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Djangoを使って将棋棋譜管理アプリを作る5 ~DBのデータをTemplateに渡す~

Last updated at Posted at 2020-03-11

はじめに

Djangoを使って将棋の棋譜管理アプリを作っていくなかでの備忘録、第5回です。

作業環境

今回の作業環境は以下の通りです

  • Windows 10 Pro
  • Anaconda
    • version1.7.2
    • python 3.7
      • django 2.2.5
  • git
    • version 2.25.0.windows.1
  • mysql
    • ver 8.0.15 for Win64 on x86_64

また、Djangoのディレクトリ構造は次のようになります。

- kifu_app_project/
    - kifu_app_project/
        - __init__.py
        - setting.py
        - urls.py
        - wsgi.py
    - kifu_app/
        - migrations/
        - templates/
            - index.html
        - __init__.py
        - admin.py
        - apps.py
        - models.py
        - tests.py
        - urls.py
        - views.py
    - manage.py
    - .gitignore

本稿の内容

  • DBからViewへデータを読み込み、Templateで一覧表示
  • 各データに対し、一覧画面から詳細画面へ遷移
  • View作成のための便利機能を使ってみる(generic)

一覧画面の作成

まずはDBにいくつかデータを登録しておきましょう。

そして、そのデータをViewで取り出して、Templateで表示するようにします。
ここではInformationテーブルからデータを取り出し、一覧表示します。

URLの作成

urls.pyに、新たにinformationListのURLを作成します。

kifu_app/urls.py
from django.urls import path

from . import views

app_name = 'kifu_app'

urlpatterns = [
    path('', views.index, name='index'),
    path('informationList', views.informationList, name='informationList'),  # 追加
]

Viewでデータを取り出す

views.pyを以下のように変更し、informationListメソッドを追加します。

views.py
from django.shortcuts import render
from .models import Information         # 追加(Informationテーブルを操作できるようにする)

# ~省略~

def informationList(request):
    data = Information.objects.all()
    return render(request, 'informationList.html', {'data': data})

大事なところはInformation.objects.all()です。この部分でInformationテーブルからデータを取り出しています。
ここではallメソッドによって、全てのデータを取り出しています。

他にも特定の条件に合うものを取り出したり、並び替えたりということが、適切なメソッドを選択することでできます。
下記の方がまとめてくださっているので、参考になると思います。
Django データベース操作 についてのまとめ

受け取ったデータをTemplateで表示する

次にinformationList.htmlを作成し、Viewから渡ってきたデータを取り敢えず表示して見ましょう。

informationList.html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
    <head>
        <meta charset="utf-8">
        <title>Kifu APP</title>
    </head>
    <body>
        <h3>{{ data }}</h3>
    </body>
</html>

すると画面に以下のようなものが表示されると思います。
informationList1

受け取ったデータを1つずつTemplateで表示する

次にデータをforで回して、一つずつ取り出してみましょう

informationList.html
    <body>
        {% for each_data in data %}
        <h3>{{ each_data }}</h3>
        {% endfor %}
    </body>
informationList2.png これだと、対局日時しか取り出せていないように感じます。 しかしこれは、第3回でmodels.pyのInformationクラスに\_\_str__メソッドを追加した際に、self.dateを返すようにしたからであり、実際はObjectという認識でいいと思います。

個々のカラムのデータを表示する

そこで、Object内に保持されている、個々のデータを取り出してみましょう。

個々のデータにアクセスするには、models.pyで定義したカラム変数を.演算子で繋ぎます。

informationList.html
    <body>
        {% for each_data in data %}
            <h3>{{ each_data }}</h3>
            <table border="1">
                <tr>
                    <td>{{ each_data.date }}</td>
                    <td>{{ each_data.sente }}</td>
                    <td>{{ each_data.gote }}</td>
                    <td>{{ each_data.small_class }}</td>
                </tr>
            </table>
        {% endfor %}
    </body>
informationList3.png

ちゃんと個々のデータを表示できました!

