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テクニカルライティングについて真面目に考える 1/n

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はじめに

このエントリでは、テクニカルライティングの文章について考えた結果をまとめる。

テクニカルライティングに求められる文章とはなにか

テクニカルライティングの目的に照らすと、「対象となる読者がスラスラ読めて、誤解の少ないドキュメント」が求められていると言える。では、それは具体的にどのようなものであろうか。
さっき読んだ本の論理的否定をとるとテクニカルライティングの性質の一つを明らかにできると感じたので、付け焼き刃で文章にまとめた。

文学的な技巧のない文章

よく、「テクニカルライティングに文学的な技巧は不要」と言われる。では具体的に「文学的な技巧」とは何であろうか。
たまたま読んでいた、三宅香帆さんの入門向け読書術の本にその答えが載っていた。曰く、「わたしたちは普通なら切り捨ててしまうような細部を執拗に書くことに対して「文学」を感じる生き物」である、と。でも、こうも言っている。「小説はぜんぶを書かない」ので、読者は「「なんでこれを書いた・あるいは書かなかったのか?」に気をつけて察する」必要がある、と。なんか矛盾してないか?
無理くり図に整理すると、次のようになる。

Untitled.png

この「三宅文学はさみうちの定理」(私が今名付けた)を性悪に解釈すると、文学というのはどうも読者に対して不親切に振る舞い、十分な情報量を与えないか、ページ数を必要以上に増やすことらしい。
なので、「文学的な技巧のない文章」とは、必要十分な文章量で書く、ということである。こう考えると、テクニカルライティングの許容範囲は狭い。
さらに三宅さんは次のようなことも言っている。
「よい文学作品の文章を丁寧に読んでいくと、本当に、書かれてある言葉にはぜんぶ意味があるのだ」と。
我々はいま、文学の論理的否定を取ろうとしているので、テクニカルライティングでは「丁寧に読まなくても書かれてある言葉には全部意味がある」文章を作る必要がある、といえるだろう。

テクニカルライティングとは必要十分な分量で、丁寧に読まなくても書かれている言葉全部に意味をもっている文章を書くことなのだ。

参考文献

三宅香帆(2020), (読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法, 笠間書院

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