📚 カリキュラム名:「音楽と言語話者のためのフーリエ解析入門」
🎯 対象
- 音楽家、言語学者、歌手、俳優、ナレーター、作詞家、音響技術者
- 数式が苦手でも、音・声の科学的分析に興味がある人
- フーリエ変換を「耳で感じたい・目で見たい・感覚で理解したい」人
🧭 カリキュラム構成(全7章)
第1章:耳で聴く数学 ― 音と声の“かたち”を知る
- 音は空気の波:振動数と音高
- 声と楽器の違い:音色って何?
- 波形を見る体験:声を録って、形にしてみよう
- 使用ツール:Python +
librosa.display.waveplot
第2章:波の言葉 ― サイン波と倍音の感覚
- サイン波を聴いてみる(ピュアトーン)
- ピアノの「ド」と人の「あ」:なにが違う?
- 倍音構成の聴き比べ:合成音で音色づくり
- 【演習】オルガン vs フルート vs 声
第3章:音の分解 ― フーリエ解析の入り口
- 「音を分解する」ってどういうこと?
- スペクトルを見る:どんな音がどれくらい混ざってる?
- スペクトログラム体験:自分の声の“色”を見る
- 【演習】5秒の歌声を周波数で塗り分ける
第4章:話し声と母音 ― フォルマントの秘密
- 「あ」「い」「う」の形が違う理由
- 舌と口の形で変わる共鳴周波数
- フォルマント分析で母音を分類する
- 【演習】自分と友達の「あ」の違いをスペクトルで見る
第5章:音楽の響き ― 和音とコードの周波数
- 和音とは?「ドミソ」はなぜ心地よい?
- 調和と干渉 ― 心地よさは波の重ね方
- 【演習】和音・不協和音のスペクトル比較
- ジャンルの音像:クラシック vs EDM
第6章:ノイズ、ささやき、リズムの波形
- ノイズにも“形”がある:ホワイトノイズ vs ピンクノイズ
- ささやき声と有声音の違い
- 【演習】拍・テンポ・リズムを周波数で視る
- 言語のリズム・プロソディ(抑揚・強勢)
第7章:創作と分析 ― あなたの声・音楽を“科学”する
- あなたの声はどんな音色?個性を可視化しよう
- 【発展課題】:作詞家が選ぶ母音配置と響きの関係
- 音楽ジャンル分類・話者識別への応用
- 「声のポートレート」作品制作
🎵 使用ツール一覧
- Python + Jupyter Notebook
- ライブラリ:
librosa
,matplotlib
,numpy
,IPython.display.Audio
- WAVファイル録音アプリ(スマホ・PC可)
🔑 学びのキーワード
- 音波・周波数・スペクトル・倍音・フォルマント
- 音声・母音・和音・音色・リズム・強勢
- 可視化・分析・聴覚印象と物理的構造のつながり
🧪 補足:演習素材
- ピアノ単音
- 歌唱・語り音声(性別・年齢別)
- 各ジャンル音楽(クラシック、ロック、ポップ、ヒップホップ、電子音)
📘 カリキュラム名:基本のフーリエ解析カリキュラム
🧭 対象:
- 高校〜大学初級の理系学生
- 工学・音響・画像処理・信号処理・AI・物理に関心がある人
- 数式とグラフを両方しっかり学びたい人
第1章:周期関数と波の基本
- 正弦波と余弦波:$y = A\sin(\omega t + \phi)$ の意味
- 周期、振幅、位相、角周波数の直感と式
- 実波・音波・電気信号の例
- Pythonで波形可視化(
numpy
,matplotlib
)
第2章:フーリエ級数の定義と展開式
-
フーリエ級数の定義式と変数の意味
$$
f(t) = \frac{a_0}{2} + \sum_{n=1}^\infty \left( a_n \cos(n\omega t) + b_n \sin(n\omega t) \right)
$$ -
直交性と係数計算:積分による導出
-
スクエア波・三角波・のこぎり波を展開
第3章:フーリエ係数の求め方と性質
- 偶関数・奇関数による $a_n$, $b_n$ の簡略化
- 対称性と周期性の活用
- 【演習】矩形波の係数を自力で導出してみよう
第4章:複素フーリエ級数
-
オイラーの公式と複素表示
$$
f(t) = \sum_{n=-\infty}^{\infty} c_n e^{i n \omega t}
$$ -
複素係数 $c_n$ の意味とメリット
-
実部・虚部の対応と直交性
第5章:フーリエ変換への拡張
-
周期関数 → 非周期関数への拡張(極限操作)
-
フーリエ変換の定義式:
$$
F(\omega) = \int_{-\infty}^{\infty} f(t) e^{-i\omega t} dt
$$ -
周波数領域と時間領域の関係
-
ガウス関数の自己フーリエ性の証明
第6章:離散フーリエ変換(DFT)とFFT
- DFTの定義と直感(ベクトルの回転)
- 高速フーリエ変換(FFT)のアイデア
- 音声・画像データの実装演習(
numpy.fft.fft
) - 周波数スペクトルの解釈とプロット
第7章:応用① 音声・信号処理
- ノイズ除去(ローパスフィルタ)
- 音声信号のスペクトル可視化(
librosa
) - ピッチ検出と音色判別
- スペクトログラムと母音識別の基本
🎼 カリキュラム名:音楽のためのフーリエ解析入門
🎯 対象者:
- ミュージシャン/作曲家/DTMユーザー/サウンドエンジニア
- 音響・電子音楽・AI作曲・音楽理論に興味がある人
- 数学は苦手でも、音で学ぶ数学に挑戦したい人
