Oracle Database 19cのオンプレミス版がダウンロードできるようになったため、Oracle Database 18c (18.3)と初期化パラメーターを比較してみました。基本的にデフォルト状態でデータベースを作成し、インスタンス名やファイルのパス等環境によって変化するパラメーターは比較対象から除いています。SQL*PlusからSYSDBA接続を行い、SHOW PARAMETERコマンドの結果を比較しています。
削除されたパラメーター
削除されたパラメーターは2つだけです。O7_DICTIONARY_ACCESSIBILITYはOracle 7との互換性維持のため残っていたパラメーターです。よく今まで残っていたと感心します。
パラメーター名 | 説明 |
---|---|
O7_DICTIONARY_ACCESSIBILITY | SYSスキーマ内のオブジェクトへのアクセス許可設定を行います |
exafusion_enabled | Exafusion高速化キャッシュ・フュージョン・プロトコル機能を有効または無効にします |
追加されたパラメーター
14個の初期化パラメーターが追加されています。Data Guard関連や、管理系の初期化パラメーターが多い印象です。ただし、マニュアルの追加が間に合わないらしく、いくつかの初期化パラメーターが記載されていません。allow_rowid_column_typeはマニュアルに記載が無いようです。名前からROWID型の利用許可を制限する機能のようです。client_statistics_levelもマニュアルに記載がありません。統計情報の取得に関するパラメーターだと思われます。cpu_min_countもマニュアルに記載がありません。動的にCPU数を変化させる機能でしょうか?data_guard_max_longio_timeもマニュアルに記載がありません。
パラメーター名 | 説明 | デフォルト値 | 備考 |
---|---|---|---|
adg_redirect_dml | Active Data Guard環境で DML Redirect機能を有効にする | FALSE | |
allow_rowid_column_type | 不明 | FALSE | |
client_statistics_level | 不明 | TYPICAL | |
cpu_min_count | 不明 | 1 | |
data_guard_max_io_time | Data Guard環境で通常のI/Oがハングしたとみなされる秒数 | 240 | |
data_guard_max_longio_time | Data Guard環境で長いI/Oがハングしたとみなされる秒数 | 240 | |
enable_imc_with_mira | Active Data Guard スタンバイで院メモリー列ストアの有効化 | FALSE | |
http_proxy | 不明 | '' | |
lob_signature_enable | LOB locatorの署名機能を有効化 | FALSE | |
max_datapump_parallel_per_job | PDB単位のData Pumpジョブの最大数 | 50 | マニュアル上のデフォルトは100 |
max_idle_blocker_time | 不明 | 0 | |
scheduler_follow_pdbtz | 不明 | FALSE | |
ssl_wallet | 不明 | '' | |
unified_audit_common_systemlog | 不明 | '' |
デフォルト値が変更されたパラメーター
デフォルト値が変更された初期化パラメーターは基本的にバージョン関連のものを除くと2つのみです。job_queue_processesとmax_pdbsは、マニュアル上のデフォルト値は変化がありませんが、DBCAで作成して確認したところ変わっていました。
パラメーター名 | Oracle Database 18c | Oracle Database 19c |
---|---|---|
compatible | 18.0.0 | 19.0.0 |
job_queue_processes | 4000 | 20 |
max_pdbs | 4096 | 254 |
optimizer_features_enable | 18.1.0 | 19.1.0 |
今後マニュアルの記載は拡充されるでしょう。
DATA_GUARD_MAX_LONGIO_TIMEの説明を追記しました(2019/5/9)。