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スクラム開発におけるプロジェクトマネジメント

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はじめに

筆者が属する組織ではウォーターフォール型の開発手法からスクラム開発へ移行することになり
それに合わせて組織再編も行われました。

これまでと異なる開発手法に試行錯誤している中で
「プロジェクトマネージャ的な人が必要(なのに、いなかったからうまくいかなかった)」
という意見が自身のチームやお隣のチームの振り返りで出たので
PMBOKを元にしたプロジェクトマネジメントの観点とスクラム開発のフレームワークの観点で
どのような役割付けになっているか、自身の思考整理も兼ねて何回かに分けて書いていきます。

整理した内容をスクラムチームの中の誰が実施するかは一旦横に置いてそれは別途書くかもしれません。

従来との比較をわかりやすくするため
この後に書く10の知識エリア/5のプロセス群のマトリクス図を埋める形でまとめていきます。

前提情報

プロジェクトマネジメント

PMBOK(R)1を元に整理していきます。
10の知識エリアと5のプロセス群ごとの活動です。

知識エリア 立ち上げ 計画 実行 監視,統制 終結
統合マネジメント プロジェクト憲章の作成 プロジェクトマネジメント計画書の作成 - プロジェクト作業の式・マネジメント
- プロジェクト知識のマネジメント
- プロジェクト作業の監視・コントロール
- 統合変更管理
プロジェクトやフェーズの終結
スコープマネジメント - スコープ・マネジメントの計画
- 要求事項の収集
- スコープの定義
- WBSの作成
スコープの妥当性確認
- スコープのコントロール
タイムマネジメント - スケジュール・マネジメントの計画
- アクティビティの定義
- アクティビティの順序設定
- アクティビティ所要期間の見積り
- スケジュールの作成
スケジュールのコントロール
コストマネジメント - コスト・マネジメントの計画
- コストの見積り
- 予算の設定
コストのコントロール
品質マネジメント 品質マネジメントの計画 品質のマネジメント 品質のコントロール
人的資源マネジメント - 資源マネジメントの計画
- アクティビティ資源の見積り
- 資源の獲得
- チームの育成
- チームのマネジメント
資源のコントロール
コミュニケーションマネジメント コミュニケーション・マネジメントの計画 コミュニケーションのマネジメント コミュニケーションの監視
リスクマネジメント - リスク・マネジメントの計画
- リスクの特定
- リスクの定性的分析
- リスクの定量的分析
- リスク対応の計画
リスク対応策の実行 リスクの監視
調達マネジメント 調達マネジメントの計画 調達の実行 調達のコントロール
ステークホルダーマネジメント ステークホルダーの特定 ステークホルダー・エンゲージメントの計画 ステークホルダー・エンゲージメントのマネジメント ステークホルダー・エンゲージメントの監視
※PMBOKガイド第6版 日本語版から引用

スクラムフレームワーク

スクラムガイドに記載されている4つの公式イベントです。
3つの柱や5つの価値基準、3つのロールに関しては必要に応じて触れていきます。

スプリントプランニング

スプリントの作業を計画するためのスクラムチームの共同作業であり
スプリントの期間が1ヶ月の場合、タイムボックスは最大で8時間。スプリントの期間が短ければタイムボックスも短くすることが多い。
2つのトピックに答え、アウトプットとして次のスプリントのためのスプリントバックログが創出される。

デイリースクラム

開発チームのための15分間のタイムボックスで毎日、同じ時間・場所で開催するイベント。
開発チームは前回のデイリースクラムから行った作業の検査と今後のスプリント作業の予想をすることで次の24時間の作業を計画する。

スプリントレビュー

スプリントの終了時にインクリメントの検査と、必要であればプロダクトバックログの適応を行うためのイベント。
スクラムチームとステークホルダーがスプリントの成果をレビューする。そして、スプリントの成果とプロダクトバックログの変更を参考にして、価値を最適化するために次に何ができるかを参加者全員で話し合う。
スプリントレビューはインクリメントを提示することで、フィードバックや協力を引き出すことを目的とする。

スプリントレトロスペクティブ

スプリントレトロスペクティブは、スクラムチームの検査と次のスプリントの改善計画を作成する機会である。
スプリントレトロスペクティブには、以下の目的がある。

  • 人・関係・プロセス・ツールの観点から今回のスプリントを検査する。
  • うまくいった項目や今後の改善が必要な項目を特定・整理する。
  • スクラムチームの作業の改善実施計画を作成する。

本題

本記事ではまずスプリントプランニングのイベントがプロジェクトマネジメントにおけるどういった役割、要素を持つかを書いていきます。
前述の通りスプリントプランニングのアウトプットは次のスプリントのためのスプリントバックログです。

スプリントプランニング Topic1

スプリントで何ができるか?という質問に答えます。
これにより、スプリントゴールが設定されプロダクトバックログから選択するアイテムが決まります。
次のスプリント完了までのスコープが決定することになるため、知識エリアとしてはスコープマネジメント
の要素がまず含まれていきます。

スプリントプランニング Topic2

**選択した作業(アイテム)をどのように成し遂げるか?**という質問に答えます。
ここでは必要なシステムと作業を設計します。

作業設計の中ではタスク分解が行われます。ワークパッケージ毎にタスク分解をするのでWBSと近しいかもしれません。
作業単位は1日以下にすることが多いとありそれ以上の記述はありませんが
分解したタスクに対して時間見積を行うことが多いと思います。
作業設計を行うことで必要作業の時間と期間が導出され、スプリント内のベースラインとなるスケジュール2が出ます。
選択した作業の所要時間と期間の見積が出るということは、次のスプリントに限定したコストマネジメント,タイムマネジメントの要素を含むということになります。

属するプロセス群

プランニングの名の通り計画プロセスの活動になるでしょうか。
スプリントの単位で言うとそうですが、プロジェクト全体の視点で見ると他も含まれるかもしれません。
これについては見解やご意見があればコメント等いただけると幸いです。

まとめ

知識エリア 立ち上げ 計画 実行 監視,統制 終結
統合
スコープ スプリントプランニング(topic1)
タイム スプリントプランニング(topic2)
コスト スプリントプランニング(topic2)
品質
人的資源
コミュニケーション
リスク
調達
ステークホルダー

ここまでに書いたスプリントプランニングのイベントが持つプロジェクトマネジメントとしての役割を当てはめるとこのような形になりました。
その他の計画プロセスはどのように行っていくんでしょうか。それらは次回以降の記事で少しずつ明らかにしていければと思います。

最後に

2019年の個人的目標として月に1件は記事投稿していこう、ということで始めましたが
誤って認識してたり理解不足があれば随時加筆修正を行っていきます。

1月分の投稿が滑り込みで間に合ってよかった…。

  1. PMBOKガイド第6版(日本語)を参考

  2. 確定したものではなくあくまでベースライン

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