📚 カリキュラム全体構成(全7章)
🎵 第1章:音の波とは何か? 〜振動から音楽へ〜
- 音は振動:空気の圧力変化と波
- 周波数と音高(ピッチ)の関係
- 振幅と音量、波形と音色の違い
- 【演習】純音 vs ノコギリ波 vs 三角波を耳とグラフで比較
🎶 第2章:音を“足し算”で作る 〜倍音と合成音〜
- 基本波と倍音の構造(harmonic series)
- フーリエ級数の直感:「音はサイン波の合成」
- 和音の音色分析:「ドミソ」の中身を見てみよう
- 【演習】三角波・矩形波のフーリエ合成シミュレーション
🔊 第3章:音の中身を見る 〜スペクトルとフーリエ変換〜
- 周波数とは?時間ドメイン vs 周波数ドメイン
- フーリエ変換(FFT)の意味とPythonでの実装
- 【演習】WAVファイルをFFT → スペクトル表示
- スペクトログラムでメロディを視覚化
🗣️ 第4章:声と音楽の違い 〜母音・フォルマント・歌声〜
- 人の声の倍音構造
- フォルマントと母音の識別
- 歌声 vs 楽器音:スペクトル比較
- 【演習】歌声とピアノの「ド」の違いを可視化
🎛️ 第5章:音楽の処理と変形 〜フーリエの応用〜
- ノイズ除去(ローパス・ハイパス・バンドパス)
- ピッチ検出(基本周波数の抽出)
- 音声信号の分割と特徴抽出(MFCC)
- 【演習】自分の声のピッチ・音色変換
🎧 第6章:AIと音楽 〜ジャンル分類・自動作曲の入り口〜
- スペクトルを使ったジャンル分類(簡易実験)
- 音楽の特徴ベクトル化(MFCC, chroma, spectral centroid)
- 自動作曲・自動演奏システムの基礎アイデア
- 【演習】短いメロディから「らしさ」を分類してみよう
🎼 第7章:創作と実験 〜あなたの音を数学で描く〜
- 自分の音源(楽器・歌・作曲)をスペクトルで解析
- 【発表課題】:自分の音声or曲をフーリエ的に解釈する
- 「音の肖像」をつくろう:スペクトルアート制作
- 音楽と言語・感情・空間とのつながりを探る
💻 使用ツール:
- Python(Jupyter Notebook)
-
librosa
,numpy
,scipy
,matplotlib
,IPython.display.Audio
- 任意のWAV音源ファイル
🔑 学習キーワード:
数学的概念 | 音楽との関係性 |
---|---|
サイン波 | 音の基本波 |
周波数 | 音高(ピッチ) |
振幅 | 音量 |
スペクトル | 音色の成分 |
フーリエ変換 | 音の分解と構造分析 |
MFCC | AIでの音声処理 |
フォルマント | 母音と声質 |
🗣️ カリキュラム名:言語話者のためのフーリエ解析入門
🎯 対象:
- 音声学、言語学、発音指導、朗読、ナレーション、言語教育に関わる人
- 声の波形やスペクトル、発話のリズムを理解したい文系・言語系研究者
- 数学に苦手意識があるが、「声を科学的に知りたい」と思う方
📚 全6章構成
第1章:声とはなにか?―言葉と音のあいだにあるもの
- 声=空気の波、言葉=時間変化する音
- 基本用語:振幅・周波数・波長・時間軸と空間軸
- 実際の発話波形を表示(
librosa.display.waveplot
) - 【演習】自分の名前を録音し、波形で確認してみる
第2章:母音と子音の違い―声の構造を聞き分ける
- 有声音と無声音の違い
- 母音=共鳴、子音=気流の摩擦や破裂
- 音の高さとスペクトル構成の違い
- 【演習】「あ・い・う・え・お」の波形とスペクトルを比較
第3章:フーリエ変換とは?―“音の中身”を見てみよう
- サイン波・倍音・フーリエ級数の直感的な説明
- フーリエ変換による分解:時間→周波数
- スペクトルとは何か? 音色の視覚化
- 【演習】FFTで「こんにちは」の周波数構造を見る
第4章:フォルマントと話者の個性
- フォルマント=母音の識別に重要な周波数帯
- 第1フォルマント(F1)、第2フォルマント(F2)の意味
- 音素識別の周波数空間:F1-F2プロット
- 【演習】自分の「あ」と他人の「あ」の違いをスペクトルで可視化
第5章:言語リズムとスペクトログラム
- プロソディ(抑揚・強勢・テンポ)の定量化
- 音節ごとのエネルギー・タイミング・周波数変化
- スペクトログラムによる“見える発話”
- 【演習】早口 vs ゆっくり発話のスペクトログラム比較
第6章:音声の特徴量と言語認識への応用
- MFCC(メル周波数ケプストラム係数)って何?
- 話者識別・音声認識の仕組み
- 【発展】外国語訛り・感情・方言とスペクトルの関係
- 【課題】自分の発話の「音の指紋」を生成しよう
💻 使用ツール
- Python(Jupyter Notebook推奨)
- ライブラリ:
librosa
,matplotlib
,numpy
,IPython.display.Audio
,scipy
- 音声素材:スマホ録音、WAV音源、言語教材など
🔑 学習キーワード対照表
音声・言語概念 | フーリエ的視点 |
---|---|
発音 | 時間領域の音声波形 |
音素 | 周波数スペクトル |
母音 | フォルマント(F1, F2) |
子音 | 高周波成分・無声音の強調 |
声の個性 | スペクトルの構造と傾向 |
抑揚・テンポ | 時間周波数変動 |
音声認識 | 周波数特徴量(MFCCなど) |