3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

【Docker+Cloud Run勉強会】2. DockerでWordPressをデプロイする

Last updated at Posted at 2022-07-20

この記事

先日Docker及びCloud Runについての勉強会を開催しました。
本記事は、その時用意した資料となります。

YouTube

目的

改めて、コンテナとは?というところから説明しつつ

  • 代表的なコンテナエンジンであるDocker
  • Google CloudのコンテナデプロイサービスであるCloud Run

について学んでもらえたらと考えています

コンテナでWordPressをデプロイしてみよう

ここからは教材として、有名なコンテンツマネージメントシステム(CMS)であるWordPressを使っていきたいと思います
WordPressはコンテンツの管理にデータベースを利用します

コンテナは基本的に「1コンテナ1サービス」とするのがベストプラクティスです

1 つのコンテナーには 1 つのサービスを割り当てるということにすれば、気にかける箇所が絞られるので、一般的にはこれが推奨されます。

ドキュメント

ですので今回は、WordPressとデータベースは別々に稼働させます

流れとしては以下の通りとなります

  1. ローカルに、WordPress用とデータベース用のコンテナをデプロイする
  2. Cloud RunでWordPressを構築する

※ 注意点
1, 2を通してDockerが、更に2ではgcloudが必要となります
ローカルに準備するのが難しい場合は、GCのコンソールからCloud Shellを起動することで実施することも可能です

ローカルに、WordPress用とデータベース用のコンテナをデプロイする

まずはローカルでWordPress、データベースの両方をデプロイし、コンテナ間通信について確認してみましょう

構成としては以下のようになります

Docker+Cloud Run-wp+db.drawio.png

  • コンテナ
    • wp : WordPressが稼働
    • db : MySQLが稼働
  • db_data (ボリューム) : データベースのデータを保存する領域
  • my_net (Dockerネットワーク) : Docker内のネットワーク
    • コンテナ間通信、コンテナ-ホスト間通信を実現

では上記の構成に基づいて、順に構築をしていきましょう

早速コンテナを、と行きたいのですが、まずはコンテナ起動時に必要となる「ボリューム」と「Dockerネットワーク」を作成します

ボリュームの作成

「コンテナの特徴 : 揮発性」で話しましたが、コンテナは破棄される時に中身をすべて失います
しかしそれではデータベースとして機能しません

そのような場合、「コンテナから参照できる、データを永続的に保存する場所」をホストに作成することで対処します
これをボリュームといいます

ボリュームはdocker volume create ${ボリューム名}で作成可能です

Dockerネットワークの作成

次にDockerネットワークを作成します

コマンドはdocker network create ${ネットワーク名}となります

※ 細かい話
Dockerネットワークにはいくつか種類がありますが、指定しなければブリッジ・ネットワークが作成されます
ブリッジ・ネットワークの特徴は

  • 同じネットワークに所属しているコンテナ同士は通信が可能
  • 仮想ブリッジを通して、ホストと通信が可能
  • コンテナ名で名前解決が可能
    • ただし、初期から存在するブリッジ・ネットワーク「bridge」では名前解決不可能(ドキュメント

データベース用のコンテナデプロイ

今回使用するMySQLコンテナは、「hello-world」同様既に存在するDockerイメージをそのままデプロイします
コマンドは以下のとおりです

docker run -d --name db --net my_net -v db_data:/var/lib/mysql --env-file .env mysql:5.7
  • -d : コンテナをバックグラウンドで実行
  • --name db : コンテナに名前を付与
  • --net my_net : コンテナが所属するネットワークを指定
  • -v db_data:/var/lib/mysql : ボリュームの割り当て
    • ${ボリューム名}:${コンテナ側のパス}
    • ちなみにホスト側のディレクトリをバインドさせることも可能
  • --env-file .env : 環境変数をファイルで指定
    • .envファイルについては後述してます
  • mysql:5.7 : Dockerイメージを指定

WordPress用のコンテナデプロイ

WordPressに関してもDockerイメージが公開されており、それをそのままデプロイしても十分起動します
が、今回はあえて一手間加えて、WordPressのプラグインを1つ事前にダウンロードしておきます

その場合、まずはオリジナルのDockerイメージを作成しておく必要があります
Dockerイメージの作成に用いるDockerfileは後述しています(既に説明したRUN命令を使ってます)

このDockerfileからDockerイメージを作成するコマンドは以下のとおりです

docker build -t my_db:test .
  • -t my_db:test : Dockerイメージのリポジトリとタグを指定する(ドキュメント
  • . : Dockerfileが存在するディレクトリを指定

※ 細かい話

  • Dockerfileのファイル名が「Dockerfile」以外の場合は、-fでファイル名を指定する必要があります
  • -tが無いとリポジトリ、タグ共にとなります
    • 一応イメージIDを指定することでコンテナの起動は可能です

Dockerイメージ「my_db:test」がこれで作成されたので、あとはコンテナをデプロイしましょう

docker run -d --name wp --net my_net -e WORDPRESS_DB_HOST=db:3306 --env-file .env -p 8000:80 my_wp:test
  • -e WORDPRESS_DB_HOST=db:3306 : このようにして環境変数を指定することも可能です
  • -p 8000:80 : ホストにおいて、localhostの8000番ポートにアクセスすると、コンテナの80番ポートに繋がります
    • 厳密には ${IPアドレス}:${ホスト側のポート}:${コンテナ側のポート}という指定になります

