【ZABBIX7.0LTS】トリガーの依存関係について（複数の依存関係）

Posted at 2024-11-26

はじめに

以下のようにZABBIXから監視対象③に対して死活監視を行っている場合、監視対象①または②が死活監視でNGとなったときにトリガー依存関係がどのように機能するのか気になった。

【死活監視経路】
ZABBIX（死活監視）　→　監視対象①　→　監視対象②　→　監視対象③

そこで、以下のZabbix公式ドキュメント「複数の依存関係」に記載されている内容を基に、実際に検証を行った。

[ZABBIX7.0] - 3 トリガーの依存関係

検証環境

ZABBIXサーバー１台（ver. 7.0）：
ホスト名：zabbix

監視対象サーバー３台（エージェント導入済み）：
ホスト名：server1、server2、server3

※４台とも同セグメント

死活監視テンプレート（00_Ping_Check）：
[アイテム]

[トリガー]

検証準備

まず、監視対象サーバー（server1、server2、server3）に対して作成したテンプレートを紐づける。紐づけた後は、以下の対応を行う。

・「server1」のトリガーに対して、依存関係は設定しない。

・「server2」のトリガーに対して、依存関係として「server1」のトリガーを設定する。

・「server3」のトリガーに対して、依存関係として「server2」のトリガーを設定する。

検証 ①：[server1：OK] [server2：OK] [server3：NG]

死活監視の状態が「server1：OK」、「server2：OK」、「server3：NG」の場合における
トリガーの発動状況を確認する。

想定通りに「server3」のトリガーが発動した。

検証 ②：[server1：OK] [server2：NG] [server3：NG]

死活監視の状態が「server1：OK」、「server2：NG」、「server3：NG」の場合における
トリガーの発動状況を確認する。

「server2」のトリガーは発動した。しかし、「server3」の死活監視状態がNGであるにもかかわらず、トリガーは発動していない。これは、「server3」のトリガーに「server2」のトリガーを依存関係として設定しているためである。

検証 ③：[server1：NG] [server2：NG] [server3：NG]

死活監視の状態が「server1：NG」、「server2：NG」、「server3：NG」の場合における
トリガーの発動状況を確認する。

「server1」のトリガーは発動した。しかし、「server2」と「server3」の死活監視状態がNGであるにもかかわらず、トリガーは発動していない。これは、「server2」のトリガーに「server1」のトリガーを依存関係として設定し、さらに「server3」のトリガーに「server2」のトリガーを依存関係として設定しているためである。

検証 ④：[server1：NG] [server2：OK] [server3：NG]

死活監視の状態が「server1：NG」、「server2：OK」、「server3：NG」の場合における
トリガーの発動状況を確認する。

「server1」のトリガーは発動した。しかし、「server3」の死活監視状態がNGであるにもかかわらず、トリガーは発動していない。これは、「server2」のトリガーに「server1」のトリガーを依存関係として設定し、さらに「server3」のトリガーに「server2」のトリガーを依存関係として設定しているためである。

Zabbixはトリガーを発動する際、依存関係を再帰的にチェックする仕組みになっている。そのため、この依存関係の設定により、「server3」のトリガーは結果として発動しなかった。