はじめに
Julia とは、科学計算や数値計算、データ解析などの用途に特化したプログラミング言語です。Julia の特徴的な点としては、C言語に匹敵する計算性能を持ちながら、Python のように書きやすい点(例えば、変数の型を逐一宣言する必要がないなど)が挙げられます
Github を漁っていた際に、この Julia を用いた数値流体力学のソースコードを発見しました。ただ、Julia はまだ **比較的新しいプログラミング言語 ** であり、これを実行するための環境設定についてまとめられているものが見つかりませんでした。そこで今回の記事では、Julia のインストールから実行まで の流れをまとめておきます。
Julia のインストール
Julia のインストールは非常に簡単です。Juliaの公式ページから各自の OS に合わせたものをダウンロードしてください。私は M3 mac を使用しているため、
Julia の起動
Finder の Application に Julia-1.10 がダウンロードされているため、これを起動することで Julia が起動し、Julia の REPL(Read-Eval-Print-Loop)が開きます。
REPL とは Julia との 対話型環境 であり、Julia のコードを入力すると、それに対して結果が表示されます。REPL では直接コードを書き込むだけではなく、ソースコードをインポートして実行させることも可能です。その手法について、続いて説明していきます。
Julia で記述したソースコードのREPLでの実行
REPL で Julia のソースコードファイル(拡張子は .jl )を実行するのは、REPL で
include("⚪️⚪️.jl")
というコマンドを入力するだけで実行が可能です。ただ、今回これを実行したところディレクトリが誤っていたため以下のエラーが出ました。
ERROR: SystemError: opening file "/Users/[ユーザー名]/main.jl": No such file or directory
ということでファイルの実行のコマンドをファイルパスを含んだ形に書き換えて実行しました。例えば、デスクトップに実行ファイルを保存した際には以下のようになります。
include("⚪/Users/[ユーザー名]/Desktop/⚪️⚪️.jl")
基本的にはこのようにしてソースコードを実行します。ただ、実行したファイル内で用いられているパッケージをインストールしていないため、これではまだファイルの実行はうまくいきません。次節で Julia におけるパッケージとその使用方法について説明します。
Julia とパッケージについて
Julia において、標準ライブラリに含まれない機能を用いるために パッケージ というものを導入する必要があります。パッケージの管理はパッケージマネージャーである Pkg を用いて行います。
このことを知らずに先ほどのファイルを実行しようとしたところ、以下のようなエラーが。
LoadError: ArgumentError: Package Plots not found in current path.
- Run `import Pkg; Pkg.add("Plots")` to install the Plots package.
簡単に言えば、先ほどのファイルを実行するには Plots というパッケージが必要であるとのこと。調べてみたところ、Plots は Julia で データの可視化 を行う際に用いられる基本的なパッケージでした。
ということで、エラーの指示に従って以下を実行してみます。
import Pkg; Pkg.add("Plots")
これを実行すると、無事に Plots パッケージがインストールされました。パッケージのインストールが完了した上で、先ほどと同様にファイルの実行のコマンドを入力すると、無事ファイルが実行されます。
まとめ
julia の本当に基礎的な部分に絞って Julia の使用方法についての説明を行いました。ファイルの実行の方法はREPLを使用しない方法などもありますので、今回は Julia の特徴でもある REPL を用いた方法を説明しました。この記事がどなたかの助けになったらと思います。