Arch Linuxのインストールって難しくて大変ですよね。
ですが、最近のArch Linuxにはarchinstall1というインストーラがLive ISOに搭載されています。
今回はこのarchinstallを使用してArch Linuxを簡単に入れちゃおう!という記事です。
USBメモリにLive ISOを書き込む
この作業を行うと、USBメモリにすでにあるデータはすべて消去されます。
こちらのページから入れたいバージョンのisoを入手します。
今回は2024.10.01を使用します。
archlinux-[バージョン]-x86_64.iso
がダウンロードできたら、
USBメモリにこのISOを書き込みます。
今回は署名の確認は省略します。
Windowsの場合
Rufusを使用します。
- 「選択」をクリックし、先程ダウンロードしたisoファイルを選択します
- パーティション構成をMBRにし、ターゲットシステムは 「BIOS or UEFI」 にします
- 「スタート」をクリックし、
書き込む際のモードは 「ISOイメージモードで書き込む(推奨)」 を選択します - 「Syslinuxのダウンロードが必要です」などと出てきたら、「はい」 を選択してください
- USBの中のすべてのデータが削除されるといった旨の警告画面が出てくるので、
デバイスが正しいことを確認した後に 「はい」 を選択してください。
あとは待てば書き込みが終了します。
Linuxの場合
lsblk
を使用してUSBメモリの名前を確認します。
今回はsdb
に書き込みます。
sdb1のようにパーティション番号はつけてはいけません。
以下のコマンドを実行してisoを書き込みます。
$ dd if=path/to/archlinux-[バージョン]-x86_64.iso of=/dev/sdb bs=4M
(/dev/sdbの部分を先程確認したUSBメモリのドライブ名に置き換えてください)
その他のOS
その他の書き込み方法は、こちらのページを参照してください。
Live ISOを起動する
事前にセキュアブートを無効化する必要があります
電源を切った状態で先程書き込んだUSBメモリをPCに差し込み、
ブート選択画面に入り、USBメモリを選択します (大体F8、F9、F11、F12のどれかで入れます)
BIOSで起動した場合の画面
UEFIで起動した場合の画面
このような画面が出てきたら、一番上の Arch Linux install medium
を選択します。
Arch Linuxをインストール
コンソール画面が出てきたら、archinstallを起動します。
root@archiso ~ # archinstall
このような画面が出てくるので、上から順に設定していきます。
項目を選択してEnterを押すとその項目の設定に入れます。
Archinstall language
インストーラの言語の設定です。
Japaneseを選択したくなりますが、
すべてが文字化けしてしまうのでEnglish
を選択しましょう。(デフォルト)
Mirrors
必要なファイルをどのミラーからダウンロードするかの設定です。
Mirror Region
を選択し、Japan
を選択しましょう。 (/を押すと検索できます)
選択できたら、Backを押して最初の画面に戻ります。
Locales
言語に関する設定です。
ここで言語を設定できますが、フォントを入れる前に日本語にしてしまうと文字化けしてしまうので
Keyboard layout
を jp106
にし、それ以外の設定はデフォルトのままにしておきましょう。
Disk configuration
Arch Linuxをどこにインストールするかの設定です。
Partitioning
を選択し、
Use a best-effort default partition layout
を選択します。
このような画面が出てくるので、インストール先のドライブを選択します。
今回は/dev/sdaを選択します。
その後、
Select which filesystem your main partition should use
という画面が出てくるのでお好きなファイルシステムを選んでください。
ファイルシステムについては、ここに書くと長くなりすぎてしまうので以下のページを参照してください。
今回はext4
を選択します。
選択できたら、Backを押して最初の画面に戻ります。
Disk encryption
ファイルシステムの暗号化に関する設定です。
今回はスキップします。
Bootloader
ブートローダーの設定です。
おそらくUEFIだとデフォルトでsystemd-boot
、BIOSだとGrub
になってると思います。
今回はgrub
を使用します。
次回の記事でgrubの設定を変更する2ので、grubを選択しておいてください。
Swap
仮想メモリを使用するかの設定です。
そのままTrue
にしておきましょう。
Hostname
ホスト名の設定です。
お好きな名前に設定しましょう(24文字以下の英数字、ハイフン、ピリオドが使えます)
Root password
rootユーザーのパスワードです。
お好きなパスワードを入力しましょう。
確認のために2回入力する必要があります。
(入力してる文字は表示されませんが、ちゃんと入力できています。)
User account
rootユーザー以外のアカウントの設定です。
Add a user
を選択し、お好きなユーザー名を入力します。
Password for user "ユーザー名":
と聞かれるので、お好きなパスワードを入力します。
Root passwordと同じように確認のために2回入力する必要があります。
Should "ユーザー名" be a superuser (sudo)?
と聞かれるので、
yes (default)
を選択します。 (ユーザーに管理者権限を与えるかどうか)
ユーザーの追加ができたら Confirm and exit
を選択して保存します。
Profile
デスクトップ環境などの選択です。
Type
を選択し、Desktop
を選択します。
デスクトップ環境の選択画面になるので、今回はKDE Plasma
を選択します。
(Spaceキーで複数選択も可能)
Typeの選択が終わると、Graphics driver
とGreeter
の設定が出てきます。
Graphics driverはそのままでも平気だと思いますが、
自分はNvidia (proprietary)
を使用しています。
KDE Plasmaの場合Greeterはsddm
が推奨です。
選択が終わったらBackを選択して最初の画面に戻ります。
Audio
オーディオサーバーの選択です。
Pipewire
を選択しましょう。
Kernels
Linuxカーネルの選択です。
基本的にlinux
のままでいいと思いますが、
linux-zen
の方が応答速度が早いらしいです。 (自分はこっちを使用しています)
Enterキーだと選択できないようなので、Spaceキーを使って使用したいカーネルを選びましょう。
(なんで複数選択できるの?)
Additional packages
追加でインストールするパッケージの選択です。
今回はスキップします。
Network configuration
ネットワークの設定です。
Use Network Manager (necessary to configure internet graphically in GNOME and KDE Plasma)
を選択しましょう。3
ここでNetworkManagerを選択しないと、ネットワークに繋がらなくなり詰みます
Timezone
タイムゾーンの設定です。
Asia/Tokyo
を選択しましょう。(/を押すと検索できます)
Automatic time sync (NTP)
自動的に時間を同期するかの設定です。
そのままTrue
にしときましょう。
Optional repositories
追加のレポジトリの設定です。
Wine4などを使用する場合はmultilib
を選択しとくといいかもしれません。
一通り設定が終わったら、Install
を選択してインストールを開始します。
Install
を選択すると設定ファイルが出てくるので、再度Enterを押します。
あとは待っていればインストールが完了します。
インストールが終わると、chroot5するかどうか聞かれますが、
今回はno
を選択し、reboot
コマンドで再起動します。
root@archiso ~ # reboot
これでインストールは完了です。
お疲れ様でした。
再起動するとログイン画面が出てくるので、
先程設定したパスワードを入力するとログインできます。
あとがき
次回はインストール後の初期設定、日本語化について解説しようと思います。
参考文献
-
NvidiaのGPUを使用している場合に、マルチディスプレイが正常に動作しない問題の対処法についての解説を行います。 ↩