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Stage 1 Float16Array (with ponyfill)

Last updated at Posted at 2017-06-26

イントロダクション

半精度浮動小数点数について

IEEE754 で半精度浮動小数点数 Half-precision floating-point format(以下 float16 と表記します)として 16bit の浮動小数点数が定義されています。主に機械学習やコンピュータグラフィックスにおいて、GPU との通信やメモリのコスト削減を目的に用いられています。

JavaScript における扱い

WebGL では "OES_texture_half_float", "OES_texture_half_float_linear", "EXT_color_buffer_half_float" の拡張を用いることで float16 を扱うことができます。また WebGL 2.0 ではデフォルトで扱えます。

しかし残念なことに現状 JavaScript では float16 を扱える TypedArrayDataView のメソッドは存在しません。つまり Fetch API などで直接バイナリを取得し、そのまま WebGL に渡すといったことは出来ますが、float16 の値を JavaScript で動的に変更したいときに number(64bit float)型との変換を自前で用意しなければなりません。

パッケージの紹介

というわけで float16 を扱えるパッケージを公開しました。

使い方

README.md を読んでいただけるとわかると思いますが、Float16Array の他にも getFloat16, setFloat16, hfround が用意されています。基本的に ECMAScript の TypedArray, DataView, Math.fround と同じように使えると思います。

Float16Array の実装を見てもらえるとわかると思いますが、Proxy でラップされています。よって IE 11 では動きません。また WebGL にバイナリを渡す時に ArrayBufferUint16Array として渡す必要があります。

例えば "OES_texture_half_float" を用いて Float16Array のバッファを渡したい場合、以下のように Uint16Array でラップしなければなりません。

const ext = gl.getExtension("OES_texture_half_float");

const texture = gl.createTexture();
gl.bindTexture(gl.TEXTURE_2D, texture);

gl.texImage2D(gl.TEXTURE_2D, 0, gl.RGBA, width, height, 0, gl.RGBA, ext.HALF_FLOAT_OES, new Uint16Array(image.buffer));

Stage 1

喜ばしいことに ES Discuss の該当のトピックにこのパッケージの周知を図ったところ、TC39 May 23, 2017 Meeting にて取り上げていただき、Stage 1 入りを果たしました。

今後の展望としてはこのミーティングで挙げられた問題点や疑問点の解消、float16 が本当に JavaScript に必要なのかといった点で議論がなされると思いますので、もしよろしければフィードバックをいただければ幸いです。

参考

実装に用いたアルゴリズム

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