイメージする「エンジニア」の業界は 理系の高校や大学で何年も勉強してきた人がとても多く、そういう人たちと対等の立場で仕事をすることを考えると、「働いてからが大変」 なのがエンジニア業界です…
何を教えているのか
N予備校の1章の内容を3日間で勉強します。
HTML・CSS・JavaScriptを使って、ブラウザ上で動く簡単なWebサイトを作ります。
サーバや言語の動作環境が必要だったりするのは、環境の用意ができずに挫折してしまう可能性がありますので、とっつきやすい環境ということで採用しています。
そして最後の2日間ですが、 「自由制作」 をしていただいています。
自分自身が作りたいテーマを決めてもらい、それをひたすら作ってもらいます。
私を含め、ドワンゴのエンジニア3名と講師アシスタントが総出でアドバイスや質問への回答をします。
ここからが当研修最大の売りなのですが、 「アドバイスや質問の内容は、テキストの内容に限らない」 ということです。
教材外の質問にもとにかく丁寧にお答えします。
「世の中のWebサービスはどういう仕組みで動いているのですか?」「この企業のホームページにあるこのかっこいい動きはどのようにプログラミングするのですか?」といった質問もどんと来いという姿勢です。
またGoogle検索をすると様々な参考になるサイトがありますので、とにかくググってもらっています。
こうして、簡単ながら学生インターンのポートフォリオにも引けを取らない、ちょっとしたWebサイトを完成して頂き、もって帰ってもらっています。
以下の画像はとある受講者の方が作ったWebサイトです。
5日前はプログラミングをしたことが無かったとは思えない出来栄えです。
5日間研修では
- プログラミングは誰かに任せないといけない遠い世界の話ではなく、自分でもひたすらググれば気合いで何かしら物ができること
- ちょっとしたホームページの改修や簡単な業務をプログラミングで改善できるかもと気付けること
- 自分でプログラミングしてWebサイトを作ったという成功体験
をもって帰ってもらっています。
もちろんこの後は日頃の業務もありますので、プログラミングをしなくなる人がほとんどでしょうが、この研修をきっかけにプログラミングに興味を持って、暇な時に趣味でプログラミングするようになった人 、 学んだことを生かして業務提案をするようになった人 も誕生しましたので、やる価値はあると思います。
そして Chromeのデベロッパーツール! これを教えています。
アンケートを取ったらChromeのデベロッパーツールを使ったことがない人がほとんどなのですが、紹介をすると、皆さん便利さを実感してくださいます。
日本の会社のみなさんがChromeのデベロッパーツールを使えるようになるのが夢です。
先日Qiitaの記事を書きましたので、ぜひ見てみてください。
N予備校の講師として
社会人の方向けの研修の宣伝みたいになってしまいましたが、N予備校の講師もやっています。
N予備校は月額1100円のオンライン学習プラットフォームです。
N予備校プログラミング入門コースでは週2回生授業をやっております。
この授業では小枝先生が講師をやっています。
私はこちらで授業の解説や質問への回答をしています。
こちらももちろん、「教材外の質問オッケー」です!
例えば突然「最近使っているフレームワークでscssを使うことになったのですが、scssってなんですか?」みたいな質問が来ても、以下のように丁寧に解答してます。
あくまでプログラミングスクールとして考えるとビジネス的には全然成り立たない のですが、N予備校のプログラミングコースはN高等学校・S高等学校の多くの生徒さんが利用しておりまして、このような動きが可能となっています。
かなり恵まれた環境で講師をさせていただいていると実感しております。
ビジネスだけを考えると、初心者の皆さんに初歩的なことだけを教えて「あとは自力で頑張ってくださいね」というのが一番利益が出ます。
しかしその先、中級者になった方がエンジニアになるのに必要な教材は不足しており、今後はここをN予備校として用意していきたいと考えています。
N予備校・N高等学校・S高等学校でプログラミングを学びたいという生徒が、より充実した環境でプログラミングを学び、エンジニアとして大きく羽ばいていただく、それが夢です。
レベルアッププログラミング
その一環として先月から始まったのが「レベルアッププログラミング」です。
「エンジニアとして入社した方が1年目に学ぶこと」をコンセプトに、入門だけでは学べない、より実用的なスキルを教えています。
12月22日 19時から第2回の講義がありますので、興味がある方はぜひご参加ください!