個々のデータから詳細画面に遷移できるようにする

次に、先程の一覧画面から、個々の詳細ページに遷移できるようにします。

TemplateからViewに情報を渡したい

詳細ページを作ろうとするときに、各データに対しHTMLファイルを作るのは現実的ではありません。
詳細画面のTemplateを用意しておいて、選択されたデータに応じて、表示する値を変えるのが一般的です。

その際に必要なことが、どのデータが選択されたかという情報を、Template(一覧画面)の方から、Viewに送らなくてはいけないということです。
これがないと、Viewとしては、どの詳細なデータをTemplate(詳細画面)に渡せばよいのか分かりません。

よくあるやり方としては、URLに情報をのせるというやり方です
例えばデータのIDをURLにのせることにします。すると/informationDetail/2というURLであれば、ID=2 のデータを取ってくればいい、ということがViewで判断できます。

それでは、このような機能の実装を行っていきます。

URLの作成

まずはURLを作成します。
ただ今までと違い、IDをのせる部分は固定値ではなく変動値なので、これを許容できる書き方にします。
具体的には以下の通りです。

kifu_app/urls.py
urlpatterns = [
    path('', views.index, name='index'),
    path('informationList', views.informationList, name='informationList'),
    path('informationDetail/<int:information_id>', views.informationDetail, name='informationDetail'),
]

変動値にしたい部分は<型:変数名>の形でURLを記述すればOKです。
(とっても簡単!)

一覧で選択されたIDをViewで受け取る

次に、Viewは下のようになります。

views.py
from django.shortcuts import render
from .models import Information
from django.shortcuts import get_object_or_404      # 追加

# ~省略~

def informationDetail(request, information_id):
    detail = get_object_or_404(Information, pk=information_id)
    return render(request, 'informationDetail.html', {'detail': detail})

先程のURLの設定で、変数名をinformation_idとしたので、呼び出すメソッドの引数にinformation_idを加えます。
この変数名をURLで書いたものと違うものにすると、エラーになるので注意してください。

更に新しくget_object_or_404というメソッドが出てきていますが、これは

    try:
        detail = Information.objects.get(pk=information_id)
    except Information.DoesNotExist:
        raise Http404("Information does not exist")

の働きを一行で書いたものだと認識しておけばOKです。

詳細画面のTemplateを作成

簡単に以下のようにします。

informationDetail.html
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
    <head>
        <meta charset="utf-8">
        <title>Kifu APP</title>
    </head>
    <body>
        <h3>{{ detail }}</h3>
        <table border="1">
            <tr>
                <td>{{ detail.id }}</td>
                <td>{{ detail.date }}</td>
                <td>{{ detail.sente }}</td>
                <td>{{ detail.gote }}</td>
                <td>{{ detail.result }}</td>
                <td>{{ detail.my_result }}</td>
                <td>{{ detail.small_class }}</td>
                <td>{{ detail.created_at }}</td>
                <td>{{ detail.updated_at }}</td>
            </tr>
        </table>
    </body>
</html>

Templateでリンクを作成する

最後に、informationList.htmlにリンクを作成し、informationDetail.htmlに遷移できるようにします。

リンクを作成するには、TemplateでもHTMLと同様aタグを使いますが、href属性に行き先をどのように指定するのかが問題です。
この先プロジェクトが大きくなっていくと、ディレクトリ構造が変化するかもしれません。
そのような時に、href属性を相対パスで指定していると、パスをいちいち書き直さなくてはならず、とても面倒です。

そこで、Djangoでは、パスを具体的に書かず、「URLの名前」を使って行き先を指定します。
具体的には以下の通りです。

informationList.html
<td><a href="{% url 'kifu_app:informationDetail' %}">{{ each_data.date }}</a></td>

{%%}で囲った後、urlと記述します。
続けて、urls.pyでURLを作成したときに、name属性に指定したURL名を、そのurls.pyのapp_nameと共に記述します。
つまり、「kifu_appという名前のURLConfの、informationDetailというURLのパスに従ってね」ということです。

リンクに値を渡す

更に今回はパスに値を渡したいのですが、それは次のように書きます。

informationList.html
<td><a href="{% url 'kifu_app:informationDetail' each_data.id %}">{{ each_data.date }}</a></td>

これで、指定されたURLにeach_data.idの値が渡されます!

実際に確認してみると...
informationList4.png
更にリンクをクリックしてみると...
informationDetail.png
無事うまくいきました!

ListとDetailを簡単に実装する

と、ここまでListとDetailの機能を実装してきましたが、プロジェクトを作るうえでこの機能はよく使うので、Viewの部分を簡単に実装できるようにDjangoではなっています。

詳細については、以下の方がとても分かりやすく・詳しく書いて下さっているので、参考にしてみてください。

Djangoにおけるクラスベース汎用ビューの入門と使い方サンプル

次回予告

Templateを分割する

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