結論からはっきり言ってしまうと、社内SEとして野良ExcelVBAはまだしも、野良RPAなんて悪夢でしかないんですよ。
ボトムアップで導入される時はこんな感じ。
現場サイドの偉い人の鶴の一声で導入が決まり、
現場の原価管理とかしてるExcelチョットクワシイ人が四苦八苦しながらRPAをいじる。
もちろん、生産性は社内SEや外注より極めて低いし、本業をおろそかにできないから残業時間でRPAの勉強や制作を行う。
ライセンス費用を上回る節約効果を生むことができるかも怪しいし、
設計書もない。設計書を書くという発想すらない。
仮にライセンス費用をペイできても、残るのは誰も管理していない、トラブルが起きても責任が取れない野良ロボットの群れ。
それが万が一トラブルを起こしたら社内情シスに丸投げ。
じゃあトップダウンで入れるとどうなるかというと、外注するか、社内情シスが作るかになる。
トップダウンで入れた時に現場の人がRPAを作ることができるようになるなんてことはない。
じゃあそれって、高いライセンス費用払ってRPAでやらないといけないことなんですかね?
社内情シスが普段の改善に使っている言語でプログラム書いてやれば終わる話じゃないんですか?
仕様書しっかり作って外注したらRPAのライセンス料なしで片付くんじゃないんですか?
RPAじゃないとできないことって物凄く範囲狭いし、簡単にノーコーディングで作れると言っておきながら多少複雑なことやろうとすると変数とかループとかプログラミング知識が必要になるし、
はっきり言って流行りに乗って猫も杓子もRPAだとしか思えないんですよね。
大企業がRPAで〇〇万円浮かせたって話は、RPA専用の人員を確保・教育できる体力と、未だに紙でやってる作業が大量にある(企業の規模が大きいほど、そういった作業も多い)ことによるものであって、
中小企業が我も乗り遅れるなと言う形でRPAを入れても何もいいことないんですよ。
それでもRPAを入れたいというのなら無料のPower Automateを使ってから言ってほしい。
Power Automateも管理・製作できない人にUipathやWinActorの面倒が見れるわけがない。
野良ExcelVBAも結局作った人が面倒みきれなくなって情シスに丸投げ。
情シスは別に門戸を閉ざしてるわけでもないし、頼まれれば作るのに、どうして……
で、結局そういう「ITわからないけどバズワードは好きだからAIとかRPAとか入れたがる上位者」を止めるためには、社内情シスにも政治力が要るんですよ。
単にITの専門家であるだけでは全体最適を実現できない。全く実現できない。
各部門が自分たちはあれしたい、これが使いたいと言い出すのを制御するだけの力が必要。
それは単に規則に「ITに関することは情シス所管とする」と書いてあるだけでは全く不十分で、
各部門からそういった話が内々で上がってくるようになっていて、それを止められるぐらいの力が要る。
それは一個人ではどうしようもなくて、情シスの部門長やさらにその上司(役員・部長クラス)が社内政治をやってくれないと、社内SE一人じゃ何もできないんですよね。
わかりきった破滅を、自分の仕事をしながら眺める羽目になる。
力が……力がほしい……
追記
そもそもRPAで画面操作を自動化するというアプローチが間違いなんですよ。プログラムどうしでデータをやり取りして自動で処理すれば画面操作自体がいらない。そこをまずは目指すべきです。