この記事は リンク情報システム の「2020新春アドベントカレンダー TechConnect!」のリレー記事です。
TechConnect! は勝手に始めるアドベントカレンダーとして、engineer.hanzomon という勝手に作ったグループによってリレーされます。
(リンク情報システムのFacebookはこちらから)
1/24(金)は@r-kanaiが担当致します
はじめに
2020年を迎えてもうすぐ一か月。(早い)
東京オリンピックの開催が決定してから、2020年を待ち遠しく思っていた人も多いのではないでしょうか。
そんな節目の年「2020年」。学校で学ぶプログラミング教育に関しても節目が訪れる話は、何年も前から耳にしていて気になっていました。
というわけで、令和の小学生・中学生・高校生がプログラミングの「何を学ぶか」「どう学ぶか」調べて簡単にまとめてみました。さらにIT企業にもたらす影響についても考えてみました。
何を学ぶか
新学習指導要領
- 学習指導要領とは、文部科学省が告示する小学校、中学校、高等学校などの各学校が各教科で教える内容の基準を定めたもの。
- 今回約10年振りに改訂。改訂された学習指導要領のことは「新学習指導要領」と呼ばれている。
- 改訂のキーワードは、「生きる力」。
- 近年スマートフォンの普及やビッグデータ・AIの活用などによる技術革新が進み、激しく社会が変化するようになった。こんな社会で生きるために必要な能力を養うことを目的とする改訂。
学習指導要領におけるプログラミング教育のポイント
『情報活用能力の育成・ICT活用』
- 情報活用能力を、言語能力と同様に「学習の基盤となる資質・能力」と位置付け
- 学校のICT環境整備とICTを活用した学習活動の充実に配慮
学習指導要領の新旧比較
過程 | 現行の学習指導要領 | 新学習指導要領 | 施行 |
---|---|---|---|
小学校 | 明記なし ※学校の判断で実施可能 |
必修化 プログラミング的思考を各教科の特性に合わせて実施。 |
2020年度~ |
中学校 | 技術・家庭科(技術分野) 「プログラムによる計測・制御」が必修 |
プログラミング教育に関する内容を充実 現行の内容に「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」を追加。 |
2021年度~ |
高等学校 | 情報科 「社会と情報」「情報の科学」の2科目からいずれか1科目を選択必履修 |
必修科目「情報I」を新設 すべての生徒がプログラミング、ネットワークやデータベースの基礎などについて学ぶ。 選択科目「情報Ⅱ」ではさらに発展的内容を学習する。 |
2022年度~ 学年進行で実施 |
どう学ぶか
今回は、どういう教材を使用して学ぶのかに焦点を当てました。
文部科学省・総務省・経済産業省が共同で運用している小学生向けのプログラミング教育ポータルに教材情報が載っており、面白そうなプログラミング教材がいろいろあったので、無料のものをいくつか紹介します。
王道【Scratch (公式)】
★MITのメディアラボが無償で公開しているビジュアルプログラミング言語。
★画面左側のブロックを中央のエリアに移動させるだけで、ネコがブロックに書かれた動作をする。
★最近スマホやタブレットでも閲覧できるようになったみたい。(スマホで見てみたら非常に見づらかったのでPC環境をおすすめします。)
★ちなみに弊社の文系向けインターンシップでも利用しています
お絵描き系【Viscuit (公式)】
★原田康徳氏によって作られたユニークなビジュアル言語。ブラウザ、Android、iOSで利用可能。
★絵を書いてめがねの枠の左側に配置。枠の右側には動かしたい方向へ位置をずらして絵を配置する。ただそれだけ。
★画像のように絵を配置すると、おさかなが右上から左下に泳ぐ。
★文字が読めなくてもプログラミング体験ができるので、未就学児~利用できる
お菓子系【GLICODE (公式)】
★お菓子のグリコが開発したポッキーを使ってプログラミング学習ができる無料アプリ。
★スマートフォンのカメラを利用して、実物のポッキーを動かして画面上のキャラクターを操作し、指令をクリアしていくゲーム。
★例えば、ポッキーを横向きに置いて黒い方を右側にすると右へ動く指示が出せる。
★お菓子でお勉強する時代がやってきたんですね
【番外編】プログラミング的思考を映像で学ぶ
テキシコー(公式)
★昨年末にNHKでやっていた番組。
★プログラミング的思考をとても分かりやすく紹介している。
★某お笑い芸人がナレーションをやっていたから、たまたま見たとか見てないとか...
プログラミング教育の必修化がIT企業にもたらすものとは...?
ビジネスチャンス
- プログラミング教育の充実・必修化により、世の中の関心(特に親御さんの関心)が高まる。
- プログラミングを学べる機会を創出することはもちろん、教える側を助ける言語やツールを生み出す所にもたくさんのビジネスチャンスが転がっていそう!
求職者の増加
- 小・中・高と学校でプログラミングをやってきた人達にとって、きっとIT業界は身近なものになるはず!
- プログラミングというものの意識的なハードルが下がると思うので、就職先の選択肢として考える人も増えるのでは。
教育費の削減(?)
- 学校教育で学ぶ内容が充実するということは、全般的にIT知識のベースアップがなされていく。
- そうすると新入社員研修の内容も、初学者向けのカリキュラムは不要となると教育にかかる費用は減るかも。
- 逆に高度な内容が研修内容が求められ教育費用は高くなる恐れもある...?
最後に
2020年はプログラミング教育にとって節目の年。今回調べてみたことで、これからの小中高生がどうプログラミングを学んでいくのかを垣間見ることができました。そしてIT企業にとって大きなビジネスチャンスだなと思いました。
新学習指導要領に則った教育を受けた世代がどういう風に社会に出ていくのかとても楽しみです。あと10年もすればプログラミングネイティブ世代が後輩として入ってくると思うとウカウカしてられない。。。
次回は1/27(月)@t_slash_kさんです