はじめに
Mulesoft API-led connectivityとは、Mulesoftが推奨する、システムを統合するアーキテクチャの一種です。
この記事では、Mulesoft API-led connectivityと他の統合アーキテクチャを比較して、利点を紹介していきます。
伝統的な統合アーキテクチャとの比較
伝統的な統合アーキテクチャ
- Point-to-Point
- Hub and Spoke
- Enterprise Service Bus, ESB
出典:Enterprise Service Bus (ESB) and SAP
- ポイントツーポイント(Point-to-Point)統合: これは最も基本的な統合方法で、直接に一つのシステムと他のシステムを結びつけます。この方法はシンプルで理解しやすいですが、システムの数が増えるとその複雑性は指数関数的に増加します。
- ハブ・アンド・スポーク(Hub and Spoke)型統合: この方法では中心となる「ハブ」を導入し、全てのシステムをこの「ハブ」に接続します。これにより、システム間の接続数は大幅に減少しますが、この「ハブ」がボトルネックとなり、もし問題が発生すると全てのシステムに影響を及ぼす可能性があります。
- エンタープライズサービスバス(Enterprise Service Bus, ESB): これはより複雑な統合方法で、共有メッセージ伝送層を提供し、全てのシステムをこの層に接続します。ESBはシステム間の通信に公共のメッセージ形式とプロトコルを使用することを可能にし、これにより統合を大幅に簡素化します。しかし、特に大規模な企業環境では、ESBは非常に複雑で重くなる可能性があります。
MuleSoftのAPI-led connectivityアーキテクチャは、エンタープライズサービスバス(ESB)と似ている面があります。
API-led connectivityアーキテクチャ
3層構造
-
Experience API
-
Process API
-
Experience API: この層は最終的なユーザーインターフェイスやチャネル(ウェブサイト、モバイルアプリ、POSシステムなど)にデータを提供します。体験APIは特定のユーザーエクスペリエンスに最適化されたデータとサービスを提供します。つまり、この層は「データを表示」します。
-
Process API: この層はシステム層から提供されるデータを組織のビジネスプロセスに合わせて加工します。プロセスAPIは複数のシステムAPIを組み合わせて、より高度な操作を可能にします。この層はビジネスロジックを実装し、「データを整理」します。
-
System API: この層は組織内の各種システムとサービス(データベース、ERPシステム、CRMシステムなど)に直接接続します。システムAPIはこれらのシステムからデータを取得し、それを他のAPIまたはサービスがアクセスできる形式に変換します。基本的に、この層はデータを「取り出す」役割を果たします。
利点
MuleSoftのAPI-led connectivityアーキテクチャは、それは現代のデジタルビジネスの高速なペースに適応するための、より柔軟で軽量な統合アーキテクチャを提供しています。
APIの再利用、標準化、セキュリティ向上、新たなビジネスチャンスへの迅速な対応など、API-led connectivityの多くの利点を可能にします。
おわりに
最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。
Mulesoftに関する、すこし理解できましたら幸いです。気になる点があったらお知らせください。