はじめに
Zabbix Agent を監視対象サーバー(Linux・Windows)に導入する際に調査したパラメータについて、それぞれの概要や役割を記載したいと思います。
設定パラメータ
【 Server(パラメータ) 】
「Server」は、パッシブチェックを行うZabbixサーバー(またはプロキシ)のIPアドレスやホスト名を指定するパラメータです。パッシブチェックでは、Zabbixサーバーがエージェントにリクエストを送り、その応答としてエージェントが情報を返します。
設定例:
Server=192.168.0.1
Server=zabbix.example.com
【 StartAgents(パラメータ) 】
「StartAgents」は、Zabbixサーバからのパッシブチェックリクエストに対応するために、Zabbixエージェントが起動するワーカープロセスの数を指定するパラメータです。ワーカープロセスの数が多いほどリクエスト処理が迅速になりますが、その分サーバーへの負荷も増加します。値を「0」に設定すると、Zabbixサーバーからのパッシブチェックは無効化されます。
設定例:
StartAgents=5
【 ServerActive(パラメータ) 】
「ServerActive」は、Zabbixエージェントがアクティブチェックを行うZabbixサーバー(またはプロキシ)のIPアドレスやホスト名を指定するパラメータです。エージェントがサーバーに接続し、チェックすべき項目を取得するために使用されます。
設定例:
ServerActive=192.168.0.1
ServerActive=zabbix.example.com
【 HostMetadata(パラメータ) 】
「HostMetadata」は、Zabbixサーバー(またはプロキシ)にホストを自動登録する際に使用するメタデータを指定するパラメータです。このメタデータは、ホスト自動登録処理(アクティブエージェント)でのみ使用され、ホストが自動登録ルールに一致するかどうかを判断するために利用されます。例えば、「Linux」や「Windows」など、ホストOSを分類する情報を文字列で設定します。定義されていない場合は、HostMetadataItem に設定された値が使用されます。
設定例:
HostMetadata=Linux
HostMetadata=Windows
【 HostMetadataItem(パラメータ) 】
「HostMetadataItem」は、自動登録時に送信されるホストのメタデータを自動的に収集するアイテムを指定するパラメータです。この設定を使用することで、特定のシステム情報(例:OSの種類やインターフェース名など)をメタデータとして送信できます。このオプションは、ホストの自動登録処理(アクティブエージェント)でのみ使用され、HostMetadata が未定義の場合に限り有効です。
設定例:
HostMetadataItem=system.uname
【 Hostname(パラメータ) 】
「Hostname」は、Zabbixエージェントが自身を一意に識別するために使用するホスト名を指定するパラメータです。この値はアクティブチェックに必須であり、Zabbixサーバー(またはプロキシ)で設定されたホスト名と一致する必要があります。一致しない場合、Zabbixサーバー(またはプロキシ)はエージェントから送信されたデータを処理できません。未定義の場合は、HostnameItem から値が取得されます。
設定例:
Hostname=testsver
【 HostnameItem(パラメータ) 】
「HostnameItem」は、Zabbixエージェントのホスト名を自動検出するためのアイテムを指定するパラメータです。この設定を使用すると、システムの情報(例:FQDNやIPアドレス)を基にホスト名を自動的に取得できます。このオプションは、Hostname が未定義の場合にのみ有効です。
設定例:
HostnameItem=system.hostname
【 BufferSend(パラメータ) 】
「BufferSend」は、Zabbixエージェントが収集したデータをサーバー(またはプロキシ)に送信する間隔を指定するパラメータです。値を短く設定すると、データは即座に送信されますが、ネットワークトラフィックが増加する可能性があります。逆に、値を大きく設定するとトラフィックは減少しますが、データ送信が遅延する可能性があります。単位は秒です。
設定例:
BufferSend=5
【 BufferSize(パラメータ) 】
「BufferSize」は、Zabbixエージェントがサーバー(またはプロキシ)に送信するデータを一時的に保持するバッファサイズを指定するパラメータです。バッファがいっぱいになると、エージェントは収集したすべてのデータをZabbixサーバー(またはプロキシ)に送信します。この値を増やすことで、大量のデータ収集やネットワーク遅延が発生する環境にも対応可能です。単位はアイテム数です。
設定例:
BufferSize=100
参考資料
・【ZABBIX 7.0】3. Zabbix agent (UNIX)
・【ZABBIX 7.0】5. Zabbix agent (Windows)