この記事では、Arch Linux のインストールだけでなく、日常の PC レスキュー全般にも大変便利な Arch Linux のインストールメディアに入っているパッケージについて紹介してみたいと思います。
なお、この記事では Arch Linux のインストール方法については一切触れません。それについては公式 Wiki の日本語版に大変詳しく書かれているのでそれを参照してください。
インストールメディアに入っているパッケージ
Arch Linux のインストールメディアは最新のもので 650MB 程度と、この手の存在では容量が少ない方ではないでしょうか。
デフォルトの状態で入っているパッケージを適当にかいつまんで紹介してみます。最新の一覧は archiso (Arch Linux のライブイメージ生成システム) の git repo とかで確認できます。
ディスク・ストレージ・ファイルシステム系
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btrfs-progs,dosfstools,f2fs-tools,nfs-utilsnilfs-utils,ntfs-3g(ファイルシステム固有のパッケージ) -
clonezilla,ddrescue,fsarchiver,partclone,partimage(ハードディスク・パーティションのサルベージなど) dmraid-
gptfdisk,parted(いわゆるfdisk,gdiskとparted) -
testdisk(壊れたディスクからなんとかしてデータを引っ張りだすやつ) -
smartmontools(ディスクの S.M.A.R.T. 値を見たりするやつ)
ネットワーク系
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darkhttpd(軽量 HTTP サーバ) dhclientdnsmasq-
dnsutils(dig(1)とか) -
elinks(Web ブラウザ) -
irssi(IRC クライアント) -
lftp(FTP クライアント) -
nmap(高機能ポートスキャナ) -
ppp,rp-pppoe tcpdump-
openvpn,vpnc opensshwget-
wireless_tools,wpa_actiond(無線 LAN 関連) -
wvdial(モデム操作など)
その他
rsync-
vim-minimal(vi じゃなくて Vim です)
こんなところでしょうか。実は Web ブラウザも入っているので、インストールメディアがあるだけでほとんどのことが出来てしまうということがお分かりいただけたと思います。
また、インターネットに接続できる環境なら、以下の様な手順を踏むことで新たにライブ環境上にパッケージを追加することも当然可能です。
# pacman -Syy # パッケージデータベースが存在しないので強制取得
# pacman -S emacs-nox gauche # ここに並べる
余談: Arch Linux のインストールメディアのつくりかた
Arch Linux のインストールメディアは、archiso というツールで生成されています。
archiso では、おおまかに
- chroot して
- シェルスクリプトを実行して rootfs を作って
- Squashfs にして
- イメージを固める
というようなことをやっています。
イメージのプロビジョニング自体はすべてシェルスクリプトで制御されているので、それを適当に書き換えれば、好きなようにカスタマイズしたオリジナルな Arch Linux インストールメディアを作れます。
このアドベントカレンダーの3日目の記事のように iso ファイルから Squashfs を引っ張りだして編集することもできます (参照: Arch Linux インストールCDリマスター)。