ネット上では、宣伝の為か、実際と大きく間違った内容が流されています。
特に、5ch(旧2ch)では、日商簿記2級や実用英検2級と基本情報が同等の難易度でそのくらいの価値しかないなど噂を粘着コピペ荒らしして世間的に広めている人が数人いるようです。
結論から言わせてもらえば、日商簿記2級や実用英検2級と同じ資格手当しかもらえない企業には入社しないことをお勧めします。
なぜならば、いわゆる文部科学省で後援している公的検定は簿記検定や英検に対応できる検定として、情報系にもJ検という由緒正しき検定資格があるからです。グレード的に同等の検定試験を意識的につくられている様です。ですから受験者のレベルも日商簿記や実用英検と大差ありません。にもかかわらずわざわざわざ情報処理技術者を引き合いに出す必要は無いでしょう。
「グレード的に同等」とは何かと申しますと、仮に経理関係の専門学校生が、日商簿記3級を受験する頃、情報系の専門学校生なら旧情報処理活用能力検定3級(旧J検3級)あたりを受験する頃だということです。現行では情報活用試験2級のあたりとみてよいでしょう。
日商簿記2級を受験する頃、旧J検2級か準2級のあたりを受験しているでしょう。
このように情報系資格には簿記や英語と同じようなステップアップができるように、同じように文部科学省が検定試験を設定しているということです。そしてその存在を無視して情報処理技術者試験を評価することはあまりにも横暴です。
私は高校時代からいわゆる資格マニアをやっていまして10年あまり様々な資格の勉強をしました。IT関連職に携わる方や、IT関連事業の人事の方は実際にはあまり資格の勉強をやっておられず、資格予備校や世論で流されるものをそのまま一時金や資格手当の評価として採用してしまうことが多いでしょう。しかし、残念ながらそれはやめておいた方がよいです。なぜならばネット上で流される噂や一部の企業が流す噂はたとえ資格予備校であったとしても、あてにしないことをお勧めします。というのも、大量に情報を流すことで世間的な評判を操作することを目的とした情報が多いからです。だから実際とは大きく異なるなんてことがよくあります。
また個人のレビューだからあてにならないという人がいますが、
学校や利害関係となる組織の宣伝の方があてになると考えているならやはりそれは間違いです。
なぜならば、学校や企業は利害関係があるから宣伝やキャッチコピーを作成して鼠算式に広めるのであり、一部の私情(利害関係)によった噂は基本的には誇張が入っているからです。
例えば、LECやTACなど経理関係の学校は主に、会計士をブランド化して簿記の講座を売っていて会計士や簿記の資格が世間で陳腐に扱われるのを嫌います。
そこで、簿記の資格を少し良く評価し宣伝します。
具体的には、簿記2級は宅建と同等、簿記1級はマンション管理士(以下略:マン管)と同等というような内容です。
しかし残念ながら、宅建の難易度や価値は、簿記2級ではなく簿記1級の方が近いくらいです。
マン管の難易度はそれを数倍凌ぐ程度とみて間違いありません。税理士、会計士、FP1級、中小企業診断士(診断士)のあたりが近いでしょう。
マンション管理士が、簿記1級や2級と同等なんて噂はこれっぽっちもあてにならないということです。
では何を基準に「難易度は簿記1級を数倍凌ぐ程度」言えるのかと申しますと資格歴、職歴、学歴といった受験者の経歴面と、試験自体の合格率を基準にした場合です。
もちろん、すべて事実の数値であり定量化された客観的なデータを対象にしてです。
しかし、簿記を宣伝する企業はこれらの客観的な数値を示さずに〇〇と同等、〇〇より難しいと印象操作ばかりしています。つまりあまり経験を積んでいない生徒や学生の「感情」を誘導するために事実とは異なることを宣伝しているということです。人はこれを「洗脳」と呼びます。
マンション管理士の受験者層は、宅建か管理業務主任者(以下略:管業主)のいずれかを持っている人が80%以上に上ります。また、他の不動産系資格の保持者も多く、区分所有管理士、マンション維持修繕技術者、土地家屋調査士、建築物環境衛生管理技術者、建築設備士といったいずれかの合格者もおりかなり受験者の資格歴は高いです。
マンション管理士の受験者の平均年齢は46歳。日商簿記1級の受験者は平均年齢26歳なので、20歳も上回ります。
中小企業であれば、部長や課長と係員(班員)の差くらいあるかもしれません。
また合格率だけ見ても、マンション管理士は受験者の合格率8%、志願者の合格率は4~5%で年1回実施しています。1年間に20人の応募者のうち1人しか合格しない極めて難しいというのが事実です。
逆に日商簿記検定1級はというと、80%以上が日商簿記2級か全経簿記1級のいずれかの合格者で構成されていますが日商簿記3級や全経簿記2級しか取れていないという人も少数おります。全経簿記上級がとれているケースも少ないです。また会計士や税理士が受験するケースは極わずかで多くても2%未満と言われています。受験者の合格率は10%、志願者の合格率は7%で年2回実施しています。仮に100人の応募者がいた場合、単純計算で14人前後が合格する資格ということです。
合格率と年間実施回数だけでも3倍はマンション管理士の方が受験の期間がかかりそうです。
また、実務経歴面では新人と管理職の差くらいあります。実務年数については仮に大学卒業後22歳から働き始めた場合、マンション管理士は24年、日商簿記1級は4年といったところでしょうか。6倍はマン管の方があろうかというところです。こうなってくると会計士(8年)や税理士(12年)ですら霞んで見えます。
ちなみに、実質マンション管理士の下位試験扱いの管理業務主任者、区分所有管理士、マンション維持修繕技術者なども20代後半から40代前半くらいの人が受験者のボリュームゾーンで簿記1級の受験者を圧倒しているくらいです。
ですから、いくら資格予備校がマンション管理士は簿記1級と同等とか、管理業務主任者が簿記2級と同等とかうたっても決して鵜呑みにすることはやめましょう。
また、講義時間でその資格の難易度を判断するのもやめましょう。
その理由としては、儲かる資格の講義時間は沢山確保します。育成が簡単で合格がほぼ約束される資格だからこそ、沢山の講義時間を確保するということもあります。
難関資格は受講者も少なくなり逆に資格予備校でも儲からないので、通信教材だけとか極力削減した講義時間だけで対策を行うケースが多いのです。
仮に、ナガセという資格予備校では、日商簿記2級と管理業務主任者はおよそ200時間あまりの講義時間を取りますが、合格までの期間が同じというわけではなく、日商簿記の方が人気があり受講者が多く、学校側も元を取りやすいからというのが経営戦略上の狙いです。
学校側も醜いアヒルの子は切り捨てたいという気持ちで、業務削減のために不動産系国家資格は受講させないで簿記講座の受講へと受験者を誘導したいのです。簿記の講座へと業務プロセスを一貫するために、結果的にさきにあげたとおり鼠算式に、不動産資格への悪口や過小評価が増え、簿記の贔屓が多くなるのです。また受験者が減少傾向にある昨今ではますますこの傾向が強くなっています。
情報系資格についても不動産系資格と同じような経過をたどっています。