zk-nymsとは?
zk-nymsは、不要な個人情報を流出させることなく、サービスに対する支払いや利用を可能にする暗号化システムです。これはNym mixnetにとって重要なマイルストーンであり、以下のVPNの例は、その理由を説明しています。
VPNのプライバシー問題
VPNはプライバシーツールの中でも特に広く利用されています。多くの方は、VPNサービスの利用のためにクレジットカードで決済していますが、これによりVPNプロバイダーはユーザーのカード情報、名前、住所などを把握しています。さらに、VPNプロバイダーは、利用者がアクセスするすべてのウェブサイトの情報を知ることができます。
つまり、VPNプロバイダーは、ユーザーの身元と閲覧履歴を把握しており、特に無料VPNでは、サードパーティトラッカーを使ってデータを収集し、それを他者に販売するものも存在します。
zk-nymsが解決する問題
この問題を解決するために、zk-nymsが登場しました。zk-nymsの最初のユースケースは、Nym mixnetの帯域認証情報(bandwidth credentials)です。これにより、ユーザーはプライバシーを守りながら、mixnetを利用する権利があることを証明できます。
私たちは、ユーザーの支払詳細、名前、取引番号、その他の個人情報を必要としていません。重要なのは、mixnetの利用に必要な正しい認証情報を持っているかどうかだけです。
zk-nymsの機能と特徴
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暗号技術
zk-nymsは、ゼロ知識証明、ブラインド署名、コミットメントスキームといった暗号技術を駆使しています。これにより、ユーザーは個人情報を明かすことなく、mixnetを安全に利用できます。 -
分散型
認証情報の発行には分散型のバリデータセットを使用しており、単一の中央集権的な権威に依存しません。 -
リンク不可
認証情報の発行者がサービス提供者と結託しても、ユーザーの個人情報を特定することはできません。 -
選択的な情報開示
必要な時に必要な情報だけを開示することができる、選択的情報開示の仕組みを提供しています。
zk-nymsの次なる展開
帯域認証情報は、zk-nymsの最初のユースケースにすぎません。今後は、プライバシーを保護するKYC、プライベートペイメント、アクセスコントロール、年齢認証、シングルサインオンなど、さまざまなユースケースに対応していく予定です。
zk-nymsは、デジタル社会において不必要な個人情報を第三者に漏らすことなく、安心してサービスを利用できる未来を実現します。
参考リンク
- Nym公式サイト
- Nymのミキシングネットワーク - Wikipedia
- Nymホワイトペーパー
- 分散型VPN と中央集権型VPN:違いの全て
- ミックスネットとは何か? VPNによる比類なきオンラインプライバシー
- Sphinx暗号-Nymを支える匿名データフォーマット
- ココナッツ認証(Coconut Credentials)とは?- プライバシーを保護するゼロ知識証明技術