電子回路設計に必須!主要計測機器まとめ
電子回路の設計や家電製品の開発には、計測機器(テスト機器)が欠かせません。
この記事では、設計・評価・トラブルシューティングの現場でよく使われる5つの主要機器について、役割や特徴を分かりやすく解説します。
理解を深めるためのおすすめ動画リンクもあわせて紹介しています。
1. 安定化電源(直流電源)
主な用途
- 回路に安定した電圧・電流を供給
- 動作テストや部品評価に使用
補足・特徴
- **単電源(GND基準)と両電源(±電源)**がある
- 高精度・低ノイズなモデル(例:菊水「PAN-Aシリーズ」)は高信頼な出力が得られる
- **電流制限機能(CCモード)**付きで誤配線時の破損も防止
2. ファンクションジェネレーター(信号発生器)
主な用途
- 正弦波、方形波、三角波などの波形を出力
- 回路の周波数応答やフィルタ特性を評価
補足・特徴
- 周波数・振幅・オフセットを自由に設定可能
- オペアンプやセンサ回路の動作チェックに便利
- 例:TEXIO FGX-295(詳細PDFあり)
3. オシロスコープ
主な用途
- 電圧の波形を時間軸で観測
- スイッチング波形やノイズ、立ち上がり時間を可視化
補足・特徴
- トリガ機能で安定した波形表示が可能
- 2ch/4chモデルで複数信号を同時表示
- アナログ波形に加えFFT表示で周波数分析も可能な機種もあり
📏 4. テスター(デジタルマルチメーター)
主な用途
- 電圧・電流・抵抗の基本的な数値測定
- 配線の導通確認やコンポーネントのチェック
補足・特徴
- 手軽で安価、必携ツール
- 導通チェック音やダイオードチェック機能など多機能
- 自動レンジ設定で初心者でも扱いやすい
📡 5. スペクトラムアナライザー
主な用途
- 信号の周波数成分を解析
- ノイズや高周波信号の干渉を視覚化
補足・特徴
- EMI(電磁妨害)や無線通信のノイズ評価に必須
- 特にスマート家電・無線モジュール搭載製品の設計では重要
- 高周波設計に関わる技術者にとって基本ツール
解説動画:スペクトラムアナライザーを使ってみよう(高周波回路初心者向け)
おすすめ学習動画まとめ
タイトル | リンク |
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【電子工作入門】安定化電源の基礎と選び方 | ▶️ 動画を見る |
ファンクションジェネレーターの使い方と応用 | ▶️ 動画を見る |
オシロスコープの基本操作と実演 | ▶️ 動画を見る |
テスターの使い方超入門 | ▶️ 動画を見る |
スペクトラムアナライザーの仕組みと操作 | ▶️ 動画を見る |
まとめ:道具を知れば設計の質が変わる!
計測機器は、電子回路や家電製品の「正確な設計」と「安全な動作」を保証するための必須ツールです。
初心者の方もまずは マルチメーターとオシロスコープ から使い始めて、徐々に他の機器にもステップアップしていきましょう。
いいですね!「オシロスコープ」を中心とした回路計測工学カリキュラムを作ることは、電気電子工学を学ぶうえで非常に実践的で役立ちます。以下に、基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラム案を提示します。
回路計測工学カリキュラム(オシロスコープ中心)
第1章:計測の基礎
- 計測とは何か?誤差と精度
- 測定器の種類と役割
- 単位と校正(V、A、Ω、Hz など)
第2章:オシロスコープの基本操作
- オシロスコープの構成(垂直軸、水平軸、トリガ)
- アナログ vs デジタルオシロスコープ
- プローブの使い方と選び方(x1/x10)
- 波形表示の基礎(振幅、周期、周波数)
第3章:オシロスコープによる信号観測
- 正弦波・方形波・三角波の観測
- ノイズを含む信号の観測と処理
- デューティ比、立ち上がり時間、パルス幅の計測
- トリガの詳細設定と安定した波形の取得
第4章:実験による測定実習
- 実験1:発振回路の出力波形観測
- 実験2:ローパスフィルタとハイパスフィルタの周波数応答
- 実験3:パルス信号と応答波形の比較
- 実験4:増幅回路の利得とひずみの観測
第5章:FFT・スペクトラム解析
- 時間領域 vs 周波数領域
- FFT機能の使い方
- 高調波成分の可視化とノイズ解析
- オーディオ信号やセンサ出力の周波数解析