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ViewModelのデータを保存/復元するにはSavedStateHandleを使う

Last updated at Posted at 2020-08-29

こうだ

saved_state_handle.gif

Developer optionsDon't keep activities を有効にしています

Androidとメモリー上のデータ

Androidはすぐメモリー上のデータが飛びます。
画面を回転したら飛ぶ、システムがアクティビティを破棄したら飛ぶ、システムがプロセスをキルったら飛ぶ。

これらはAndroidのライフサイクルのせいで、上記のタイミングでActivityやFragmentのインスタンスが都度作り直しになるためです。
そのために開発者はActivityやFragmentの onSaveInstanceState関数で飛ばしたくないデータを保存し、 onCreate 関数などで savedInstanceState からデータを復元する処理を書かなくてはいけませんでした。

ViewModelの登場

AndroidでViewModelクラスが登場して以降、開発者は様々な恩恵を受けられるようになりました。

その一つにメモリー上のデータが飛びにくくなったことがあります。
ViewModelは画面を回転させてもデータは飛びません! 自動で復元されます!
やったね!……?

ViewModelの問題

しかしViewModelといえど、システムがアクティビティを破棄した時、システムがプロセスをキルした時はやはり飛びます。No, やったね!。やってない。

結局、ViewModle内の状態も savedInstanceState に都度保存・から都度復元しなければならないのでしょうか?

SavedStateHandle

いいえ、そんなことはありません。ViewModelには SavedStateHandle という便利なものが用意されています。

SavedStateHandle はViewModel内のプロパティの保存/復元を行うためのヘルパークラスです。
SavedStateHandle の内部でプロパティの実体を保持しており、ライフサイクルを勝手に観測していい感じに保存・復元をしてくれます。

ここで例を見てみましょう。
保存/復元を行いたいのは EditText とデータバインディングされた val userTextInput: MutableLiveData<String> プロパティであるとします。
保存/復元を考えない場合、 userTextInputval userTextInput = MutableLiveData<String>("") のように宣言されていたことでしょう。
これをSavedStateHandleを使って保存/復元するには以下のように書きます。

MainFragment.kt
class MainFragment : Fragment() {
    ...

    // SavedStateHandleを使っても使わなくてもViewModelの初期化方法は同じ。
    private val viewModel: MainViewModel by viewModels()

    ...
}
MainViewModel.kt
class MainViewModel(
    // ViewModelの第1引数にSavedStateHandleを指定します
    handle: SavedStateHandle
) : ViewModel() {
    // SavedStateHandleからキー"USER_TEXT_INPUT"にひも付くMutableLiveDataを探して引っ張ってくる。
    // 存在しない場合は新しく作る(そしてSavedStateHandle内でキー"USER_TEXT_INPUT"に対してひも付け、抱えておく)。
    // 初期値は空文字。
    val userTextInput: MutableLiveData<String> = handle.getLiveData<String>("USER_TEXT_INPUT", "")

普通にMutableLiveDataのコンストラクタから宣言していたのを handle の関数から取得するようにしただけです。
これだけでシステムがアクティビティを破棄する時、システムがプロセスをキルする時はその時のuserTextInputの値を勝手に保存してくれますし、復帰する時は勝手に復元してくれます。

val userTextInput = MutableLiveData<String>("") (Simple LiveData)方式と val userTextInput: MutableLiveData<String> = handle.getLiveData<String>("USER_TEXT_INPUT", "")
(SavedStateHandle#getLiveData)方式の振る舞いを比較したのが冒頭の動画になります。
EditText に文字を入力したあとホームボタンを押してランチャー画面を表示させ、再度アプリアイコンをタップしてアプリを起動させたところ、Simple LiveDataの方は入力したデータが飛んでしまっていますが、SavedStateHandle#getLiveDataの方はきちんとデータが残っています。これは保存/復元が行われたということです。今度こそやったね!

なお、handle.getLiveData<T>(...)T になれるのは、

  • 基本型
    • Boolean
    • Short
    • Int
    • Long
    • Float
    • Double
    • String
    • Byte
    • Char
    • CharSequence
  • Parcelable
  • Array<基本型 または Parcelable>
  • Serializable
  • Binder
  • Bundle
  • Size
  • SizeF
  • ArrayList<Tになれるどれか>
  • SparseArray<Tになれるどれか>

のみです。
T がエンティティクラスの場合はParcelableを継承し実装するのがよいでしょう。

ちなみに

SavedStateHandleget という関数も持っています。
これは MutableLiveData<T> ではなく生の値(T)を返す関数です。
使う機会は多くないかもしれませんが覚えておくといいでしょう。

おわりに

Androidのライフサイクルに泣きたくなるのをこらえて頑張りましょう!

追記

続きのような立ち位置の記事を書きました。合わせてどうぞ。

Repositoryから取得したLiveDataをViewModelでキャッシュしておくには?

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