コマンド&各種ファイル

コマンド

# ボリューム及びネットワークの作成
~/wordpress$ docker volume create db_data
~/wordpress$ docker network create my_net

# データベース用コンテナのデプロイ
~/wordpress$ cd db
~/wordpress/db$ ls -a
.  ..  .env
~/wordpress/db$ docker run -d --name db --net my_net -v db_data:/var/lib/mysql --env-file .env mysql:5.7

# WordPress用コンテナのデプロイ
~/wordpress/db$ cd ../wp/
~/wordpress/wp$ ls -a
.  ..  .dockerignore  .env  Dockerfile
~/wordpress/wp$ docker build -t my_wp:test .
~/wordpress/wp$ docker run -d --name wp --net my_net -e WORDPRESS_DB_HOST=db:3306 --env-file .env -p 8000:80 my_wp:test

Dockerfile

FROM wordpress:latest
RUN apt-get update -y && apt-get install -y unzip
RUN curl -o /tmp/custom-post-type-ui.1.12.1.zip -L https://downloads.wordpress.org/plugin/custom-post-type-ui.1.12.1.zip \
  && unzip /tmp/custom-post-type-ui.1.12.1.zip -d /tmp/ \
  && mv /tmp/custom-post-type-ui /usr/src/wordpress/wp-content/plugins/

.env
データベース用

MYSQL_ROOT_PASSWORD=${MySQL管理者ユーザ「root」用パスワード}
MYSQL_DATABASE=wordpress
MYSQL_USER=wordpress
MYSQL_PASSWORD=${MySQLユーザ「wordpress」用パスワード}

WordPress用

WORDPRESS_DB_USER=wordpress
WORDPRESS_DB_PASSWORD=${MySQLユーザ「wordpress」用パスワード}

各環境変数

  • wordpress
    • WORDPRESS_DB_HOST : データベースのホスト名
    • WORDPRESS_DB_USER : データベースのユーザ名
    • WORDPRESS_DB_PASSWORD : 「WORDPRESS_DB_USER」で指定したユーザのパスワード
    • WORDPRESS_DB_NAME : 使用するデータベース
  • mysql
    • MYSQL_ROOT_PASSWORD : MySQL管理者ユーザ「root」用パスワード
    • MYSQL_DATABASE : 起動時点で作成するデータベース
    • MYSQL_USER : 起動時点で作成するユーザ
    • MYSQL_PASSWORD : 「MYSQL_USER」で指定したユーザのパスワード

docker execコマンド

Dockerfileの一例を紹介しましたが、いざ自分で作成しようとすると

  • ベースイメージにはどんなパッケージが入っているのか確かめたい
  • 思ったように動作せず、トラブルシューティングがしたい

などといった考えが出てくると思います

そんな時はdocker execコマンドが便利です
こちらを使うと、実行中のコンテナ内でコマンドを実行することができます

基本的には以下のように入力します

docker exec -it ${コンテナ名} ${コンテナで実行したいコマンド}

-itについてはちょっとややこしいのですが、このオプションが無いと正しく標準入力、標準出力がおこなわれなくなります
初めのうちは一旦つけるようにし、ある程度Dockerの理解が進んできたら詳しく勉強すればいいと思います

このコマンドを使うと、コンテナのシェルで作業することも可能になります

$ docker exec -it wp bash
root@7b979b065660:/var/www/html# ps x
  PID TTY      STAT   TIME COMMAND
    1 ?        Ss     0:00 apache2 -DFOREGROUND
   28 pts/0    Ss     0:00 bash
   38 pts/0    R+     0:00 ps x
root@7b979b065660:/var/www/html#

Docker Compose

先程までは都度コマンドを叩き、ボリューム、ネットワーク及びコンテナの作成を行っていました
ただ、docker runなどは必要なオプションも多く、毎回記載するのは大変です
更に作成順なども考慮しないといけません(WordPressはデータベースのあとに作成したいなど)

Docker ComposeはそのようなDocker管理を楽にしてくれるツールです

Docker Composeでは、「docker-compose.yml」ファイルを用いて構成を定義します
今回の場合は以下のようになります

version: '3'
services:
  db:
    image: mysql:5.7
    volumes:
      - db_data:/var/lib/mysql
    networks:
      - my_net
    env_file: ./db/.env
    restart: always
  wordpress:
    depends_on:
      - db
    build: ./wp/
    networks:
      - my_net
    ports:
      - "8000:80"
    environment:
      WORDPRESS_DB_HOST: db:3306
    env_file: ./wp/.env
    restart: always
volumes:
  db_data:
networks:
  my_net:
  • restart: always : コンテナ終了時、常に再起動を行う(明示的な停止は例外)

ディレクトリ構成

wordpress/
├── db
│   └── .env
├── docker-compose.yml
└── wp
    ├── .dockerignore
    ├── .env
    └── Dockerfile

上記のようなファイルを用意した上で

docker-compose up -d --build

を実行すると、先程作成したのと同じ環境が作成できます

参考

3
0
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
3
0

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?