はじめに
近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの進化により、企業や個人での生成AIの活用が急速に広がっています。
しかし、実際に導入を検討する際、「AWSとAzureのどちらでAIを組み込めばよいのだろうか?」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、AWS・Azureで利用できる最新AIモデルを比較し、選定のポイントを分かりやすく解説します。
最新のAIモデル事情を知りたい方の参考になれば幸いです。
各サービスの概要
AWSで利用できるAIモデル
AWSでは、Amazon BedrockやSageMaker JumpStartを通じて、さまざまな大規模言語モデル(LLM)や生成AIモデルが利用できます。
2025年4月時点で主に利用できるモデルは以下の通りです。
- AI21 Labs
- Jamba 1.5 Mini
- Jamba 1.5 Large
- Jamba-Instruct
- Jurassic-2 Mid
- Jurassic-2 Ultra
- Amazon
- Amazon Nova Micro
- Amazon Nova Lite
- Amazon Nova Pro
- Amazon Nova Premier(近日リリース予定)
- Amazon Nova Canvas(画像生成モデル)
- Amazon Nova Reel(ショート動画生成モデル)
- Amazon Nova Sonic(音声理解・生成モデル)
- Amazon Titan Text Premier
- Amazon Titan Text Express
- Amazon Titan Text Lite
- Amazon Titan Text Embeddings
- Amazon Titan Text Embeddings V2
- Amazon Titan Multimodal Embeddings
- Amazon Titan Image Generator(画像生成モデル)
- Amazon Titan Image Generator v2(画像生成モデル)
- Anthropic
- Claude 3.7 Sonnet
- Claude 3.5 Haiku
- Claude 3 Opus
- Claude 3 Haiku
- Claude 3 Sonnet
- Claude 2.1
- Claude 2.0
- Claude Instant
- Cohere
- Rerank 3.5
- Command
- Command Lite
- Embed 3 Multilingual
- Embed 3 English
- Command R
- Command R+
- DeepSeek
- DeepSeek-R1(推論特化モデル)
- Luma AI
- Ray2(動画生成モデル)
- Meta
- Llama3.2軽量テキストモデル
- Llama3.2大規模言語モデル
- Mistral AI
- Pixtral Large (25.02)マルチモーダルモデル
- Mistral Large 2 (24.07)大規模言語モデル
- Mistral Large (24.02)
- Mistral Small (24.02)
- Mistral 7B
- Mixtral 8x7B(7Bスパース混合エキスパートモデル)
- Stability AI
- Stable Diffusion 3.5 Large(画像レンダリングモデル)
- Stable Image Ultra(画像生成モデル)
- Stable Image Core
- poolside
- Malibu(ソフトウェアエンジニアリングモデル、近日リリース予定)
- Point(コード補完モデル、近日リリース予定)
- TwelveLabs
- Marengo 2.7(動画理解モデル、近日リリース予定)
- Pegasus 1.2(動画理解モデル、近日リリース予定)
これらのモデルはAPI経由で利用でき、独自のチャットボットやアプリケーションに組み込むことが可能です。
Azureで利用できるAIモデル
AzureではOpenAIと提携した「Azure OpenAI Service」を中心に、以下のような最新AIモデルが利用できます。
- GPT-4.1シリーズ
- computer-use-preview
- GPT-4.5 プレビュー
- o シリーズ モデル(推論モデル)
- GPT-4o
- GPT-4o mini
- GPT-4o オーディオ モデル(音声生成モデル)
- GPT-4 Turbo
- GPT-4
- GPT-3.5
- DALL-E(画像生成モデル)
- Whisper(汎用音声認識モデル)
- gpt-4o-transcribe(音声からテキストへの変換モデル)
- gpt-4o-mini-transcribe(音声からテキストへの変換モデル)
- tts(テキストから音声への変換モデル)
- tts-hd(テキストから音声への変換モデル)
- gpt-4o-mini-tts(テキスト読み上げモデル)
Azure AI Studioを使えば、オープンソースモデルやサードパーティモデルも活用できます。
AWS・Azureの選定ポイント
ここからは、AWS・Azureがそれぞれどのような人におすすめなのかを、ユースケースとその理由を挙げながら解説していきます。
AWSがおすすめな人・組織
ユースケース | 理由 |
---|---|
多様な生成AIモデルを試したい開発者や研究者 | Amazon Bedrockを通じて、Anthropic Claude、Meta Llama、Cohere、Stability AIなど複数のモデルをAPI経由で統一的に利用可能。 |
カスタムAIアプリを迅速に構築したいスタートアップ | Bedrockのサーバレス推論+LangChain/AWS Lambda連携で高速構築が可能。 |
独自データを用いた生成AIのファインチューニングをしたい企業 | Amazon SageMaker によるカスタム学習・チューニング基盤が整っている。 |
