この記事でわかること
- 入社当初、何もわからず不安だった私が実践した学習サイクル
- 「質問できない状態」から脱出するための工夫
- AI×ノートを使って学習効率を上げる方法
はじめに
こんにちは。新卒1年目のエンジニアです。
私は就職活動をきっかけに、プログラミングを始めました。
学生時代は、AIや周囲の「できる人」に頼りながら開発を進めていて、
「アプリが動いた!」「ものづくり楽しい!」と夢中になっていました。
その一方で、コードの意味や書き方の理由など、根本的な理解は後回しにしがちでした。
いろいろな言語やフレームワークに触れたものの、どれも浅く広く学んだだけで、後から「自分は何を理解できているんだろう…」と学んだことを言語化できず漠然とした不安を感じるようになりました。
入社後、最も悩んだのは、「困っていることある?質問ある?」というありがたい問いかけに対して、
「何が分からないのかが分からないから質問できない…」と感じたことでした。
でも、焦ってばかりいても仕方ないと思い、少しずつ自分なりに行動し、不安を減らす方法を探し始めました。
この記事では、そんな私が「わからない」と向き合いながら実践してきた、学習法やマインドセットを紹介します。
同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。
こんな人に読んでほしい
- エンジニアになったばかりで不安を感じている人
- 「自分だけ理解できてない気がする」と焦っている人
- AIをうまく活用した学習法を探している人
- 「質問できない状態」から脱出したい人
ノートとAIを活用した学習法
ステップ1:「何がわからないのか、わからない」からの脱却
まず大切にしているのは、
「わかるとはどういう状態か?(ゴール)」 を定義し、
AIを活用して自分が今どの段階にいるのかを把握する。
例えば、「Webアプリってどうデータ取ってくるのか説明できるようになる」というゴールを設定した場合、
- サーバーがDBにアクセスするところまでは分かる?
- サーバー自体がわからない?
→ 自分の“理解の現在地”をはかる
そして、どのくらいの知識が必要なのか、何を調べればよいのかを分解していきます。
自分一人でできるのか、誰かに聞くべきかといったことも見えてきます。
でも、「そもそも何から手をつけたらいいかすら分からない…」
そんなときはAIの出番です。
やりたいことをそのままChatGPTやGeminiなどのAIに投げると、目的達成までの大まかなステップを教えてくれます。
その中で出てきた用語や考え方にひっかかったら、そこが今の自分の理解段階です。
ステップ2:AIを活用して調べる&なぜその答えかを考える
次に大切にしているのは、
とりあえずAIに聞いてみる。そして、AIの答えに対して、裏付けをとる。
公式ドキュメントや記事の内容をAIに解説してもらう。
調べてきた結果は軽くメモにまとめ、なぜその答えに辿り着いたのか自分なりに説明できるようにする。
先ほどのステップで「なんとなく分からない」状態から抜け出し、
必要な学習範囲が明確になったら、次は調べて理解します。
最初の頃は、公式ドキュメントや難しい記事を読むのがとにかくつらくて、
「英英辞典を読んでるみたい……」と感じていました。
そこで私は、いきなり読むのではなく、まずAIに聞くようにしました。
ただし、AIの答えをそのまま信じるのは危険であるため、裏付けもセットで行います。
例えば、
- 「Vueのcomputedがよく分からない…」と思った
↓ - AIに「computedとwatchの違いは?」と聞いて概要をつかむ
↓ - 公式ドキュメントを読む
ようにしていました。
また、公式ドキュメントや記事の内容をコピペして初学者にも分かりやすく
解説するようにAIにお願いすることもあります。
古いバージョンで解説をくれることもあるので、AIの回答も記事の内容も
自分の使用しているバーションに合っているか確認することが大切です。
これによって、学習のハードルがぐっと下がり、「読めない・分からない」を乗り越えやすくなりました。
忙しいときや焦っているときほど、
「とりあえずAIに聞けばいいや」 と思ってしまいがちです。
そして今も裏付けをとることをサボってしまうことがあります。
でも、そんなときに限って、せっかくの学びが無駄になってしまったり、
視野が狭くなって効率が落ちることが多いです。
少し立ち止まって休んでみたら、案外自分で解決できることも多いので、
学習に焦りは禁物だと思います。
そして、調べてきた結果は軽くメモにまとめます。
ステップ3:質問の準備を大切にする
次に大切にしているのは、
質問の機会を最大限に活かす「事前の準備」。
自分で解決できない問題が出てきたときは、先輩エンジニアや同期に質問します。
自分の調べたことに自信がなければ、共有するだけでもアドバイスがもらえたり、知識の裏付けができたりします。
ステップ2のメモを参考に
なぜその答えに辿り着いたのか自分なりに説明できるようにします。
聞く前に以下を改めて状況整理することを意識しました。
- 自分のゴールは何か?
