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RU 適用により変更される初期化パラメーター(Oracle Database 19c)

Last updated at Posted at 2023-07-20

 Oracle Database はバグフィックスやセキュリティ向上のためにパッチの集合(Release Update = RU)を提供しています。RU は定期的(原則3ヶ月に一回)にアップデートされ、マイナーバージョンが付与されます。Oracle Database 19c については、2025 年 1 月現在 RU 19.25 が最新です。RU はバグフィックスがメインですが、機能追加や動作変更が行われることがあります。本記事では RU が適用されることによる動作変更や、追加される初期化パラメーターについて記載しています。元データとして最新の「Oracle Database データベース・リファレンス」マニュアルを使用しています。

追加される初期化パラメーター

RU を適用することにより以下の初期化パラメーターが追加されます。

初期化パラメーター名 RU のバージョン 備考
ADG_REDIRECT_DML バージョン 19.1 以降で使用可能
BLOCKCHAIN_TABLE_MAX_NO_DROP バージョン 19.10 以降で使用可能
CLIENT_STATISTICS_LEVEL バージョン 19.1 以降で使用可能
CONTAINER_DATA バージョン 19.10 以降で使用可能
DATA_GUARD_MAX_IO_TIME バージョン 19.1 以降で使用可能
DATA_GUARD_MAX_LONGIO_TIME バージョン 19.1 以降で使用可能
DRCP_DEDICATED_OPT バージョン 19.11 以降で使用可能
ENABLE_IMC_WITH_MIRA バージョン 19.1 以降で使用可能
IDENTITY_PROVIDER_CONFIG バージョン 19.16 以降で使用可能
IDENTITY_PROVIDER_TYPE バージョン 19.16 以降で使用可能
IGNORE_SESSION_SET_PARAM_ERRORS バージョン 19.4 以降で使用可能
INMEMORY_FORCE バージョン 19.8 以降で使用可能
LOB_SIGNATURE_ENABLE バージョン 19.1 以降で使用可能
MAIN_WORKLOAD_TYPE バージョン 19.21 以降で使用可能
MAX_AUTH_SERVERS バージョン 19.10 以降で使用可能
MAX_DATAPUMP_PARALLEL_PER_JOB バージョン 19.1 以降で使用可能
MIN_AUTH_SERVERS バージョン 19.10 以降で使用可能
OGG_ONLINE_DDL バージョン 19.22 以降で使用可能
OPTIMIZER_REAL_TIME_STATISTICS バージョン 19.10 以降で使用可能
OPTIMIZER_SESSION_TYPE バージョン 19.6 以降で使用可能
SESSION_EXIT_ON_PACKAGE_STATE_ERROR バージョン 19.23 以降で使用可能
TABLESPACE_ENCRYPTION バージョン 19.16 以降で使用可能

代替される初期化パラメーター

以下の初期化パラメーターは既存の初期化パラメーターを代替します。

初期化パラメーター名 RU のバージョン 代替される初期化パラメーター
TABLESPACE_ENCRYPTION バージョン19.16 ENCRYPT_NEW_TABLESPACESパラメータの代替

動作が変更になる初期化パラメーター

以下の初期化パラメーターは動作の変更や、指定できる値の増加など変化があります。特に初期化パラメーター UNDO_RETENTION の設定は多くのデータベースで変更されていることから影響が大きいと思われます。

初期化パラメーター名 RU のバージョン 動作の変更
FAST_START_PARALLEL_ROLLBACK バージョン 19.17 以降 PDB で変更可能
INMEMORY_FORCE バージョン 19.8 以降 BASE_LEVELを指定可能、CELLMEMORY_LEVEL 指定時の動作変更
LDAP_DIRECTORY_ACCESS バージョン 19.10 以降 ALTER SYSTEM 文による適用範囲が変更
PROCESSOR_GROUP_NAME ODA リリース 19.9 以降 PROCESSOR_GROUP_NAMEを使用して、ODA上のデータベースが実行されるCPUコアのセットを指定可能
UNDO_RETENTION バージョン19.7以降 自動拡張オフの UNDO 表領域でも UNDO_RETENTION が考慮される
UNDO_RETENTION バージョン19.9以降 CDB の初期化パラメーター変更が PDB に継承されない

