- 積の微分と運動量保存
運動量 p は
p = m v
(質量 m × 速度 v)
もし質量 m が時間によって変化する(ロケットなど)場合、積の微分を使います:
dp/dt = d(mv)/dt
= m dv/dt + v dm/dt
• 第一項 m dv/dt:質量が一定なら通常の「力 = ma」
• 第二項 v dm/dt:燃料の噴射など「質量流」による寄与
👉 工学応用:ロケット方程式、推進工学。
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- 商の微分(例:抵抗比や活性化関数)
商の微分公式:
d/dx [u(x)/v(x)] = (u'(x)v(x) - u(x)v'(x)) / (v(x))^2
例えば活性化関数 \tanh(x) は
tanh(x) = (e^x - e^-x) / (e^x + e^-x)
これを商の微分で計算すると:
d/dx tanh(x) = 1 - tanh^2(x)
👉 工学応用:ニューラルネットワークの勾配計算(誤差逆伝播法)。
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- 合成関数の微分(チェインルール)
合成関数 y = f(g(x)) の微分は
dy/dx = f'(g(x)) * g'(x)
例:シグモイド関数
σ(x) = 1 / (1 + e^-x)
σ'(x) = σ(x)(1 - σ(x))
ここで指数関数の微分とチェインルールが効いている。
👉 工学応用:活性化関数の勾配は誤差逆伝播で必須。
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- 活性化関数応用まとめ
• 積の微分:運動量保存(mとv両方が変化)をNNの「重み×入力」に類比できる。
• 商の微分:tanh, arctan など分数形式の活性化関数。
• 合成関数の微分:シグモイドやReLU系列の活性化関数。
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- まとめ図(数式フロー)
運動量保存 → p = mv → dp/dt = m dv/dt + v dm/dt
商の微分 → tanh(x) = (e^x - e^-x)/(e^x+e^-x) → d/dx = 1 - tanh^2(x)
合成関数 → σ(x) = 1/(1+e^-x) → σ'(x) = σ(x)(1-σ(x))
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