- これまでに試したことは何か?
- 今つまずいているのはどこか?
これを整理して言語化していくうちに、自分自身の思考もクリアになり、 自分で解決できることもあるし、相手も答えやすくなると感じました。
ステップ4:ノートにまとめて“再利用可能”にする
次に大切にしているのは、
ノートに「質問」と「回答」をセットにしてまとめる。
二度と開かないノートにならないように、“すぐ活用できる形”で書く。
調べたことや質問したことをまとめます。
私はGoogleドキュメントに「質問」と「回答」をセットにしてまとめています。
クイズ形式で書く事で最初に書き出すときや復習したときに思い出す作業にもなるので、
ただ書くよりも知識が定着しやすくなった気がします。
二度と開かないノートにならないように、私は、次に同じような問題にぶつかったときに“すぐ活用できる形”で書くことを意識しています。
たとえば以下の点を意識しました。
- タイトル・見出しをシンプルに
- 1テーマ1タブで整理
- テンプレを作る
決まったドキュメントにメモすることで、
- どこに書いたか分からなくなる
- 同じ質問をする
ことも防止することができます。
そして、技術的な学習だけでなく、仕事の進め方や、周囲の人とのやり取りの中で気づいたことも、忘れないうちにその都度まとめるようにしています。
ステップ5:復習と小さなアウトプットを続けてみる
最後に大切にしているのは、
「今日学習したこと」を毎日ひとつでもいいので発信。
社内のLT会や、記事投稿などのアプトプットイベントにも挑戦してみる。
私は会社のSlackに自分専用のTimesチャンネルを作り、
「今日学習したこと」を毎日ひとつでもいいので書き込むようにしています。
この発信を続けることで――
- 間違った理解をしていたら、先輩方がやさしく教えてくれることもある
- 書いたことが“次に誰かの役に立つ”こともある
- なにより、「今日も自分は成長した」と脳に教えられる
私はアウトプットや言語化が得意なタイプではありません。
「学んだ内容に自信ないな…」と発信を迷うこともありました。
でも、思い切って発信してみると、温かい反応が返ってきて、また次の学びの種になることが多かったです。
話しやすい人に一言学びを伝えるだけでも大きな一歩だと思います。
その他にも社内のLT会や、Qiitaの記事投稿イベントにも挑戦してみました。
人前で話すのは緊張しましたが、人に伝わるように学びを整理する経験はさらに自分を成長させることも実感しました。
この学習法を続けた結果
- 最初に抱えていた漠然とした不安は、少しずつ小さくなっていきました。
質問することへのハードルも以前よりずっと下がり、自信を持って質問しようと思える機会が増えたのは、大きな変化でした。 - AIを活用して思考を整理するやり方を学んだことで、
頭の中がごちゃごちゃして、何も進まない…という時間が明らかに減りました。 - 以前は「とりあえず手を動かす」→「迷子になる」というパターンも多かったですが、今は「一旦考えてみる、整理してみる」→「実行する」という行動もできるようになってきました。
- 基本を丁寧におさえ、なぜを大切にすることで、分かった気ではなく理解できている感覚が少しずつ増えてきました。
おわりに
AIを活用することで、効率よく、学習の質を上げることができると実感しています。
自分なりの学習方法を見つけ、小さな成長実感を積み重ねることで、漠然とした不安は消えていきました。
もちろん、今でも質問するときにうまく言葉が出てこないことがあります。
それでも、「何が分からなくて、どこまで分かっているか」を整理しようと考えることで、以前よりずっと学びやすくなりました。
完璧にするのは難しいと思うので、ゆるくこのサイクルを続けていきたいと思います。
ご一読いただきありがとうございました。
「こんな学習方法もあるんだ」と、少しでも参考になれば嬉しいです。