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プロダクトオーナーと忘年会の幹事を重ねてみる。

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はじめに

すっかり忘年会シーズンになってしまいました。

ところで、(だいぶ強引ですが)忘年会の幹事とプロダクトオーナーって、実は役割が似ているんです。


ある年の忘年会の話

登場人物は、幹事・店長・料理人たち・参加者たち です。

とある年の12月、たくさんのお客様や上司・同僚をよんで忘年会を行うことになりました。

幹事は忘年会の成功を、誰よりも望んでいました。

幹事には、信頼できるお店の店長料理人たちがいました。

お客様や上司・同僚が、忘年会の参加者たちです。

幹事は、幹事の思い込みだけで忘年会の料理を考えるのは、幹事として失格だと考えていました。

そのため、参加者たちはどんな料理を好むのかを、自分の足を使って日々情報収集していました。

参加者たちは概ね協力的でしたが、お客様の中には幹事にとって苦手な人もいましたし、予算を握っている上司たちの中には面倒な事を言ってくる人もいました。また、意外なことに同僚たちの中には忙しくて幹事に取り合ってくれない人もいました。

しかし、みんなに楽しんでもらえるような忘年会にするため、幹事はあの手この手で参加者たちから情報を引き出しました。

例えば流行りのキーワードを会話の中に散りばめて、参加者の気を引きました。

幹事の献身的なまでの活動の結果、忘年会に協力的でなかった参加者も、しだいに幹事の話に耳を傾けるようになりました。

こうして幹事のもとには、参加者たちの忘年会に期待する料理についてのたくさんの情報が集まりました。

幹事は情報を整理して、忘年会を実現するために必要な料理のリストを作成しました。

だいぶ達成感を味わった幹事でしたが、それもつかの間、幹事は絶望します。

残念ながらすべての料理のレシピを作成することは、絶対にできないことに気がついたのです。

忘年会に必要な料理のレシピはこれから料理人たちに作ってもらいます。

忘年会の予算や忘年会当日までの日数を考慮すると、絶対にすべてを作るのは無理です。

でも当日までに少しでも多くのレシピを作りたい。

そこで幹事はリストにある一つ一つの料理に優先順位を付けることにしました。

優先順位をつけることができない料理もありましたが、そんな時、幹事はまた情報収集へと旅立ちます。

そんなことを繰り返して、料理についてのリストは日々洗練されていきました。

そして、いよいよ優先順位が最も高い料理からレシピを作っていくことになりました。

実現するのは、幹事が信頼するお店の料理人たちです。

幹事は料理の内容を料理人たちに、簡潔かつ的確に伝えます。

幹事は料理人ではないので、料理を作る方法などは、もちろん気にしません。

どんな料理がほしいかは伝えますが、どんな方法で実現するかについては、口を出しませんでした。

料理人たちを信頼しているからに他なりません。

しかし、ときに幹事の説明がいまいちだと、料理人たちは料理を作れないと言いました。

幹事は、料理人たちは理解力が無い、と嘆きました。

料理人たちは、幹事の説明がイケてない、と嘆きました。

そんな時はお店の店長が、うまいことまとめてくれました。

幹事と料理人たちをつないでくれる頼もしい存在、それが店長でした。

店長がいるおかげで、幹事は情報収集と予算について頭を悩ませることができますし、料理人たちは安心して料理に磨きをかけることができました。

店長の言うことなら聞いてみようかな、不思議とそんな風に思えました。

店長は、さながらスポーツのチーム監督のようでした。

料理人たちは優先順位の高い順から料理のレシピを、1週間に数品づつ完成させていきました。

最初の頃は幹事としては受け入れられない結果もありましたが、1週間ごとに料理人たちは腕を上げていきました。

料理人たちはしだいに1週間で完成させることができるレシピを、料理人たち自身で正確に見積もることができるようになっていました。

忘年会当日、料理人たちはこの日のために用意してきたレシピを忠実に守り料理を作りました。

ほとんどの料理が好評でしたが、ある料理には参加者たちから千差万別の反応がありました。

料理人たちはなぜかと考え、来る新年会に向けて改善したレシピの作成に取りかかりました。

幹事もまた新年会に向けた情報収集を行うべく、席を離れ参加者たちの間を走り回ることにしました。


プロダクトオーナーにとって大事なこと

この幹事がやっていること、実はプロダクトオーナーの仕事と同じ気がするのです。

プロダクトオーナーとしてやらなければならない事はたくさんありますが、幹事が店長と料理人たちを信じて情報収集と予算について頭を悩ませていたように、プロダクトオーナーはスクラムマスターとチームを信じ、情報収集に全力を尽し、コストをコントロールすることに注意を払わなければなりません。

プロダクトオーナーにとって大事なことは、実はそのあたりではないかと考えています。

スクラムマスターとチームを信じること、情報収集、コストコントロール。

プロダクトオーナーとしてどのように振る舞うべきか迷った時、私は忘年会の幹事を見習い、そこに立ち返り考えるようにしています。


まとめ

プロダクトオーナーと忘年会の幹事はいろいろ重なるところがある。


書籍など

最後に、最近ずっと読み返しているスクラムについての書籍があるので紹介したいと思います。(とはいえ、とてつもなく有名なのものです。でも知らない方もいると思うので。)

Roman Pichler氏の「 スクラムを活用したアジャイルなプロダクト管理 」です。

スクラムについては、素晴らしいと感じるものから明らかにエンターテイメントと感じるものまで、数多くの書籍があります。

どの書籍が良いかは人それぞれですが、この書籍は私の知っている誰もが絶賛しています。

まさにクラシックな一冊です。

何度も手にとって読みたくなりますし、なんといっても プロダクトオーナーとしてどのように動くべきか を明確に教えてくれる内容です。

また、この本の翻訳をされた江端 一将さんの認定スクラムマスター研修では、プロダクトオーナーの「姿勢」を叩き込まれるのでこちらも非常にオススメです。