17
15

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

M1 macな人たちに贈るpytorch+jupyterlab docker image

Last updated at Posted at 2021-06-23

はじめに

(2023/02/28 追記あり)

PCを変えるたびに開発環境やらtex環境やらを構築するのが面倒なので、当方はなるべくdockerイメージを使って環境構築するようにしています。

pythonを使うときは多くの場合にデータ分析やら機械学習を行うので、docker hubにあるpytorchイメージにjupyterlabやらscikit-learnやらを導入したイメージを使っていました。しかし、大変残念なことに、docker hubにあるpytorchイメージはlinux/amd64版のみが提供されており、linux/arm64(aarch64)なM1 mac民は使うことができません。

M1 macではまだnvidia GPUが使えないことから、心機一転してCPU実行のみをサポートする小さめのイメージを作成しました。

検証環境

  1. Docker version 20.10.2, build 2291f61 running on Ubuntu 18.04.05 LTS x86_64
  2. Docker version 20.10.7, build f0df350 running on macOS 10.15.7 x86_64
  3. Docker version 20.10.7, build f0df350 running on macOS 11.4 aarch64

使い方

拙作のpytorch+jupyterlabをpullして実行してください。
latestタグのイメージを作っていないため、利用可能なタグを確認して実行してください。

(2023/02/28追記) いつからか記憶してませんが、latestタグを付けました。

CPUしか使わない人

本記事執筆時点ではpytorchはversion 1.9.0が最新です。ですので、以下のように実行します。
初回実行時に自動的にpullされると思います。

% docker run --rm -d -v $PWD:/app -p 8888:8888 \
  pman0214/pytorch_jupyterlab:1.9.0

(2023/02/28追記) バージョン1.13.1を追加してあります。latestタグも作成してあるので、以下でpullすれば最新版になります。

% docker run --rm -d -v $PWD:/app -p 8888:8888 \
  pman0214/pytorch_jupyterlab

あとはブラウザでhttp://localhost:8888にアクセスすればjupyterlabが使えます。
jupyterlabのパスワードはjupyterとしてあります。

GPUも使う人

linux/amd64な環境でnvidia GPUを使う場合は、GPUサポートが付いているタグを指定して実行してください。
なお、GPUを使うためには--gpus=allなどのオプションを付ける必要があります。dockerもバージョン19.03以降である必要があると思います(未検証)。

% docker run --rm -d -v $PWD:/app -p 8888:8888 --gpus=all \
  pman0214/pytorch_jupyterlab:1.9.0-cuda11.1-cudnn8-devel

(2023/02/28追記) GPU版もバージョン1.13.1があります。latest-gpuタグでGPU対応の最新版をpullできます。arm64版もありますが、arm64+nvidia GPUという環境では動かないニセモノです(ミスで作成されたものですので無視してください)。

% docker run --rm -d -v $PWD:/app -p 8888:8888 --gpus=all \
  pman0214/pytorch_jupyterlab:latest-gpu

あとはブラウザでhttp://localhost:8888にアクセスすればjupyterlabが使えます。
jupyterlabのパスワードはjupyterです。

GPUにアクセスできているかどうかは、jupyterlab上で以下のようにpythonコードを実行すれば確認できます。

import torch
print(torch.cuda.is_available())

TrueならGPUが使用可能で、GPU情報などを取得できます。

print(torch.cuda.get_device_name())

EPS画像出力への対応

論文などではいまだにEPS画像を提出せよなどという場合もあるため、EPS出力をサポートしたイメージも作りました。
使い方は上記のものと同じで、イメージ名だけが異なります。

ビルドしたい人向け

ビルドに用いたファイル群はGitHubで公開しています。どうせならと思い、linux/amd64もlinux/arm64もサポートするmulti-architecture buildをしています。
なお、GPU対応版は別のベースイメージを使ってlinux/amd64用のみをビルドしました。

docker contextで接続先マシンを切り替えてbuildする手法もありますが(こっちのが速いらしい、当たり前か)、ここではより一般に適用可能なQEMUを使う場合で説明を行います。
ビルド用にQEMUを使ったコンテナが作成され、その中でビルドが実行されます。ビルドにはBuildkitが使われるので、ビルド用のコンテナなどを自分で準備する必要はありません。

