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Co2レーザー加工機の出力特性について

Last updated at Posted at 2020-12-22

はじめに

最近ではどこの家庭にもレーザー加工機が導入されているかと思います。
我が家も2年程前に、AliexpressからSP-320という40WのCo2レーザー加工機を導入しMDFやアクリル板等の加工にバリバリと活躍してもらっています。

この手のレーザー加工機は、フロントパネルの制御版からレーザーの出力を0~100%まで調整することができますが、なぜか我が家のやつは70%以上に設定しても切れ味がよくならないという不思議な現象が起こっていました。ということで、このレーザー加工機の出力特性を測ってみました。

※Co2レーザー加工機は40W機で15kVの高電圧と20mAの電流供給能力がありますので、本記事と同様な改造を行われる場合は自己責任でお願いします。

パワー測定方法

40WのCo2レーザー加工機では、最大出力時にレーザー管に約15kVの高電圧をかけ約20mAの電流が流れます。入力が約300W、能率が十数パーセントで出力が40Wということになります。
今回は、この電流を測定することでレーザー加工機の出力を簡易的に測定します。
実際は放電開始時の電圧が15kVで、連続放電時には電圧が下がるようなので、本当は電圧も測定したいところですが、15kVを測定するのはちょっと怖いので今回は電流のみの測定としました。
電流計は、Aliexpressから以下の安物を購入しました(こんなに安くて大丈夫か???)

電流計の追加箇所

電流計は、レーザー加工機の電源の高圧側に直列に入れる必要があります。電流は、電源のプラス側からレーザー管と100kΩのバラスト抵抗を介して電源に戻ります。プラス側(高電圧側)に余計な配線を入れるのはリークや感電等の発生リスクがあるので、電圧の低い100kΩのバラスト抵抗と電源のマイナス側の間にアナログ電流計を入れることにします。

Laser_Power.png

フロントパネルは、電流計を取り付けられるようにMDF材を加工して作りました。残念ながらロゴが半分隠れてます。

測定結果

以下のグラフの青い線が、パネルの設定値と測定した電流の関係です。
予想通り、パネルの7セグLEDが65%を超えたあたりから電流が下がり始め、75%あたりからサチっていています。
こうなる原因は、電源か、電源を制御している制御基板だと思いますが、詳細は不明です。
グラフのオレンジの線は、インチキ計算の想定(相対?)出力です。

  • レーザー管の仕様から、15kV、20mAの地点が40W出力とし、これからレーザー管の負荷抵抗を750kΩと仮定
  • P = I^2Rで、電流からレーザーパワーを推定

本当は電圧をちゃんと測定したいですね。

まとめ

  • 安物Co2レーザー加工機の制御パネルの設定数値はあてにならない
  • 私の個体では、設定値65%までが比較的リニアに出力が調整できる範囲
  • レーザー管の寿命を考えると最大出力ではなく定格出力(80%程度?)で使用したいところです。私の個体では、設定値の最大を55%程度に抑えた方がよいことになります。
  • そのうち電圧も測定して、ちゃんとパワー(レーザー管への入力)を測定したい!
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