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インフラエンジニアが共通テスト『情報』を解いてみた

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はじめに

2025年1月19日に行われた「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)にて、初めて『情報』の試験が行われました。

情報技術を扱う職種の人間として、そして現在進行形で高校情報科の教員免許取得を目指している人間として注目せざるを得ないトピックだったので、せっかくならばと解いてみました。

今回は解いてみた上での雑感を書き記した記事となります。

下に問題と解答のリンクを貼っておくので、少しでも興味のある方は是非解いてみてください:pencil2:

問題

解答


▼関連記事(高校情報科教員免許取得について)

獲得点数

79点 / 100点(平均点:73点)

(心の声:良かった...平均点超えた...!!!!:relieved:

得点.png

所感

教員免許取得の勉強をしているとは言えど、完全なるノー勉(試作問題も見てない)だったので全く解けないのではないかと思っていましたが、何とかなりました。

全体的に用語の意味などをダイレクトに問うのではなく、「文章や図表の読み取りを正確に行った上で論理的に考えられるか」が問われているように感じました。
まさに「情報を扱う力」が求められていますね。

ただ、全く知識が無くて良いわけではありません。
実際、「IPv6が利用されるようになった理由」や「If文で用いられる条件分岐」など情報技術者になってようやく知るような知識が当たり前のように出題されていました。
エンジニアとして働いているから解けましたが、自分が高校3年生のときだったら絶望していたかと思います。:sweat:


ここからは大問ごとに書いていきたいと思います。(全部で4つ)

大問1

大問1は「問題文をしっかりと読めること」・「数学が得意」であれば、比較的簡単に解けるのかなと思いました。「数学が得意」と言っても大層なものではありません。

情報技術者向けだと、「ITパスポート」や「基本情報技術者」の資格を持っていればかなり簡単だと思います。

▼余談(言い訳
ちなみに私は問2の「“カ”に当てはまる数字は何か」という設問で堂々と「3」と解答して間違えました:innocent:
ちゃんと大文字8種類と小文字5種類を考慮した上で
数字を表すのに必要なLEDの数は3つだ!」
と計算しましたが、解答するときに大文字と小文字の存在を忘れ去っていました。。(正答は「5」)
こんな間違え方を受験生のときもしていた気がする。。。。

大問2

大問2は「問題文や図表をしっかりと読めること」・「規則性に速やかに気付けること」などが必要な能力なのかなと感じました。
また、日常生活の様々な場面で活用されている情報技術に日ごろから関心を向けていれば、高校生であってもイメージしやすい問題だと思いました。

情報技術者向けだと、要件定義や基本設計フェーズの業務を行う人であれば比較的簡単に解けるのかなと思いました。
また、データベースを扱う人も解きやすいのかなと思います。

大問3

大問3で必要な能力は、言わずもがな「プログラミング」です。
問題文をよく読んだ上で、配列の中身や条件式、繰り返し文の条件などを選択する必要があります。

難易度としては標準的(むしろ易しい?)だと思いましたが、個人的には「自分でイチから書かない分、読み取るのに苦労するなぁ」と感じました。

例えば、問題内で設定されている「変数名」は、どれも日本語をローマ字に変えたものでした。
(“日数”⇒“Nissu”, “部員数”⇒“buinsu” など…)
勿論、日本語をベースとすることで何の変数なのかを即座に認識させる利点があるとは思いますが、どこかムズムズします。私なら簡単な英単語や略語にするかなと。
(実務において、この変数名でレビュー出したら「まず変数名直そうか?」と言われそう…:sweat_smile:

こんな感じで、大問3は全体的にやりづらさを感じながら解いていました。一種の職業病ですかね。。

しかし、ここで必要とされるプログラミングの能力はかなり基礎的な部分であり、しっかりとIf文やFor文などを理解していれば難しく考える必要はないのかなと思いました。
これを一般的な高校生に習得させることは並大抵のことではないと思いますが、仕組みを理解してしまえば確実に点を取れる問題になるのかなと思います。


▼余談
大問3を解いている最中、「この言語は何だろう?」とずっと思っていました。
とは言っても、私がこれまで触れてきたのは「シェルスクリプト」「PowerShell」「C言語」などだったので、判別できるほどの知識があるわけではないのですが、ずっと気になっていました。

後々調べてみると、大学入試センターから下記の説明が発信されていることを知りました。

▼大学入試センターからの説明(PDF)
共通テスト手順記述標準言語 (DNCL) の説明

中身を要約すると、

「学校によって扱うプログラミング言語はバラバラだから、差が生じないように共通テスト用のプログラミング言語で出題するで!!」

とのこと。

「え、そうなの⁈⁈」
と驚きながらも、
「一つの言語を習得してしまえば他の言語も何とかなるよ」
というよく聞く言説を身をもって実感しました。

下記のサイトで紹介されているので興味ある方は是非。
▼参考

大問4

大問4は「図表を正確に読み取る力」が求められているのかなと感じました。
また、「地理」が得意な人にとってもかなり解きやすい問題だったかと思います。

情報技術者向けだと、「データ分析」を行う人であれば簡単な内容なのかなと思います。

正直、初見の人でも問題文をしっかりと読めば解くことができると思います。しかし、一つひとつの表やグラフを読み解くことは想像以上に時間を要します。
大問1~4をどの順序で解いていくかは人それぞれですが、図表の読み取りに時間をかけすぎるわけにはいきません。とは言っても、適当に読んでしまえば正確に読み取ることができなくなります。

表やグラフの読み取りは数をこなせば要点を抑えられると思うので、日ごろから色々なデータに触れることが大事になるのかなと思います。

終わりに

いよいよ『情報』が試験科目として導入されましたが、初年度ということもあり、ほとんどの大学が配点を小さくするなど、合否に大きく影響しないような対応をとっています。

しかし、平均点が73点と比較的高めだったことや情報化社会という現状を考慮すると、次第に重要度が増していき、合否に関わる科目へ変化していく可能性は大いにあります。
いつか主要5科目と同程度の重要性を持つ可能性も考えられます。


そう考えると、私のような情報技術者やそれらの企業は、このトピックについて継続的に注目する必要があるのかなと思います。
何故ならば、数年後にはこの情報教育を受けた人材が社会人になるわけなので。

そんな変化に社会全体が柔軟に対応できる時代が来れば良いなと思います。
そして、情報を扱う仕事をしている一人として、その変化に役立つことができればと思います。

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