2037
1930

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

効率的に安全な Dockerfile を作るには

Last updated at Posted at 2016-02-07

結論

以下の手順で作るのが効率的です。

  1. ベースにする Docker イメージを決める
  2. docker run -it <docker-image> sh でコンテナ内部で作業
  3. 1行ずつ、うまくいったらどこかにメモ
  4. 失敗したらいったん exit して再度 docker run
  5. ファイルの取り込みやポートの外部公開が必要ならオプション付きで docker run
  6. 全部うまくいったら Dockerfile にする

ネットで見たことはないですが、もし docker build で試行錯誤しながら
Dockerfile を作るとしたら、それはさすがに苦行です。
遅い :anger: デバッグしにくい!コンテナ爆発しろ!!って気持ちになります。
これが原因で「Docker 使えない :rage: 便利じゃない :tired_face: 」と思っていたのならそれは勘違いです。

手順詳説

試しに ip-api.com にリバースプロキシするだけの Nginx イメージを作ってみます。

1. ベースにする Docker イメージを決める

個人的には Alpine Linux が圧倒的にオススメですが、
今回は CentOS をベースにしてみます。

2. docker run -it <docker-image> sh でコンテナ内部で作業

docker run -it centos:6 /bin/bash で CentOS 6 のコンテナを起動し
せっせと Nginx をインストールしていきます。
epel-release を入れて、nginx を入れて・・

このとき
各ツールの y オプションや yes を使い、対話なしで実行できるようにしましょう。
また、ファイルの上書きなどで不慮のエラーが起きないよう
cp -fln -f のように強制オプションをつけたり、
不要なログを抑えるために curl -swget -q の利用を検討します。

3. 1行ずつ、うまくいったらどこかにメモ

成功したコマンドはどこかに転記しておきましょう。
隣に開いたエディタなどにコピペしていきます。

yum search などセットアップ上本質的でない作業は当然省きますが、
ベテランさんだと無意識にやってしまうかもしれない
設定値変更に伴うバックアップファイルの作成なども省きましょう。
(例: cp /etc/foo/default.conf /etc/foo/default.conf.org)

4. 失敗したらいったん exit して再度 docker run

設定値がおかしくなってしまった、クリーンな環境でやり直したい
そんなときは exit して 2 からやり直します。

とはいえ毎回最初からやるのは非効率。
うまくいくところまででいったん exit & docker commit
イメージを作っておけば、次回はそこから作業を再開できて便利です。
Docker ほんと便利。

5. オプション付きで docker run が必要なケース

今回のように、外からの接続を前提にしている イメージの場合、
予め docker run -it -p 80:80 centos:6 /bin/bash
のようにポートをホスト側に公開しておくと確認作業が捗ります。

また、
外部ファイルを取り込む(Dockerfile でいう ADD / COPY)必要がありそうなら
docker run -it -v $(pwd):/tmp/share centos:6 /bin/bash
のようにしてホスト側の作業フォルダをコンテナ内部に
マウントしておくと検証が進めやすいです。

6. 全部うまくいったら Dockerfile にする

まとめるとこんな Dockerfile になりました。

FROM centos:6

RUN set -x && \
    yum install -y epel-release && \
    yum install -y nginx && \
    sed -i -e "s/index  index.html index.htm/proxy_pass http:\/\/ip-api.com\/json/" \
        /etc/nginx/conf.d/default.conf && \
    ln -sf /dev/stdout /var/log/nginx/access.log && \
    ln -sf /dev/stderr /var/log/nginx/error.log

EXPOSE 80
CMD ["nginx", "-g", "daemon off;"]

ちゃんと動くか確認してみましょう!
(以下を実行する場合はローカルに↑の Dockerfile を保存してください)

$ docker build -t test-image .
$ docker run --name test-container -d -p 80:80 test-image
$ curl -s <DockerホストIP> | jq -r '.query'

IPアドレスが返ってきましたか?1
コンテナを破棄しておきましょう。

$ docker stop test-container
$ docker rm test-container

Tips

Dockerfile ベストプラクティス

docker commitdocker build

そもそも Docker イメージを作る方法はいくつかあるわけですが
commit でイメージを作る過程を 可視化するためにあるのが build

本記事の手順はこの概念にのっとっています。
つまり本来は、コンテナ内部で作業した後に外に出て
commit して Docker イメージを作るプロセスが先にある。
Dockerfile は単にそれをまとめたものであり、build するための手順書。

Dockerfile でビルドした Docker イメージであれば、
作成されるまでの手順を公開しやすく(Docker Hub の自動構築 など)
ユーザには比較的2 安心して使ってもらえるわけです。

docker run の rm オプション

docker run --rm .. のように --rm をつけておくと、シェルから抜けたときの
Docker コンテナの残骸を後で docker rm で掃除する必要がなくなり便利です。

ただし Dockerfile を作る場合、commit を駆使して作業途中の状態を作ったり
そのイメージをベースに run することで作業効率を改善できるので
散らかること前提で rm オプションは使わないほうがいいかもしれません。

set -x

最終的に Dockerfile にコマンドをまとめるとなると、レイヤー削減のために
RUN には &&オペレータで一連の操作を一つにまとめた 黒魔術のようなコマンドが
記述されると思いますが、途中で処理が失敗したときにどこまで進んだかわかるよう、
実行したコマンドそのものを標準エラー出力にだすよう set -x しておくと便利です。

チェックサムや署名の検証をする

タイトルにある後半の「安全性」に関して。

バイナリダウンロード元にチェックサムや署名についての情報があるなら
Dockerfile の中で検証ロジックを入れておくのがよさそうです。
もし一般に公開する Docker イメージであれば、安心感増します!

 

  1. jq をインストールしていない方は curl -s <DockerホストIP> だけでお試しください。

  2. ADD / COPYRUN wget/curl で外部ファイルを持ち込んでいると Dockerfile だけではその由来を説明することはできなくなるわけですが。。

2037
1930
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
2037
1930

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?