序
2023年8月末にUbuntu22.04LTSをアップデート・アップグレード処理したら、古いNASをマウントできなくなりました。ネットを探して、マウントできる様になりましたが、最新の情報(2023/8下ぐらい)はあまりありませんでした。
色々な事情でまだ置き換えられない古いNASを、Linux、Windowsでマウントする方法を自分の備忘録を兼ねてまとめておきます。
対象
・NAS : SMB 1.0/CIFS しかできない古いタイプ
・クライアントPC : Linux系でmountコマンドやfstabでマウントする場合※
Windows11 or 10
※LinuxのGUI環境のファイルマネージャ経由でしかNASに接続しない場合は、そのファイルマネージャの機能により以下の設定をしなくても接続できる場合があります(Gnome FilesやDolphinなど)。尚、Macは特に何もしなくてもまだマウントできる様です(Ventura,Montereyで確認済み)。
Linux系
セキュリティ強化により、デフォルトではsambaやkernelのバージョンによりSMB 1.0/CIFSのドライブをマウントできない様になってきてます。私のUbuntu環境では、以下の様でした。
Ubuntu 20.04LTS
特に何もしなくても、マウントはできました。
Ubuntu 22.04LTS kernel 5.19まで
/etc/samba/smb.conf [global] エリアに以下の行を追記し(coreかNT1どっちか)する必要がありました。
[global]
:
client min protocol = core
#client min protocol = NT1
:
Ubuntu 22.04LTS kernel 6.2
Ubuntu 22.04LTSではkernel6.2は2023/8下ごろからアップデートリストに入ってきました。kernelのセキュリティ強化?により、一旦切り捨てられた?のか見落とされたのか不明ですが、今までの設定のままではエラーが出てマウントできなくなりました。Arch Linuxのバグレポートで上がっていて(Arch Linuxではkernel6.3.5で解決しているようです)、回避作も示されてます。Ubuntuでも、この回避策を実施することで、マウントができる様になりました。それによると、マウント処理オプション(/etc/fstabの記述やmountコマンド)の vers=1.0 の記述の後に ndfs を加えます。
:
/nas共有フォルダ名 /マウント先フォルダ名 cifs vers=1.0,ndfs, …
:
Windows11 or 10
コントロールパネル -> プログラムと機能 -> Windowsの機能の有効化または無効化で、【SMB 1.0/CIFS ファイル共有サポート】にチェックを入れます。
クライアントのみとしての接続だけなら、【SMB 1.0 CIFS ファイル共有サポート】 の下にある、【SMB 1.0/CIFS クライアント】だけのチェックだけでもいいと思われます。
こちらのページの方が、上記の方法だけでなくpowershellを使った接続方法もあり、より詳しく掲載されています。
補足:SMB1.0について
マイクロソフトのこのページでも案内されている様に、SMB1.0はセキュリティの上の問題を内在しているのでデフォルトでは使用できない様になってきています。なので、タイミングを見てNASを新しいものに入れ替えるべきだとは思いますが・・・。