セキュリティとコスト効率を重視したいエンジニアチーム | モデル推論時も課金は利用ベース。VPC統合やKMS連携で高いセキュリティが確保される。 |
複数のAIベンダーのモデル性能を比較検証したい人 | Bedrockを通して、各モデルをワンクリックで切り替え可能(例:ClaudeとLlamaを比較)。 |
Azureがおすすめな人・組織
ユースケース | 理由 |
---|---|
業務ドキュメント生成やCopilot連携を重視する企業 | Azure OpenAI Service によりGPT-4やDALL·E、Whisperを企業利用向けに安全に提供。 |
Microsoft 365を使用している組織 | Word、Excel、Outlookなどに生成AI機能を統合可能。業務効率が大幅に向上。 |
社内データをもとにチャットボットを構築したい人 | Azure AI Studioを活用し、RAG(検索拡張生成)とセキュアなデータ連携が可能。 |
日本語・多言語対応の精度を重視したい組織 | GPT系モデルの品質をフルに活かし、Azureのリージョン内で運用できる(例:Japan East/West) |
ガバナンス・監査要件が厳しい企業(金融・官公庁など) | OpenAI APIよりも詳細な監視・管理・ネットワーク制御が可能。 |
AWS/Azure共通の注意点
-
アクセス権限は「最小権限の原則」で設計する
初期設定のままでは過剰な権限が付与されがちです。IAM(AWS)やRBAC(Azure)で必要最低限のアクセス権を割り当て、管理者権限の濫用を防ぐことが重要です。 -
APIキーやシークレット情報の管理に細心の注意を払う
Gitなどの公開リポジトリにシークレットが流出する事例は後を絶ちません。AWS Secrets ManagerやAzure Key Vaultなどを活用し、安全な保存とローテーションを徹底しましょう。 -
監査ログ(Audit Logs)や操作履歴を必ず記録・監視する
CloudTrail(AWS)やMicrosoft Defender for Cloud(Azure)で、誰が・いつ・何を操作したかを把握できる状態にしておくことは、事故対応や内部不正対策に不可欠です。 -
通信・保存データの暗号化を標準にする
通信経路(HTTPS)とストレージ(S3やBlob Storage)両方で暗号化を設定し、KMSやKey Vaultを使って鍵管理を一元化するのが望ましいです。 -
社内のコンプライアンスやガイドラインを整備しておく
特に生成AIの利用では、業務データや顧客情報を不用意にプロンプトへ入力してしまうリスクがあるため、「生成AIの使い方ルール」などを明文化し、全社で共有しておくことが必要です。 -
クラウドサービスの導入は“技術導入”だけではなく“運用体制構築”でもある
導入後は権限管理、予算管理、障害対応、教育など運用面での負担も無視できません。特にセキュリティ設計は初期に手を抜くと、後で大きな改修コストが発生します。
まとめ
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自由な開発や・多種多様なモデル検証したい場合にはAWSがおすすめです。
-
Microsoft系列のツールを使用し業務と統合したり、安全に使いたい場合はAzureがおすすめです。
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AWS・Azureともに機能は充実していますが、「誰が何を使えるか」「どの情報がどこで処理されるか」を明確にしなければ、思わぬ情報漏洩やセキュリティインシデントに繋がる可能性があります。
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クラウドサービスの導入時には、継続的な運用設計とガバナンス体制の構築を同時に行い、最初からセキュリティとルールをセットで設計することが必要です。
AWSやAzureでの生成AI導入に不安があるなら
AWSやAzureで生成AIを導入するのであれば、クラウドのセキュリティ設計や運用に十分な知識や高い技術力が必要となり、大きな負担となります。
また、コスト管理も両サービス複雑で見積りを行うことが難しいケースもあります。
こうした悩みをお持ちの場合は、『ナレコムAIチャットボット』の導入を検討してみては如何でしょうか?
ナレコムAIチャットボットとは
ナレコムAIチャットボットは、株式会社ナレッジコミュニケーションが開発・展開している生成AIチャットボットサービスです。
質問への解答だけでなく、画像生成やWeb検索、モデル比較やコード生成も行え、業務効率の改善やデータ分析などのDX化推進に活用することが出来ます。
加えて、導入や運用のサポート体制も万全で、お客様の負担を大きく減らすことが出来ます。
更に、AWSやAzureに搭載されている、主要な生成AIモデルに対応しており、多種多様なAIやモデルを使用することが可能です。。
ナレコムAIチャットボット対応モデル
- GPT-4.1
- GPT-4.1 mini
- GPT-4.1 nano
- GPT-4o
- GPT-4o mini
- o4 mini
- o1 mini
- Claude .7 Sonnet
- Claude 3.5 Sonnet(v2)
- Claude 3.5 Sonnet(v1)
- Claude 3.5 Haiku
- Claude 3 Haiku
- Amazon Nova Pro
- Amazon Nova Lite
- Amazon Nova Micro
- Llama 3.3 70B
- Llama 3.2 90B Instruct
- lama 3.1 405B Instruct
- 画像生成モデル
- Web検索モデル
- ファイル検索モデル
- コード生成特化モデル
- 複数モデル比較機能
また、料金体系も分かりやすく、1人当たり1000円~というお値段となっており、従来のサービスよりも見積もりも行いやすくなっています。
加えて、24時間のサポートや社内情報に特化したカスタマイズも可能であり、社内での情報管理も容易です。
詳しくは、ナレコムAIチャットボット公式HPをご覧いただき、是非問い合わせてみてください。
参考リンク