2024/08/28 追記
Arduino for Visual Studio Code が Deprecated となりました。
開発元である Microsoft によると Arduino IDE の使用を推奨しています。
VS Code Arduino Extension Deprecation - Issues #1757
この記事でご紹介する方法では Arduino IDE のインストールは不要です。
Arduino IDE を VS Code で扱いたいmacユーザの方のために僕の試行錯誤を共有します。Arduino for Visual Studio Code の開発が若干下火になっているようで情報も少なく苦労しました。ごちゃごちゃと訳の分からない setting.json を書いたりしなくて済むように、なるべくシンプルな方法に辿り着けたと思います。以下に該当する方はぜひご活用ください。
対象読者
- MacでArduino開発を行う方
- 「Arduino IDE を使いたくない!」という方
- ↑ なんならインストールもしたくない方
- シンプルな環境構築じゃないと納得できない方
流れ
- Visual Studio Code をインストールする(省略)
- arduino-cli をインストールする
- 拡張機能 Arduino for Visual Studio Code をインストールする
- 設定ファイル
setting.json
をただしく記述する
このような手順で進めていきます。シンプルですよね?
VS Code のインストールについてはこの記事では省略します。
執筆当時の筆者の環境
- MacBook Pro (2023)
- macOS Sonoma 14.5
- Visual Studio Code 1.90.1
- Homebrew 4.3.5
- arduino-cli 1.0.0
- Arduino for Visual Studio Code v0.6.0 (Preview)
arduino-cli をインストールする
arduino-cli とは、Arduino IDE の中核となる機能をコマンドラインツールとして公式に提供されているものです。
コンパイルを行う Verify やボードに書き込む Upload はもちろん、Arduinoがもつ主要な機能をターミナルから実行できるようになります。後に紹介するVS Codeの拡張機能 Arduino for Visual Studio Code は arduino-cli を用いて Arduino IDE のような機能を実現しています。
arduino-cli は Homebrew からインストールできますし、公式サイトからダウンロードすることでも入手可能です。
$ brew install arduino-cli
Homebrew の場合は必要ありませんが、バイナリをダウンロードした場合はPATHを通す必要があります。
いずれの場合も以下のコマンドを実行して、以下のように出力されれば成功です。
$ arduino-cli version
arduino-cli Version: 1.0.0 Commit: 05c9852a Date: 2024-06-12T12:11:23Z
Arduino for Visual Studio Code
Arduino for Visual Studio Code という名称は正式なものではありません。この拡張機能の名称は単に Arduino です。本稿では混同を防ぐため便宜上 Arduino for Visual Studio Code と呼称しています。
Microsoft 謹製の拡張機能です。
「インストール」を押した後、念の為 VSCode を再起動しておきましょう。
VS Code の設定ファイルである setting.json に以下の内容を追記します。
{
"arduino.useArduinoCli": true,
"arduino.path": "/opt/homebrew/bin",
"arduino.commandPath": "arduino-cli"
}
setting.json は次の方法で ⌘ + ⇧ + P (Cmd + Shift + P) でコマンドパレットを開き、>setting.json
と入力することで簡単に開くことができます。jsonのトップ階層に先ほどの設定を追記します。(あくまで 追記です!上書きしてはいけません!)
追記できたら ⌘ + S (Cmd + S) で上書き保存します。
"arduino.path": "/opt/homebrew/bin"
は、arduino-cli を Homebrew でインストールした僕の環境の例です。バイナリをダウンロードした方は通したPATHをそのまま書いてください。よく分からなくなったら echo $PATH
などで環境変数を確認してみてください。
実行してみる
Arduino プロジェクトは プロジェクト名のフォルダ内に プロジェクト名.ino を配置した形をとります。Hello
というプロジェクトを作る場合、以下のようになります
Hello/
└ Hello.ino
.ino ファイルを作成できたら次のような簡単なLチカプログラムを書いて実行してみましょう。
void setup()
{
pinMode(13, OUTPUT);
}
void loop()
{
digitalWrite(13, HIGH);
delay(1000);
digitalWrite(13, LOW);
delay(1000);
}
実行の前に VSCode 画面下部のこちらの2項目をただしく設定してください。
左から Board Type, Serial Port の項目です。
Board Type は Arduino UNO
とかですね。Serial Port は /dev/tty.usbserial-***
みたいな値をとりました。
実行には画面右上部の Upload を押します!
[Done] Uploading sketch 'Hello/Hello.ino'
あとがき
以上です!
実行まで上手くいけば、後はのんびり arduino-snippets などの拡張機能を追加して自分に合った作業環境を作っていくだけです!
快適なArduinoライフを楽しみましょう!