INMEMORY_FORCE 設定値 CELLMEMORY_LEVEL に関するマニュアルの記載

 CellMemoryは、Exadataスマート・フラッシュ・キャッシュを使用してインメモリー列形式でデータを移入できるExadata機能です。旧リリースのOracle Databaseでは、CellMemory機能を使用するために、IM列ストアを使用する予定がない場合でも(INMEMORY_SIZEを0より大きい値に設定して) IM列ストアを有効化する必要がありました。このため、IM列ストアを利用しないのに、有効化によるオーバーヘッドが発生していました。Oracle Databaseリリース19c、バージョン19.8以降では、INMEMORY_FORCE=CELLMEMORY_LEVELおよびINMEMORY_SIZE=0を設定することで、IM列ストアを有効にせずにCellMemory機能を使用できます。これらの設定を使用すると、IM列ストアは有効化されませんが、問合せでCellMemoryを使用してオブジェクトをスキャンできます。

LDAP_DIRECTORY_ACCESS に関するマニュアルの記載

Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.10より前のリリースの場合、CDBルート・コンテナでこのパラメータを設定すると、CDB内のすべてのPDBでそのパラメータの設定が使用されます。PDBでこのパラメータを設定すると、パラメータ設定はそのPDBにのみ影響します。ALTER SYSTEMを使用して、PDBでこのパラメータを設定できます。
Oracle Databaseリリース19c, バージョン19.10以降:
CDBルートに接続している状況で、ALTER SYSTEMコマンドを使用してLDAP_DIRECTORY_ACCESSの値を設定する場合、次のようになります。
CONTAINER=ALL句を指定すると、設定はCDBルートおよびすべてのPDBに適用されます。
CONTAINER=ALL句を省略する、またはCONTAINER=CURRENT句を指定した場合、設定はCDBルートにのみ適用されます。
PDBに接続している状況で、ALTER SYSTEMコマンドを使用してLDAP_DIRECTORY_ACCESSの値を設定した場合、設定はそのPDBにのみ適用されます。
初期化パラメータ・ファイルでLDAP_DIRECTORY_ACCESSの値を設定した場合、設定はCDBルートにのみ適用され、PDBには適用されません。

MAIN_WORKLOAD_TYPE に関するマニュアルの記載

MAIN_WORKLOAD_TYPEにより、データベースまたはPDBのメイン・ワークロード・タイプを指定します。

OGG_ONLINE_DDL に関するマニュアルの記載

オンラインDDLのGoldenGateレプリケーションを有効または無効にするには、OGG_ONLINE_DDLを使用します。

SESSION_EXIT_ON_PACKAGE_STATE_ERROR に関するマニュアルの記載

セッションの状態が無効化されたときに強制的にハード・セッションを終了するには、SESSION_EXIT_ON_PACKAGE_STATE_ERRORを使用します。

UNDO_RETENTION に関するマニュアルの記載

 Oracle Databaseリリース19cバージョン19.7以降では、AUTOEXTEND UNDO表領域と固定サイズのUNDO表領域の両方で、UNDOは、このパラメータに指定した時間以上に保存され、問合せに対するUNDO要件にあわせてUNDO保存期間が自動的にチューニングされます。
 Oracle Databaseリリース19cバージョン19.9以降では、CDBでのUNDO_RETENTIONの値は継承されません。したがって、CDBルートでUNDO_RETENTIONの値を変更しても、PDBではその新しい値は継承されません。PDBレベルでUNDO_RETENTIONの値を変更する必要がある場合は、明示的に変更する必要があります。たとえば、CDBに2つのPDB (PDB1およびPDB2)が含まれている場合は、次のように、CDBルートと両方のPDBでUNDO_RETENTIONを2000に設定できます。

非推奨になる初期化パラメーター

 以下の初期化パラメーターは RU 適用により非推奨になります。

初期化パラメーター名 RU のバージョン 備考
CLUSTER_DATABASE_INSTANCES バージョン 19.1 では非推奨
PRE_PAGE_SGA バージョン 19.22 で非推奨

CLUSTER_DATABASE_INSTANCES に関するマニュアルの記載です。

バージョン19.1以上では、構成可能なOracle RACインスタンスの数はOracle Clusterwareから導出されます。

PRE_PAGE_SGA に関するマニュアルの記載です。

Exadataシステムでは、PRE_PAGE_SGAの値は必ずTRUEに設定されます。ExadataシステムでこのパラメータをFALSEに設定しようとしても、効果はありません。

Author: Noriyoshi Shinoda / Date: January 16, 2025

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