ビルド方法の詳細はdockerの公式ドキュメントを参照するとよいです。概ね同じ手順になっていると思います。

準備(linuxでビルドする場合のみ)

macやwindowsでビルドする場合は、最新版のDocker desktopが入っていれば準備は不要(になったはず)です。

experimental featureの有効化

まず、~/.docker/config.jsonに以下のような記述を追加するなどして、experimental featureを有効化します。

{
   ...
   "experimental": "true"
   ...
}

うまく有効化されれば、buildxコマンドが使えるようになります。

% docker buildx ls
NAME/NODE DRIVER/ENDPOINT STATUS  PLATFORMS
default * docker
  default default         running linux/amd64, linux/386

有効化できていない場合には、このようになります。確認していませんが、configを書いた後にdockerデーモンを再起動するなどが必要かもしれません。

% docker buildx ls
docker: 'buildx' is not a docker command.
See 'docker --help'

QEMUの導入

ホストOSの機能で導入するとロクなことにならないので(経験者談)、dockerで配布されている導入キットを利用します。なお、このキットはBuildkitにも導入されています。

念のためインストールされている(かもしれない)QEMUを削除してから導入します。

% docker run --privileged --rm tonistiigi/binfmt --uninstall "qemu-*"
% docker run --privileged --rm tonistiigi/binfmt --install all

ビルダの準備

まず、buildxコマンドでビルダを準備します。名前は任意です。ここではmultiarchとしています。
--driverオプションでdocker-containerを指定することで、QEMUを実行するdocker-container上でビルドを行う指示をしています。

% docker buildx create --name multiarch --driver docker-container

これで、buildx lsの出力はこのようになるはずです。

% docker buildx ls
NAME/NODE    DRIVER/ENDPOINT             STATUS   PLATFORMS
multiarch    docker-container
  multiarch0 unix:///var/run/docker.sock inactive
default *    docker
  default    default                     running  linux/amd64, linux/386, linux/arm64, linux/riscv64, linux/ppc64le, linux/s390x, linux/arm/v7, linux/arm/v6

*が付いているものが、使用されるビルダ(現在選択されているビルダ)です。
作成したビルダmultiarchを使用するように変更します。

% docker buildx use multiarch

ビルダが切り替わっていることが確認できます。multi-architecture buildしないときはdocker buildx use defaultとしてdefaultに戻してください。

% docker buildx ls
NAME/NODE    DRIVER/ENDPOINT             STATUS   PLATFORMS
multiarch *  docker-container
  multiarch0 unix:///var/run/docker.sock inactive
default      docker
  default    default                     running  linux/amd64, linux/386, linux/arm64, linux/riscv64, linux/ppc64le, linux/s390x, linux/arm/v7, linux/arm/v6

ビルダのコンテナを作成します(実はこれをやらなくても、自動で作成されるという噂も・・・)。

% docker buildx inspect --bootstrap

ビルド

アーキテクチャを指定して、buildxコマンドを使ってビルドします。
注意するのは、--loadを付ける点です。付けないと、ビルドした結果は破棄されます(という警告も表示されます)。

--loadの代わりに--pushとすればdocker hubにpushされます。この場合にはあらかじめdocker loginしておき、-tオプションで適切なタグを指定しておいてください。

% git clone https://github.com/pman0214/docker_pytorch-jupyterlab.git
% cd docker_pytorch-jupyterlab
% docker buildx build \
  --platform linux/amd64,linux/arm64 \
  -t "pytorch_jupyterlab_latex:1.9.0" \
  --build-arg VER=1.9.0 . \
  --load

複数のアーキテクチャのビルドは並行して実行されます。
なお、QEMUを用いてビルドするのでホストと異なるアーキテクチャ上でのビルドは特に遅いです。例えば、Core i9 3.6GHz 16core with 64GB memoryなUbuntu 18.04マシンで、上記ビルドには全部で2時間ほど要しました。

GPU版のビルド

GPU版はamd64なマシンがあれば、multi-architecture buildをする必要はありません。
Dockerfileが異なるので、その指定だけ忘れずにビルドしてください。

% docker build \
  -f Dockerfile_cuda \
  -t "pytorch_jupyterlab_latex:1.9.0-cuda11.1-cudnn8-devel" \
  .

おわりに

本記事では、pytorch + jupyterlabなdockerイメージの使い方及び作り方を説明しました。これでM1 macな人たちもdockerさえ入っていればaarch64ネイティブで実行されるpytorchライフを送れますね。

ビルドをgithub action化するとさらに幸せになれそうですが、未着手です。

17
15
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
17
15

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?