はじめに
「VSCode で環境構築して!」
「仮想環境で Jupyter Notebook 使えるようにしといて!」
「Jupyter のパッケージ入れるだけだよ」
などなど、プログラミングを始めようとするとこんなことを言われがちです。Qiita を調べて Terminal やコマンドプロンプトを叩き、Hello world を打ってみたら一応出力された。出力されたのだからいいだろうと、よく理解しないままスルーしてしまったことは初学者あるあるでしょう。
特に Mac ユーザーは絶妙に参考になる記事が見つからず、モヤモヤしたのではないでしょうか。
ということで、この記事では Mac OS における VSCode での Jupyter の仮想環境での環境構築について、基本的なことを再度押さえなおしていこきます。
そもそも「仮想環境」って?
仮想環境(virtual environment) とは、Pythonのプログラムやプロジェクトごとに、個別にライブラリをインストールできる独立した環境のことです。Pythonはさまざまなプロジェクトで使われますが、仮想環境を使うことで、プロジェクト間のパッケージや依存関係の競合を避けることができます。
これでわかるなら十分ですが、そうでない人のために噛み砕いて説明しておきます。
ライブラリとは?
ライブラリも多くの人は用いたことがあると思いますが、Numpy, matplotlib といったあれです。
import [ライブラリ名]
で、プログラムファイルの頭で読み込んでいるものたちです。そしてライブラリは標準ライブラリと外部ライブラリに分けられます。
標準ライブラリ | 外部ライブラリ |
---|---|
Python に元から搭載 | 必要に応じてインストールする必要がある |
import [ライブラリ名] | Terminal でのインストールが必要 |
math, sys など | matplotlib, numpy など |
外部ライブラリのインストールの際に Terminal で使うコマンドが、
pip install [ライブラリ名]
もしくは
python -m install [ライブラリ名]
です。
この二つは Python のインストールの仕方によって下を使わないとうまくいかない場合があるのですが、基本的には上で問題ありません。
下をやってもうまくいかない時は、Python がインストールされていないなどの根本的な問題があると思われます。
それでは、pip でインストールしたライブラリはどこに保存されるのでしょうか?
ここに仮想環境を使う理由が出てきます。
仮想環境の役割
まず先ほどの質問の答えですが、ライブラリのインストール先を仮想環境に指定することが可能です。つまり、プロジェクトごとに仮想環境を作成することによって、ライブラリ等のインストール先を分けることが可能になります。
仮想環境のメリット
プロジェクトごとに必要なライブラリをインストールして管理することができるので、ライブラリのバージョン管理も簡単になります。
これによって、あるライブラリのver. 1.1 と ver. 2.1 を使い分けるといったことができるようになります。
一方で仮想環境を作成しない場合、ライブラリのインストール先は Global 環境となります。全てのライブラリを Global 環境に入れてしまうと、過去にどのライブラリをインストールしたのかの確認が面倒になってしまします。
仮想環境の構築
それでは仮想環境の構築を VSCode 上で行っていきましょう。今回は仮想環境を構築し、Python での開発によく用いられる Jupyter ライブラリをインストールしていきます。
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まず適当な作業用フォルダを用意します。今回はデスクトップ上に VSCode というフォルダを作成し、その中に venv という作業用フォルダを作成しました。
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VSCode で ターミナル > 新しいターミナル を選択し、ターミナルを開きます。
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ターミナルで以下のコマンドをうち、作成した作業用フォルダに移動します。
作業用フォルダへの移動cd /Users/[User name]/Desktop/VScode/venv
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引き続き VSCode 内のターミナルで以下のコマンドを実行し、仮想環境を作成します。今回は jupyter という名前の仮想環境を構築します。
仮想環境の構築Python -m venv jupyter
これで仮想環境が構築されました!
仮想環境のアクティベート
以下のコマンドをターミナルで実行します。
. jupyter/bin/activate
このコマンドは Mac 及び Linux 用になり、Windows の場合は異なります。これを実行すると仮想環境に入ることができ、ターミナルにおいて先頭に
(jupyter) [コマンド]
と仮想環境名が記載されます。
モジュールやライブラリのインポート
この状態でpip install をすればモジュールなどをインポートすることができます。そして、モジュールのインポート先が構築した仮想環境になっているかは、
pip list
と実行することで確認できます。インポート先が仮想環境に指定できていれば、構築したばかりの仮想環境にはまだ何もモジュールは入っていません。
Package Version
---------- -------
pip 22.0.4
setuptools 58.1.0
このように基本的なパッケージのみが表示されます。
最後に
自分のメモがてら記事にしました。何かご指摘や改善点があれば教えていただけると幸いです。