SPF(Sender Policy Framework)とは?
SPFは、電子メールの送信元を検証するための仕組みです。簡単に言えば、「このドメインからのメールは、これらのサーバーから送信されます」という宣言をDNSレコードに記載することで、なりすましメールやスパムメールを防ぐ技術です。
なぜSPF設定が重要なのか?
- なりすましメールの防止:自社ドメインを騙ったメールの送信を防ぎます。
- メールの信頼性向上:受信側がメールの正当性を確認できるようになります。
- メール到達率の向上:SPF設定により、正規のメールがスパムフィルターに引っかかりにくくなります。
SPF設定の基本
SPF設定は、DNSのTXTレコードに特定の形式で記述します。基本的な形式は以下の通りです:
v=spf1 [メカニズム] [修飾子] -all
主なメカニズム
- a:ドメインのAレコードに登録されているIPアドレス
- mx:ドメインのMXレコードに登録されているメールサーバー
- ip4:特定のIPv4アドレス
- include:他のドメインのSPF設定を含める
修飾子
- +:許可(デフォルト)
- -:拒否
- ~:ソフトフェイル(許可するが警告を発する)
- ?:中立(判断を行わない)
SPF設定の例
以下は、一般的なSPF設定の例です:
v=spf1 mx a ip4:192.0.2.0/24 include:_spf.google.com -all
この設定は以下を意味します:
- このドメインのMXレコードに登録されているサーバーからの送信を許可
- このドメインのAレコードに登録されているIPアドレスからの送信を許可
- 192.0.2.0/24のIPアドレス範囲からの送信を許可
- Googleのサーバー(G Suiteなどを使用している場合)からの送信を許可
- 上記以外のすべての送信元を拒否
SPF設定の手順
- 現在の送信元を確認:自社で使用しているメールサーバーやサービスを把握します。
- SPFレコードの作成:上記の例を参考に、自社に適したSPFレコードを作成します。
- DNSレコードの追加:作成したSPFレコードをドメインのDNS設定に追加します。
- 設定の確認:オンラインのSPF確認ツールなどを使用して、設定が正しく反映されているか確認します。
注意点
- SPFレコードは1つのドメインにつき1つだけ設定できます。
- DNSの反映には時間がかかる場合があるので、設定後しばらく待つ必要があります。
- SPFレコードが長すぎると問題が発生する可能性があるため、できるだけシンプルに保つことが重要です。
まとめ
SPF設定は、メールセキュリティの基本的な要素の一つです。適切に設定することで、なりすましメールのリスクを減らし、メールの信頼性を向上させることができます。初めは複雑に感じるかもしれませんが、基本的な仕組みを理解し、自社の環境に合わせて慎重に設定を行うことが重要です。定期的に設定を見直し、必要に応じて更新することも忘れずに行いましょう。